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2009年7月13日 (月)

パート、非正社員の活用、戦力化をどう進めるか?

非正社員比率が3割を超えたことが話題になったのは、3年ぐらい前でした。
昨年後半からの景気後退、それに伴う雇用調整の影響はあるものの、非正社員の存在感が大きくなっていることは間違いありません。

では、このようなパート、非正社員の活用や活性化に、企業はどれだけ真剣に取り組んでいるのでしょうか?
正社員に比べて優先順位が数段階落ちてしまう会社が多いのでは?

しかし、平均で3割超です。
この層がどう働くかが、会社の業績に与える影響は、相当大きなものになるはずです。

◆ぐるなびのパート活用事例

7月13日の日経新聞に、飲食店情報サイト・ぐるなびのパート活用事例が紹介されていました。

同社のパートは、担当店舗を巡回し、ぐるなびの企画やぐるなびの使い方を説明したり、店の要望や質問を聞きます。
午後1時~4時など、所定の勤務時間帯の中のスケジュールはパート本人に任せます。
週1度のミーティング以外は、出社の必要もないため、主婦には働きやすい環境になっています。

また、店で聞いた話などをまとめたリポートが、訪問件数や出勤率とともに評価対象となり、時給に影響します。

◆パートタイマー人事制度のポイント

パートタイマーの人事制度、賃金制度をどう考えるか?
これには、次の2つのポイントがあります。

ポイント1:パートタイマー固有のポイント
=勤務の自由度、柔軟さ

ポイント2:パートタイマーでも軽視してはならないポイント
=仕事のやり甲斐、仕事を通じた自己実現

ぐるなびは、この2つのポイントをしっかり押さえていると言っていいでしょう。

◆パートタイム労働法、パートタイマー助成金

2008年4月から、正社員との均衡処遇や正社員登用制度を義務付けた、改正パートタイム労働法が施行されています。
同法への対応という意味でも、パートタイマーの人事・賃金制度の整備が必要です。

また、正社員と共通の待遇制度の導入、パートタイマーの能力・職務に応じた待遇制度の導入、正社員への転換制度の導入を図った会社には、パートタイマー助成金も支給されます。

(詳しくはこちら)
http://www.hrm-solution.jp/joseikin/joseikin22.htm

このような公的支援を活用しつつ、パートタイマー、非正社員の戦力化・活性化に向けた制度整備を進めていくのがいいのではないでしょうか?

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2009年6月22日 (月)

派遣がらみの是正指導が相次いでいます

◆セミナー「中堅・中小企業のための就業規則作成・見直し講座」
6月24日(水)13:30~16:00開催

労働者派遣がらみで是正指導が相次いでいます。

メールマガジン労働情報から

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・スタンレー電気を是正指導/派遣法違反と労働局
自動車用照明器製造大手のスタンレー電気(東京)が神奈川県秦野市の工場で働かせていた請負社員について、労働者派遣法違反に当たるとして神奈川労働局が同社に是正を指導していたことが16日、分かった。

社員の代理人の弁護士によると、労働局は請負社員12人の勤務実態は派遣だとした上で、同法が派遣可能としている1年を超えていると指摘。またこの社員らを直接雇うよう推奨した。弁護士は「偽装請負が認められたと評価できる」と話している。

・三菱電機子会社を是正指導/派遣を出向と装う
三菱電機子会社の三菱電機エンジニアリングの姫路事業所(兵庫県姫路市)と同県相生市の派遣会社が、実態は「派遣」なのに「出向」を装って派遣労働者を働かせていたとして、兵庫労働局から職業安定法に基づき是正指導を受けていたことが11日、分かった。

2社によると、派遣会社は2000年から姫路事業所に労働者を派遣。07年以降は幅広い業務を経験させて能力を高めようと、十数人を「出向社員」に切り替えた。

しかし、派遣労働者と出向社員の業務内容はほとんど変わらなかったという。
---

いずれも、この通りだとすれば、いわゆる「偽装請負」(偽装出向)となります。

悩ましい問題ですね。
まだまだ景気の先行きは不透明。
厳しい情勢が続くことだけは確かです。

そんな中で、多少受注が上向いたからといって、雇用を増やすところまでは踏み切れない会社が多いでしょう。
そうなると、派遣や請負といった、外部人材を活用するしかありません。

しかし、外部人材を活用する場合は、それなりの制約があるわけです。

このような難しい時代、人事労務も、「複眼思考」が必要なのでしょう。

つまり、次のようにツールを複数用意し、マルチに走らせていくことが必要だということです。

・成果・貢献度重視型賃金
・さまざまな雇用形態の組み合わせ(マルチトラック型雇用)
・働く時間と場所の多様化

ご検討してみはいかがでしょうか?

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2009年4月23日 (木)

短時間正社員制度導入に助成金

労務トラブルを未然に防ぐ 就業規則作成&見直しマニュアル
すばる舎リンケージより4月26日発行。
A5版・456ページ、3500円(+消費税)

◆パートタイマーに関する助成金

パートタイマーの待遇改善などに取り組む事業主を支援する助成金として「パートタイマー均衡待遇推進助成金」が設けられています。

支給対象となるのは、次の施策をとった会社です。

(1)正社員と共通の評価・資格制度の導入
(2)パートタイマーの能力・職務に応じた評価・資格制度の導入
(3)正社員への転換制度の導入
(4)短時間正社員制度の導入
(5)教育訓練制度の導入
(6)健康診断制度の導入

◆短時間正社員制度に関する項目が改定

このうち、「(4)短時間正社員制度」を新たに導入する場合の内容・要件について、4月1日から改定が行われています。
内容は次のとおりです。

1.正社員と比較して、以下のいずれかに該当する制度とすること

(1)1日の所定労働時間を短縮する制度
1日の所定労働時間が7時間以上の場合で、1日の所定労働時間を1時間以上短縮するものに限られる。

(2)週又は月の所定労働時間を短縮する制度
1週当たりの所定労働時間が35時間以上の場合で、1週当たりの所定労働時間を1割以上短縮しているものに限られる。

(3)週又は月の所定労働日数を短縮する制度
1週当たりの所定労働日数が5日以上の場合で、1週当たりの所定労働日数を1日以上短縮に限られる。

2.労働契約期間の定めがないこと

3.時間当たりの基本給や賞与等が、同種の業務に従事する「正社員」と同等以上であること

なお、フルタイムの「正社員」から「短時間正社員」への転換要件については、制度に「育児および家族の介護以外の転換事由」が含まれていることが必要とされています。

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2009年4月 6日 (月)

派遣契約を期間の途中で解除する場合の注意点

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◆「派遣切り」が社会問題となりましたが

昨年来、「派遣切り」が雇用問題の焦点となっていますね。
社会問題と化していて、マスコミにもしばしば取り上げられています。
感情論に流されているような面もありますが。

さて、この「派遣切り」ですが、内容は次の2つに分かれます。

①派遣期間の途中で契約を解除すること
②派遣期間が満了し、再契約せずに終了させること

この2つをいっしょくたにして「派遣切り」と称していることも多く、話が混乱することもしばしばありますが、実はこれらは意味合いが相当異なります。
後者は当初の定め通りに契約を終了させるだけのことですが、前者はいわば「契約違反」です。

◆契約を中途解除する場合の指針

この「契約期間途中の解除」については、これまでも次のような指針が定められています。
(これは派遣先の事情で中途解除する場合です)

<派遣先の取るべき措置>
・派遣元事業主の合意を得、また、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申入れを行うこと。
・派遣先の関連会社での就業をあっせんするなど派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
・派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。それができないときは、契約解除から30日以上前に派遣元に対し予告を行わなければならない。予告を行わない場合は、派遣労働者の30日分以上の賃金に相当する額について損害の賠償を行わなければならない。
・その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。
・派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を派遣元事業主に対し明らかにすること。

<派遣元の取るべき措置>
・派遣先と連携して、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
・派遣契約の解除に伴い派遣元事業主が派遣労働者を解雇しようとする場合には、労働基準法等に基づく責任を果たすこと。

◆指針が改正されました

厚生労働省は、契約を中途解除された派遣労働者の保護を図るため、労働者派遣契約に関する指針を改正しました。
3月31日から適用されています。

内容は、次の通りです。

①次の事項を労働者派遣契約に定めること
・派遣労働者の新たな就業機会を確保すること
・これができないときは、休業手当(平均賃金の60%以上)、解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)等に相当額する以上の損害賠償を派遣会社へ行うこと

②派遣先は上記事項が契約に定められていなくても、派遣労働者の新たな就業機会の確保または休業手当、解雇予告手当等に相当額する以上の損害賠償を派遣会社へ行うこと

③派遣元は派遣先と連携して、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
それができない場合は、まず派遣契約期間中は休業を行い、休業手当を支払うか、それができないときは解雇予告・解雇予告手当の支払いを行うこと。

これまでの指針と、実質的な違いはありません。
大きな違いは、契約に就業機会の確保や損害賠償のことを明記するように求めていること、派遣元に対し、できるだけ休業→休業手当の支払という措置を取るように明記している点でしょう。

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2009年3月 6日 (金)

非正規労働者の雇止め等の状況について

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◆雇用調整が続いていますが

経営環境の悪化による雇用調整が進んでいます。

雇用調整にもいろいろな方法がありますが、主なものは次の通りです。

・時短
・操業日数短縮
・ワークシェアリング
・派遣契約、請負契約の解除
・有期労働契約の解約、雇止め
・希望退職
・退職勧奨
・指名解雇

◆非正規労働者の雇止め等の状況

厚生労働省は去る2月27日、全国の労働局及び公共職業安定所が、非正規労働者の雇止め等の状況について、事業所に対する任意の聞き取り等により把握した状況を公表しました。

概要は次の通りです。

<全国集計結果>

派遣又は請負契約の期間満了、中途解除による雇用調整及び有期契約の非正規労働者の期間満了、解雇による雇用調整について、昨年10月から本年3月までに実施済み又は実施予定として、2月18日時点で把握できたものは、全国で2,316事業所、約15万8千人となっている。

なお、就業形態別の対象人数の割合をみると、「派遣」が68.0%、「契約(期間工等)」が18.3%、請負が8.2%等となっている。

【集計結果】 2,316事業所 157,806人

就業形態別の内訳と構成比
・派遣:107,375人、68.0%
・契約(期間工等):28,877人、18.3%
・請負:12,988人、8.2%
・その他:8,566人、5.4%

<住居の状況>

住居の状況については、昨年10月から本年2月までに実施済み又は実施予定の113,927人のうち、72,972人について判明し、うち喪失者は3,085人で喪失者割合は4.2%であった。

<雇用保険加入状況>

雇用保険加入状況については、全体(157,806人)のうち、133,757人について判明し、うち加入者数は132,697人で、加入割合は99.2%であった。

なお、雇用保険の受給については、離職者が公共職業安定所における受給資格に関する手続きを行った上で、受給要件を満たす者が給付を受けることとなる。

<個人ベースの集計>

1月報告時点で雇用調整を実施済み又は実施予定とされた者(124,802人)のうち、別途の把握を行った40,011人について雇用保険の受給状況、再就職状況に関する個人ベースの集計を行った。

【雇用保険の受給状況】
集計総数40,011人のうち、離職者数は36,146人、受給資格決定者数は23,559人(離職者数の65.2%)であった。

また、被保険者であった期間等から、離職者36,146人のうち31,680人(87.6%)が受給資格ありと推定される。

【再就職状況】
離職者36,146人のうち、5,474人(15.1%)が再就職している。

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2009年3月 2日 (月)

有期労働契約のルールづくりが動き始めます

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◆有期労働契約とは

いわゆる「非正社員」の労働契約は、「有期労働契約」が大半です。
「非正社員とは有期労働契約者のことである」と定義しても、それほど「はずれ」ではありません。「当たり」とまでは言えませんが。

有期労働契約というのは、6ヶ月とか1年など、一定の期間を定めて雇用する形態です。期間が満了して契約が終了する場合と、契約を更新する場合とがあります。

更新を繰り返していた契約を終了させることを、「雇止め」といいます。
これがよく問題になります。


◆有期労働契約に関するルールは実は少ない

この有期労働契約を正面から取り上げた法律は、実はありません。

パートタイム労働法は、その名の通りパートタイマー(法律的には短時間労働者)を対象にした法律です。
したがって、フルタイム有期契約労働者は枠外となっています。

また、男女雇用機会均等法は男女間の均等待遇、労働者派遣法は派遣労働者の保護のための法律です。

このように、フルタイム有期契約労働者は、労働法制のいわば「デッドスポット」になっているのです。


◆有期労働契約に関する現在のルールは

とはいうものの、現行法制の中にも、有期労働契約を扱ったものはいくつかあります。

<労働契約法>

そのひとつが労働契約法。
労働契約法は第17条第1項で、「会社は期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」と定めています。

また、会社は労働契約の期間を、必要以上に短くしないように配慮しなければならないとしています。(労働契約法第17条第2項)。
契約を打ち切りしやすくすることを目的に期間を短くすることを防ぐための規定です。

<労働基準法と有期契約基準>

労働基準法14条2項には、「厚生労働大臣は、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる」と定められており、これに基づき、「有期労働契約の締結、更新および雇い止めに関する基準」(有期契約基準)が定められています。

主な内容は次の通りです。

1)契約締結時の明示事項

使用者は、有期労働契約の締結に際し、労働者に対して契約期間の満了後における更新の有無を明示しなくてはならない。
また、更新する可能性がある旨を明示した場合は、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなくてはならない。

2)雇い止めの予告

雇い入れの日から1年を超えて継続勤務している者および契約を3回以上更新している者との有期労働契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間満了の30日前までに、その予告をしなければならない。
ただし、既に契約を更新しない旨を明示している場合を除く。

3)雇い止めの理由の明示

有期労働契約が更新されなかった場合、更新しない理由について労働者が証明書を請求したときは、遅滞なく交付しなくてはならない。

4)契約期間についての配慮

契約を1回以上更新し、かつ1年を超えて継続勤務している等同社との有期労働契約を更新しようとする場合は、労働契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするよう努めなければならない。


◆厚生労働省が研究会をスタートさせました

厚生労働省は「有期労働契約研究会」を立ち上げ、有期労働契約のルールづくりを進めるようです。
これまでも、この種の研究会はありましたが、今回は法改正などを視野においています。
2010年夏までに報告書をまとめ、法改正など必要な措置を取る方針とのこと。

2月22日の日経新聞によると、議論のポイントは次の通りです。

・契約の制限
・契約期間
・雇止めの制限
・正社員との均衡待遇


◆人材戦略と有期労働契約

何かと問題になることの多い有期労働契約ですが、一概にダメという話でもありません。
会社の人事戦略上、このような契約形態も必須です。
また、このような働き方を選択する人も少なくありません。

しかしそれが、不当な待遇格差につながるようなことになると、さまざまなトラブルにつながり、会社は大きなリスクを抱えます。

では、どうするか?
会社と働く人両方が幸せになる方策を考えるしかありません。
簡単ではありませんが、それが会社を成長軌道に乗せ続ける王道でしょう。
そのためには、次の点を十分検討し、適切な人事制度を作っていく必要があるのです。

・どんな人材が必要か、どんな雇用形態の人が必要かを、会社の業務、今後の戦略に対応させて考えること
・職務や役割を基本にした人事・賃金制度をつくること
・正社員登用制度、社内人材公募制度などのサブシステムを整備すること


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2009年2月 3日 (火)

非正規労働者の雇止め、半年で12万6千人に

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◆雇用調整の動きが加速しています

景気急減速のあおりを受けて、雇用調整の動きが加速しています。
厚生労働省が1月30日に発表した「非正規労働者の雇止め等の状況について」によると、派遣又は請負契約の期間満了、中途解除による雇用調整及び有期契約の非正規労働者の期間満了、解雇による雇用調整について、昨年10月から本年3月までに実施済み又は実施予定として、1月26日時点で把握できたものは、全国で1,806事業所、約12万5千人となっているということです。

内訳は次の通りです。

(就業形態別の内訳)  (構成比)
派遣:85,743人 (68.7%)
契約(期間工等):23,247人 (18.6%)
請負:10,456人 (8.4%)
その他:5,356人 (4.3%)

有期雇用、派遣労働者を、雇用の調整弁として位置づけるというのは、会社の雇用政策として否定できません。
ただ、モノ扱いとして、自由自在にできるというわけではありません。

今回は、有期労働契約についてお話します。

◆有期契約基準

労働基準法14条2項には、「厚生労働大臣は、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる」と定められており、これに基づき、「有期労働契約の締結、更新および雇い止めに関する基準」(有期契約基準)が定められています。
主な内容は次の通りです。

1)契約締結時の明示事項

使用者は、有期労働契約の締結に際し、労働者に対して契約期間の満了後における更新の有無を明示しなくてはならない。
また、更新する可能性がある旨を明示した場合は、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなくてはならない。

2)雇い止めの予告

雇い入れの日から1年を超えて継続勤務している者および契約を3回以上更新している者との有期労働契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間満了の30日前までに、その予告をしなければならない。
ただし、既に契約を更新しない旨を明示している場合を除く。

3)雇い止めの理由の明示

有期労働契約が更新されなかった場合、を更新しない理由について労働者が証明書を請求したときは、遅滞なく交付しなくてはならない。

4)契約期間についての配慮

契約を1回以上更新し、かつ1年を超えて継続勤務している等同社との有期労働契約を更新しようとする場合は、労働契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするよう努めなければならない。

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2009年1月14日 (水)

非正社員問題をめぐる最近のリポート、記事から Part2

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◆人間尊重経営の死角

1月11日の日経新聞囲み記事「人間尊重経営の死角」は、非正社員問題、雇用問題を考える上で参考になるものでした。

記事は、日本経団連の2009年版経営労働政策委員会報告から、例年出ていた人間尊重という言葉が消えていることから、経団連は人間尊重の看板をおろしたのかと問いかけます。

そして、次のように指摘します。
・日本企業は、利益のためならちゅうちょ無く人減らしをするほどドライになっていない。雇用を守る気持ちはある。
・しかし、それは正社員についてだけである。

◆正社員と非正社員

記事は、正社員は労働契約を超越した「擬似家族」であると分析ています。

擬似家族だから、滅私奉公を求め、その見返りに終身雇用を保障します。
それに対して、非正社員はあくまでも契約ベースの関係。そこに温度差が出るわけです。

では、このような日本型雇用慣行が、これからも正当性を持ち得るのでしょうか?
記事は、非正社員が3分の1を超えた状況では、不公正な印象を持たれかねない、献身的な努力を迫られる正社員も楽ではないと指摘しています。

「契約関係に基づく関係」が冷たく、「擬似家族関係」が暖かいとは限りません。
むしろ、権利義務関係をきちんとしたうえで、相互の信頼関係を築く方が、心地よいのではないかという気がします。

また、今後は、合理的な理由のない労働条件格差は許されなくなっていきます。
職務や役割ベースの処遇制度が求められます。
そうなると、「正社員」、「非正社員」という、身分(のようなもの)に基づく処遇は、合理性がなくなってきます。

さらに言うと、終身雇用・年功序列と表裏一体となっている、「長期決済型処遇体系」が、もはや機能しなくなっています。

これらを考えると、人事賃金制度を、トータルで見直す時期にきているような気がします。

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2009年1月13日 (火)

非正社員問題をめぐる最近のリポート、記事から Part1

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◆非正社員問題が連日報じられています

昨年から今年にかけて、連日のように雇用問題に関する報道が、新聞、TVに出ます。
その中心が、派遣社員などのいわゆる「非正社員」。
「派遣切り」という刺激的な言葉も出ています。いかにもマスコミ的ですが。
要するに、派遣契約を終了させることを指している言葉ですね。
これには、①元々決まっていた派遣期間が満了し、契約を更新しないこと、②派遣期間(契約期間)の途中で契約を解除することの両方が含まれています。
まったく異なる事象を、いっしょくたに「派遣切り」という言葉でくくってしまっているので、問題の本質がよく見えなくなっているような気がします。

◆最近目にしたリポート、記事

マスコミ用語はともかくとして、社会問題化した非正社員問題にどう対処していくべきか、悩ましい問題です。
様々な要因が絡み合っており、そう単純ではありません。
労働者派遣法改正が議論されていますが、どういう方向にいくのか、不明です。

そんな中、最近目にしたリポート、記事で、注目したいのが2つありました。

ひとつは、みずほ総研が12月26日に出したレポート「不本意型非正規労働者数の推計」。
もうひとつは、1月11日付日経新聞の囲み記事「人間尊重」経営の死角。

今回と次回で、これらについてご紹介し、コメントしてみます。

まずは、みずほ総研レポート「不本意型非正規労働者数の推計」から

◆不本意型非正規労働者数の推計

同リポートは厚生労働省の「2007年就業形態の多様に関する総合実態調査」から、非正規労働者の実態を分析しています。

リポートは、非正規労働者に対して現在の就業形態を選んだ理由を尋ねた調査結果から、「自分の都合の良い時間に働けるから」という理由が最も多い42%となっている点を指摘、「非正規労働者の増加については、柔軟な働き方を求める労働者のニーズに対応したものであり、一概に不安定雇用と見るべきではない」と指摘しています。

その一方で、「正社員として働ける会社がなかったから」という理由をあげている人が、パートでは12%にとどまるのに対し、派遣労働者では37%、契約社員では32%を占める点に着目、「不本意ながら非正規労働を選択した人が、近年増加してきた就業形態で多いことには留意が必要」としています。

また、正社員への転換希望者の割合は、嘱託やパートでは、それぞれ9%、17%であるのに対し、登録型派遣労働者で41%、常用型派遣労働者で38%、契約社員で39%となっています。

◆不本意に多様化しているのが実態?

非正社員比率は、ご存知のように近年急速に高まっています。
そしてこれは、労働者派遣の規制緩和とほぼ並行しているといっていいでしょう。

つまり、多様化は経営の論理で一方的に進められ、働く人は不本意ながらその流れに乗っているということになります。
そうなると、旧来型の、正社員中心、非正社員は家計補助者だけという姿が望ましいということになります。

果たして、本当にそうなのでしょうか?
時計の針を戻すべきなのでしょうか?

もう少し考えてみたいと思います。

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2008年12月 9日 (火)

要注意!派遣契約の解除

◆雇用調整が進んでいます

景気の急激な悪化で、雇用情勢も様変わりしています。
そのあおりを最も受けているのが、非正社員。
パートタイマー、有期契約社員、そして派遣社員や請負労働者です。

やむを得ず雇用調整するような状況になった場合でも、あまりに乱暴なやり方で進めると、トラブルの原因となります。
特に問題になるのが、契約期間途中の解除。
有期契約労働者の場合、これは「解雇」扱いとなり、「解雇権濫用の法理」が適用されます。

◆派遣契約の中途解除

では、労働者派遣契約の場合、どう考えればいいのでしょうか?
これについて、厚生労働省は11月28日付に出した通達で、次のように述べています。

「各労働局においては、労働者派遣契約の契約期間満了に伴う契約の不更新や契約期間満了前の契約解除に係る事案の情報収集に努め、契約期間満了に伴い労働者派遣契約が更新されない事案については、雇用主である派遣元事業主に対して当該派遣労働者の雇用維持に努めるよう求めること。
また、労働者派遣契約の契約期間満了前に契約を解除しようとする事案については、派遣元事業主及び派遣先双方に対して、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針及び派遣先が講ずべき措置に関する指針に基づき、派遣労働者の雇用の安定を図るための措置を講ずるよう指導を徹底すること。」

この「派遣先が講ずべき措置に関する指針」で期間途中で契約を解除する場合、派遣先(派遣労働者を受け入れている会社)は次のような措置を取るべきとしています。

・派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
・これができないときには、労働者派遣契約の解除を行おうとする日の少なくとも30日前に派遣元事業主に対しその旨の予告を行わなければならない。
・予告を行わない派遣先は、速やかに、当該派遣労働者の少なくとも30日分以上の賃金に相当する額について損害の賠償を行わなければならない。
・派遣先が予告をした日から労働者派遣契約の解除を行おうとする日までの期間が30日に満たない場合には、少なくとも労働者派遣契約の解除を行おうとする日の30日前の日から当該予告の日までの期間の日数分以上の賃金に相当する額について行わなければならない。

・その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。
・派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること

会社の生き残りのためには、雇用に手をつけることもあります。
その場合、できるだけトラブルなく進めたいものです。
それには、①法令をしっかり押さえておくこと、②相手の「痛み」を理解して話を進めること--この2つが必須条件と言えるでしょう。

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2008年12月 5日 (金)

いすず栃木工場の期間従業員解雇

◆いすず栃木工場の期間従業員が解雇無効の訴え

金融危機による減産を理由に不当な解雇予告を受けたとして、いすゞ自動車栃木工場の期間従業員3人が、解雇予告の効力停止を求める仮処分を12月4日、宇都宮地裁栃木支部に申し立てたということです。

ですから、「解雇無効の訴え」と書きましたが、正確には「解雇予告の効力停止」。
契約終了日が12月26日なので、まだ解雇されていませんから、こうなります。
趣旨は同じですが。

メールマガジン労働情報によると、訴えたのは2006年から2~6カ月間の契約を繰り返し更新してきた40~50代の男性3人です。
正社員と同じ2交代制勤務で残業もあり、トラックやバスなどのエンジンの組み立て作業をしており、10月から来年4月までの契約を更新したばかりだが、11月17日に「12月26日で契約を打ち切る」と通告を受けたということです。


◆ポイントを整理すると

この問題は、次のように整理して考えると、分かりやすくなります。

1)有期労働契約の雇止めの問題
2)期間途中の解約の問題
3)実態として有期雇用か期間の定めのない雇用か


◆有期労働契約の雇止めの問題

有期労働契約については、まず、「雇止め」の基準を確認してみます。

厚生労働省の「有期契約基準」には、「雇い入れの日から1年を超えて継続勤務している者または3回以上更新している者との有期労働契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間満了の30日前までに、その予告をしなければならない」と定めています。


◆期間途中の解約の問題

今回の件は、雇止め(契約期間満了による退職)ではなく、期間途中の解約です。
これについては、労働契約法第16条1項に次のような規定があります。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

いわゆる「解雇権濫用の法理」ですが、この「合理的理由」、「相当性」については、判例などで一定の基準が示されています。

また、今回の場合は、減産という経営上の理由による解雇なので、「整理解雇」の枠組みで考えるのが適当でしょう。
そうなると、次の「整理解雇の4要件」がポイントになってきます。

「使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」

つまり契約期間途中の解約は、「解雇」となります。

そうなると、解雇に関する次の規定が適用されます。

①人員削減の必要性
②解雇回避の余地がないこと(他部署への配転などによって解雇を回避する努力を尽くしていること)
③対象者の選定基準の合理性(基準が客観的・合理的であること)
④解雇手続の妥当性(労使協議、労働者への説明等の手続を踏んでいること)


◆実態として有期雇用か期間の定めのない雇用か

会社にはさまざまな雇用形態の人がいます。
このうち、期間工などの臨時従業員、有期契約従業員は、業務の繁閑などに合わせて増減する「雇用の調整弁」的な機能があります。
したがって、解雇の要件も、いわゆる正社員に比べると緩くなります。

ただ、今回の人たちは、2006年から約2年間雇用されています。
この場合、「期間の定めのない雇用と同視できる状態」とされるかどうか?
もしそうなれば、解雇は正社員と同様の基準で有効・無効が判断されます。

これらの点が、今回の件でどう判断されるか、注目されます。


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2008年11月10日 (月)

パート、非正社員の賃金制度をどう考える?

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◆パートタイマーの賃金制度を見直す会社が増えていますが

パートタイマーの人事・賃金制度を見直す会社が増えています。
人事評価に基づき賃金などの処遇にメリハリをつけようというケースが多いですね。

パートタイマーを戦力化し、有効活用するうえで、このやり方は効果があります。
また、働く人にとっても、自分の働きぶりや仕事の成果が正当に評価され、処遇に反映されるのは、モチベーションが上がり、仕事へのやりがいを感じます。
この点は、正社員・非正社員問わず、です。

◆では、処遇は?

ただ、これに関して最近気になる記事を見ました。

11月7日の日経夕刊に、「パートなのにノルマがツライ」と題し、パートタイマーにもノルマ制などの成果型賃金制度を導入する企業が増えている様子がリポートされていたのですが…

前述の通り、パートであっても、働きぶり、成果などを評価し、処遇に反映するのは、何の問題もありません。

気になったのは、「成果を非正社員の賃金に反映しない企業も多い」という指摘。
つまり、成果は求めるが、達成しても待遇は以前のままということです。

つまり、正社員並にノルマを達成していても、賃金は据え置きということです。
これでは、活性化やモチベーションアップは望むべきもありません。

◆改正パートタイム労働法の定める均衡処遇とは

改正パートタイム労働法では、パートタイマーを、①職務内容、②人事異動・転勤・職務変更などの仕組み、③契約期間の3つを基準に、次の4種類に区分し、区分ごとに均衡処遇のあり方を定義しています。

区分1:正社員並みパートタイマー
区分2:正社員と職務同一で、一定期間異動・転勤・職務変更のあるパートタイマー
区分3:正社員と職務同一のパートタイマー(区分1,2を除く)
区分4:アシスタント型パートタイマー

「正社員並みパートタイマー」とは、職務が正社員と同一で、かつ、異動・転勤などが正社員と同様に行われるパートです。
この場合は、賃金など一切の待遇差別が禁止されます。

このようなケースはまだ少数派です。
割と多く見られるのは、異動・転勤などは正社員と異なるが、職務内容は正社員とほとんど同じという、「区分2」、「区分3」のケースです。

この場合、賃金については次のように定められています。
・区分2:業務内容の変更、人事異動、転勤が行われる期間は、正社員と同一の方法により賃金を決定するように努める
・区分3:職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案して賃金を決定するように努める

いずれも努力義務。したがって、これに合致していなくても、ただちに法違反ということにはなりません。

しかし、パートタイム労働法違反でなくても、不当な賃金差別は公序良俗違反として無効になる可能性はあります。

◆人材の活性化という観点で

このように、パートに成果を求めながら、賃金は据え置きという状態は、コンプライアンスの面で問題があると言えます。

しかし、この問題を、法律問題に限定して捉えないようにしましょう。
景気情勢の悪化、少子高齢化など、会社を取り巻く環境がひときわ厳しさを増しています。
そんな中、正社員、非正社員、外部人材(派遣など)をいかに戦力化し、活用していくかが、大きなポイントになります。
パートタイマーの賃金制度も、その文脈の中で考えましょう。
人材が活性することが、業績向上のベースになるのですから。

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2008年11月 6日 (木)

労働者派遣法改正案が国会へ

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◆改正労働者派遣法案の国会提出を閣議決定

政府は4日、改正労働者派遣法案の国会提出について閣議決定しました。
主な内容は(1)30日以内の日雇い派遣の原則禁止(2)派遣会社の「マージン率」など情報の提供義務化(3)グループ内企業への派遣規制などです。

施行は原則2009年10月だが、日雇い派遣など一部については2010年4月施行としています。

◆情勢は読めませんが

同法改正案についての労働側の反発は強く、特に「登録型派遣」を禁止としなかった点に批判が強いようです。

また、日雇い派遣禁止についても、民主党は「2ヵ月以内を禁止とすべき」としており、溝は深そうです。

しかし、だからといって、棚ざらしにしていいというものではないように思います。

いずれにしろ、今後の人材活用のあり方にも大きな影響を与えるこの法改正の行方は、要注目です。

また、法改正にかかわらず、現在の派遣の活用についても再点検し、トラブル防止に努めましょう。

◆改正案の概要

1.日雇派遣について

・日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者について、原則、労働者派遣禁止
・専門26業務及び26業務以外の専門性があり労働者の保護に問題のない業務をポジティブリスト化し、日雇派遣可能とする

2 登録型派遣の常用化について

・1年以上勤務している、期間を定めて雇用する派遣労働者等の希望を踏まえ、次のいずれかの方法で派遣先での直接雇用を促進する
①期間を定めないで雇用する派遣労働者又は通常の労働者として雇い入れること
②期間を定めないで雇用する派遣労働者-の転換を促進するための教育訓練等の措置を講ずること
③紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れる

3 派遣労働者の待遇の確保について

・派遣料金、派遣労働者の賃金、これらの差額の派遣料金に占める割合等の事業運営に関する情報の公開義務を派遣元事業主に課す
・派遣労働者等に対し、事業運営に関する状況、具体的な待遇決定の方法、労働者派遣制度の仕組み等の説明を行う義務を派遣元事業主に課す

4 雇用契約申込義務について

期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、労働者派遣法第40条の5 (雇用契約申込義務)の適用対象から除外する

5 労働力需給調整機能の強化について

・期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、特定を目的とする行為を可能とするとともに、その際には、年齢又は性別を理由とした差別的取扱いの禁止規定等を整備する

・紹介予定派遣の派遣契約及び就業条件の明示事項に、職業紹介後に労働者が従事する業務の内容、賃金、労働時間、雇用契約に係る期間の定めの有無等を加える

・グル-プ企業(連結会社)内の派遣会社が-の事業年度中に当該グループ企業に派遣する人員の割合を8割以下とする
その際、割合についての報告制度を設けるとともに、8割を超えている場合には、指導、勧告、許可の取消し等の各措置を順次行う

・離職した労働者(定年退職者等一定の労働者を除く)を元の企業に派遣することについて、離職の後1年間は禁止する

6 法令違反等に対処するための仕組みの強化について
・適用除外業務への派遣、期間制限違反、無許可・無届け違反、いわゆる偽装請負の場合について、派遣先に対し行政が従前以上の条件で雇用契約を申込むことを勧告できることとする

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2008年10月 7日 (火)

派遣「2009年問題」

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◆派遣「2009年問題」とは?

最近、労働者派遣の「2009年問題」というのを耳にしませんか?
これは一体何なのでしょうか?

これは、2009年に、労働者派遣の「派遣可能期間」に抵触する企業が、数多く出るということなのです。
その対象が、製造業。

何、それ?と思われた方もいるかもしれません。

製造業(製造現場)への労働者派遣は、以前は禁止されていました。

それが、規制緩和により、2006年3月1日から1年、2007年3月1日から3年まで可能になったのです。

ちなみに、現在の派遣期間の規制は、次の通り。
http://www.hrm-solution.jp/part/part6_hakenkikan.htm

そこで、2006年から製造現場で派遣の活用が進みました。
それ以前は、製造現場で外部人材を活用する場合は、請負を使うしかありませんでした。
しかし、請負の場合は、指揮命令ができないという制限があります。
これを無視して請負労働者を使っていたのが、いわゆる「偽装請負」です。

この、3年の派遣期間の満了が到来し始めるのが、2009年というわけです。

派遣期間が終わった場合、派遣元は、次のいずれかの手を打たなければなりません。

1)派遣労働者を直接雇用する
2)請負に切り替える

クーリング期間を過ぎれば、再度派遣を活用できますが、この期間は3ヶ月です。
この間、派遣労働者は使用できませんので、現実的かどうか疑問です。


◆厚生労働省が通達を出しました

このような状況で、起こりがちなのが、違法行為・脱法行為。
特に製造業派遣では、これまで様々な問題が起こっています。
当局も神経を尖らせているのですね。

そんなわけで、厚生労働省は9月26日、都道府県労働局長あてに通達を出しました。

主な内容は次の通りです。

・期間満了後は直接雇用もしくは請負にすべき
・期間満了後、3ヶ月「クーリング期間」をはさんで再び労働者派遣を行う行為は法の趣旨に反する
・労働者派遣はあくまでも「臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組み」である

2009年問題に限らず、派遣期間の制限はしっかり押えておく必要がありますね。
また、派遣を含めた非正社員の活用を、トータルで考えることをお勧めします。


通達の本文をご紹介します。

-----
職発第0926001号
平成20年9月26日
厚生労働省職業安定局長

いわゆる「2009年問題」-の対応について

特定製造業務については、平成16年3月1日より労働者派遣事業を行うことができることとされ、労働者派遣事業の適正な運営の敵及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)附則第5項により当初1年間であった派遣可能期間も、同項に基づき平成19年3月1日より最長3年間は延長されたところである。
こうした状況を受け、特定製造業務に係る労働者派遣については、平成18年頃から、従来請負により処理していた業務を労働者派遣により処理するよう切替えが進められたものが多いと推察されているが、これらについては平成21年において、最長3年間の派遣可能期間が満了することから、派遣元事業主及び派遣先において適正に対応することが求められるところであり、このことがいわゆる「2009年問題」として指摘されているところである。

このような2009年問題に係る指導監督については、これまでの指導監督と同様に労働者派草法、労働者派遣事業関係業務取扱要領等により対応することが基本となるが、各都道府県労働局に対し2009年問題-の対応について、事業主から多くの照会がなされている状況を踏まえ、今般効果的な指導監督に資するよう、下記のとおり考え方等を取りまとめたところであるので、貴局におかれてはこれに留意の上、適切な対応に努められたい。

なお、2009年問題-の対応については、派遣元事業主・請負事業主及び派遣先での適切な対応が必要であることから、本日付けで、別添1の団体に対し、別添2のとおり、2009年問題への適切な対応について要請したところであるので、併せてお知らせする。

1 基本的な考え方

労働者派遣は、臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組みであるので、労働者派遣の役務については、派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣可能期間を超える期間継続して提供を受けることはできないこと。
また、継続して労働者派遣の役務の提供を受けているかどうかについては、労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、提供を受けていた労働者派遣の終了と新たな労働者派遣の開始の間の期間(以下「クーリング期間」という。)が3か月を超えているかどうかによって判断しているところであるが、単に3か月を超える期間が経過すれば、新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは、労働者派遣法の趣旨に反するものであること。
このため、労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、派遣可能期間を超えてもなお、同一の業務を処理することが必要な場合には、基本的には、クーリング期間経過後再度の労働者派遣の受入れを予定することなく、指揮命令が必要な場合は直接雇用に、指揮命令が必要でない場合は請負によることとすることとすべきものであること。
なお、労働者派遣受入後の直接雇用又は請負に移行する場合には、これが適切に行われるべきものであることはいうまでもないこと。

2 留意すべき事項

(1)法違反となる場合

ア派遣先において派遣労働者を雇い入れて対応する場合

派遣元事業主が、派遣就業を終え派遣元事業主と雇用関係のなくなった派遣労働者(以下「旧派遣労働者」という。)について、派遣就業を行っていた派遣先(以下「旧派遣先」という。)において、直接雇い入れること及び旧派遣先での直接雇用の後に旧派遣労働者を改めて雇い入れて、再度派遣労働者として旧派遣先において派遣就業を行うことを、派遣先と合意している、又は派遣労働者-の説明において明らかにしぎいる場合等には、旧派遣労働者が自由な意思に基づいて結果として旧派遣先と雇用契約を締結する場合を除き、旧派遣先が旧派遣労働者を直接雇い入れている期間に派遣元事業主と旧派遣労働者との間に支配従属関係が認められ、労働者供給に該当するものであり、業として行う場合には、職業安定法(昭和22年法律第141号)第44条違反となること。
この場合において、「業として」に該当するか否かについては、基本的には従来どおり労働者供給事業業務取扱要領第1の1(2)ロにより個別具体的に判断されるが、業として行われる労働者派遣に引き続き、旧派遣先が旧派遣労働者を雇い入れる場合は、当該労働者派遣から直接雇用-の移行は「業として」行われるものに該当するものとして取り扱うこととすること。
なお、本取扱いにより、直接雇用-の切替えによる対応が違法な労働者供給事業として判断される場合には、その期間が3か月を超えている場合でも、当顕期間が違法であることから、クーリング期間が適正に3か月を超えているとは判断できないこと。
したがって、当該違法な労働者供給事業の前に旧派遣先と派遣元事業主との間で行われていた労働者派遣事業と同一の業務について、当該違法な労働者供給事業に引き続き旧派遣先と派遣元事業主との間で新たに行う労働者派遣事業は継続しているとみなし、派遣可能期間を超える場合は労働者派遣法第40条の2に違反するものとして取り扱うこと。

イ請負により対応する場合

「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準」(昭和61年労働省告示第37号)に照らし、適正な請負事業として実施されている場合は、特段の問題は生じないが、当該請負事業がいわゆる偽装請負によりなされている場合は労働者派遣事業に該当し、労働者派遣法に違反するものであること。

(2)直ちに法違反とはならないが、労働者派遣法の趣旨から適切な対応を求める場合

上記(1)以外の場合であって、直ちに労働者派遣法違反とならないが、例えば、派遣先において、同一の業務につき、恒常的に行われ、かつ、業轟の取扱状況等に何ら事情の変化がないにもかかわらず、労働者派遣と請負又は直接雇用を繰り返している、若しくは繰り返そうとする場合などについては、労働者派遣法の趣旨に反するものであること。

3 周知等

周知に当たっては、上記内容をまとめた資料を別添3及び4のとおり作成したので、適宜活用しつつ、全国のブロックごとに、時期を定めて集中的に周知啓発を図ること。
この際、派遣可能期間の考え方についても、併せて、十分に説明すること。
また、各労働局においては、別添2に準じて管轄内に所在する事業主団体等に対し、各労働局長から文書により要請を行うこと。
なお、請負により対応する際には、製造業の請負事業の雇用管理の改善及び適正化の促進に取り組む請負事業主及び発注者が講ずべき措置に関するガイドライン及びチェックシートの活用について、請負事業主及び発注者に対しあわせて周知を図ること。

4 指導等

(1)法違反となる場合

派遣元事業主及び派遣先において、上記2 (1)に係る法違反の事実が確認された場合には、厳正に是正指導を行うこととすること。

(2)直ちに法違反とはならないが、労働者派遣法の趣旨から適切な対応を求める場合

・派遣元事業主及び派遣先において、上記2(2)に係る事案が確認された場合には、労働者派遣法の趣旨等を踏まえた適切な対応を求める助言を行うこととすること。


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2008年9月18日 (木)

日雇派遣禁止の例外業務

◆労働者派遣法の改正論議が進んでいますが

労働者派遣法改正に向けた議論が、労働政策審議会で進んでいます。

法改正の中心は、日雇い派遣の禁止。

主な項目は次の通りです。

・日雇い派遣の原則禁止
・直接雇用促進
・派遣労働者の待遇確保
・グル-プ企業内派遣の制限
・法令違反への対処の仕組み強化

◆日雇い派遣禁止の例外

日雇い派遣については、以前から、専門的な業務については認めるべきではないかという議論がありました。
それを受けて、厚生労働省は、例外的に認める業務を9月12日の労働政策審議会に提示しました。

例外業務は、現行法制のもとで、派遣期間の制限がない「専門26業務」のうち、日雇い派遣がほとんど見られない「放送機器操作」や「アナウンサー」などを除いた18業務です。
これらは、「日雇い派遣が常態であり、労働者の保護に問題ない業務」ということです。

具体的には、次の業務です。
・ソフトウエア開発の業務
・機械設計の業務
・事務用機器操作の業務
・通訳、翻訳、速記の業務
・秘書の業務
・ファイリングの業務
・調査の業務
・財務処理の業務
・取引文書作成の業務
・デモンストレーションの業務
・添乗の業務
・案内・受付
・研究開発の業務
・事業の実施体制の企画、立案の業務
・書籍等の制作・編集の業務
・広告デザインの業務
・OAインストラクションの業務
・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業の業務

◆派遣法見直し論議で忘れてはならないこと

直接の引き金になったのが、グッドウィルなどの大手派遣会社の法違反です。
グッドウィルなどが犯したのは、派遣禁止業務への労働者派遣や、二重派遣といったことで、これらは元々、現行法規への違反です。

ただ、こうした会社は、日雇い派遣を中心業務としていました。
日雇い派遣については、派遣元管理者・派遣先管理者を置いていない、教育をきちんとやっていない、労災保険を適用していない、データ管理費という不明朗で違法性の高い給与天引きを行っていたといった問題がありました。
これらも、現行法制に対する、違法行為・脱法行為です。

その意味では、近年問題になっている日雇い派遣問題の多くは、現行法規の遵守を徹底することの方が重要な気がします。

確かに、日雇い派遣という形態そのものが、労働者保護や不当な格差という問題につながりやすいのは事実ですので、何らかの規制は必要だとは思いますが。

いずれにしろ、法令を作成・改正するだけでなく、その遵守体制の強化が欠かせません。
今回の改正論議の中にも、法令違反への対処の仕組み強化が盛り込まれていますので、注目したいと思います。

会社としては、派遣社員を含めた、非正社員の活用形態について、しっかりと検討する必要があると言えそうです。

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2008年9月 4日 (木)

労働者派遣制度改正の「たたき台」

8月28日の労働政策審議会職業安定分科会・労働力需給制度部会で、厚生労働省は、今後の労働者派遣制度の在り方の論点(たたき台)を示しました。

今後、このたたき台を元に、労働者派遣法改正が議論されます。
主な内容をご紹介します。

1 日雇派遣について

・日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者について、原則、労働者派遣禁止
・専門26業務及び26業務以外の専門性があり労働者の保護に問題のない業務をポジティブリスト化し、日雇派遣可能とする

2 登録型派遣の常用化について

・1年以上勤務している、期間を定めて雇用する派遣労働者等の希望を踏まえ、次のいずれかの方法で派遣先での直接雇用を促進する
①期間を定めないで雇用する派遣労働者又は通常の労働者として雇い入れること
②期間を定めないで雇用する派遣労働者-の転換を促進するための教育訓練等の措置を講ずること
③紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れる

3 派遣労働者の待遇の確保について

・派遣料金、派遣労働者の賃金、これらの差額の派遣料金に占める割合等の事業運営に関する情報の公開義務を派遣元事業主に課す
・派遣労働者等に対し、事業運営に関する状況、具体的な待遇決定の方法、労働者派遣制度の仕組み等の説明を行う義務を派遣元事業主に課す

4 雇用契約申込義務について

期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、労働者派遣法第40条の5 (雇用契約申込義務)の適用対象から除外する

5 労働力需給調整機能の強化について

・期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、特定を目的とする行為を可能とするとともに、その際には、年齢又は性別を理由とした差別的取扱いの禁止規定等を整備する

・紹介予定派遣の派遣契約及び就業条件の明示事項に、職業紹介後に労働者が従事する業務の内容、賃金、労働時間、雇用契約に係る期間の定めの有無等を加える

・グル-プ企業(連結会社)内の派遣会社が-の事業年度中に当該グループ企業に派遣する人員の割合を8割以下とする
その際、割合についての報告制度を設けるとともに、8割を超えている場合には、指導、勧告、許可の取消し等の各措置を順次行う

・離職した労働者(定年退職者等一定の労働者を除く)を元の企業に派遣することについて、離職の後1年間は禁止する

6 法令違反等に対処するための仕組みの強化について
・適用除外業務への派遣、期間制限違反、無許可・無届け違反、いわゆる偽装請負の場合について、派遣先に対し行政が従前以上の条件で雇用契約を申込むことを勧告できることとする

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2008年8月25日 (月)

非正社員の増加傾向が止まりつつある?

◆非正社員の存在感が急速に高まっていますが

非正社員比率が30%を超えたということが話題になったのは2年ほど前。
その後も、この比率は上昇を続けています。

総務省の労働力調査によると、2007年の非正規雇用者の比率は33.5%に達しています。
2008年1月~3月でも、34.0%と、そうか傾向を示しています。
また、厚生労働省の2007年パートタイム労働総合実態調査によると、2007年のパートタイマー比率は25.6%となっています。


◆潮目が変わった?

しかし、このところ、この傾向に変化が見られるようです。

8月21日の日経新聞によると、正社員雇用は6月まで3年4ヶ月連続で前年同月実績を上回る一方、臨時雇用は今年に入って6ヶ月連続でマイナスになったということです。

同記事は、その要因として、次の3つを上げています。

1)景気後退から、企業が人員(期間従業員や派遣社員)を絞り始めた
2)その一方で、中長期的な人材確保のため、正社員雇用は増やそうとしている。(その分非正社員雇用は絞る)
3)パートタイム労働法改正など、規制強化の動きから、非正社員雇用に企業が慎重になっている。


◆いまこそ、雇用多様化への根本的な取り組みを

ただ、「潮目が変わった」といっても、ここまで高くなった非正社員比率が、一気に下がるとは考えがたいところです。
業種などにもよりますが、非正社員が企業の人事戦略上、欠かせない存在になっているためです。
また、ワークライフバランスや働く人の価値観の多様化もあり、その点でも、雇用の多様化の流れが逆戻りすることはないのではないでしょうか。

ただ、記事でも指摘していたように、パートタイム労働法改正により、以前のようにパートタイマーを単に「安くて便利な労働力」として使うことはできなくなっていることは事実です。
もちろん、単純作業を、それに見合った賃金で、パートタイマーやアルバイトに担当してもらうこと自体は、問題ありません。
しかし、業務内容や責任などが、正社員とほとんご変わらないにもかかわらず、処遇がまったく異なるということは、許されなくなっています。

これはある意味、当然のことと言えます。

いまこそ、会社は、自社の業務をしっかり洗い出し、業務実態と人材活用のあり方を見直すべきなのではないでしょうか?


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2008年7月22日 (火)

契約店長に労災認定~名ばかり管理職問題に通じるものがあります

◆「すかいらーく」店長の過労死を労災認定

7月18日の日経新聞によると、「すかいらーく」で1年ごとに雇用契約を更新する契約店長が脳出血で死亡したのは、長時間労働などによる過労が原因だったとして、春日部労働基準監督署が労災認定したということです。

同社の記録では1ヵ月の残業時間は約40時間とされていましたが、遺族によると、亡くなる直前の3ヵ月間は月200時間を超えていたということで、春日部労基署は長時間労働を認定しました。


◆パート店長も登場していますが

この事件は、様々な課題を投げかけています。

誰を店長にするかは、当然のことながら、会社の自由です。
会社は事業戦略や本人の能力・適性などから、適任者を役職につけます。

そこにパートタイマーや契約社員などの非正社員を任命するのも、何ら問題ありません。

ただ、そこで問題になるのが、処遇。

改正パートタイム労働法では、いわゆる「正社員並パート」に対する差別待遇を禁じています。
また、異動や転勤などの点で「正社員並」にならなくても、「職務同一」であれば、そこに配慮した賃金決定が義務づけられています。

しかし、同法の対象はあくまでもパートタイマー(正確には短時間労働者)。
契約社員のように、一般にフルタイムで働く人は対象外です。

そこで起こるのが、非正社員を、人件費節約を目的に店長などの役職に就けるという人事。
実際、すかいらーく本社広報室によると、契約店長は正規の店長より収入は低いが、業務はほとんど変わらないということです。(7月17日・共同通信)

繰り返しになりますが、いかなる雇用形態であれ、適材適所の人材配置を行うのは、全く問題ありません。
雇用多様化の時代、これからの人事戦略として、積極的に推進すべきものです。
しかし、それを、経費節減のためにやってはなりません。
やはり、与えた職務・職責に見合った処遇を行うべきです。


◆名ばかり管理職の問題

この件は、権限なしに管理職扱いにして残業代を支払わない、いわゆる「名ばかり管理職問題」ではありません。
しかし、それに通じるものはあります。
というのも、「名ばかり管理職問題」の背景には、店長の長時間労働があるからです。
つまり、十分な権限はないにもかかわらず、業績責任だけ負わされる結果、店長がすべてをかぶって長時間労働をしてしまうということです。

会社はいま一度、役職者の責任と権限を洗い直し、管理職が活性化する手段を考える必要があるのではないでしょうか。


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2008年7月15日 (火)

パートの正社員登用が進んでいます

◆改正パートタイム労働法の柱のひとつが正社員転換

2008年4月1日施行の改正パートタイム労働法では、次のような「正社員転換措置」を企業に義務づけています。

①正社員募集を行う場合、募集要項を、会社に勤務しているパートタイマーに周知する。
②社員の配置を新たに行う際、パートタイマーに、その業務への配置希望を言う機会を与える。
③社員登用制度を設ける。
④教育訓練を受ける機会を確保するための援助を行う等、正社員への転換を推進するための措置を講ずる


◆正社員登用制度が広がりをみせている

そんな中、専門店の43.9%がパートタイマーを正社員として登用する制度を持っているという、日本経済新聞社の2007年度専門店調査結果が、7月9日の同紙に掲載されていました。

パートタイマーの活用と定着は、企業の重要な人事戦略となっています。
それが特に大きいのが、流通・外食産業と言えます。
定年延長などの待遇改善、正社員登用などの動きが、スーパーなどの小売や外食産業で目立ちます。


◆正社員登用のメリット、デメリット


①メリット

正社員登用制度には、次のような人材を確保できるというメリットがあります。
・実績がある人材
・能力やパーソナリティを把握している人材
・社内の組織や業務の流れを理解している人材

働く人にとっては、その会社が自分に向いているかどうか、長く働きたい会社かどうかをパートタイマーとして勤務している間に判断できるというメリットがあります。

また、正社員登用制度の導入が、パートタイマーの働く意欲を高めるという効果もあります。


②デメリット

デメリットは、雇用の流動性がなくなるという点です。正社員は、期間の定めのない雇用となり、柔軟な雇用調整は難しくなります。そのため、後述の「人材ポートフォリオ戦略」の中で、適切な雇用比率を考える必要があります。
また、正社員に登用されなかった人のモラールダウンや、登用された人とされなかった人との人間関係の悪化といった、労務管理上の問題を引き起こす可能性があります。この点は会社として十分な配慮が必要です。

このような点をふまえ、パートなどの非正社員の登用、活用を戦略的に検討していきましょう。


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2008年6月 9日 (月)

パートタイマーに退職金支給

◆改正パートタイム労働法施行から2ヵ月

改正パートタイム労働法が4月から施行され、2ヶ月が経過しました。
改正法のねらいは、雇用形態(正社員、パートなど)が異なっていても、職務などが同じであれば、処遇は同じになるようにする点にあります。

その一方で、優秀な人材の確保が、企業の重要な課題となっています。
この点は、いまになって始まったことではないのですが、競争環境の激化、人口減社会を迎えて、重要性が高まっています。

最近の資源高などを背景に、企業の業績に不透明感が広まり、求人市場も一時の過熱ぶりがやや冷めていますが、中長期的なトレンドは変わらないでしょう。

優秀な人材の確保という点では、パートタイマーも例外ではありません。
パートタイマー比率が高い会社や、これまでも有効活用をしてきた会社にとって、その重要性はますます高くなっていると言えるでしょう。


◆パートタイマーに退職金

そんな中、三井住友海上火災保険がパートタイマー(同社ではジョブパートナーと称しています)に退職一時金を支給するというニュースが、(独)労働政策研究・研修機構のメールマガジンに掲載されていました。

以下、同社のニュースリリースから、制度概要をご紹介します。


---
<ジョブパートナー「退職一時金制度」の概要>

1.制度概要
(1) 制度 : 時給による処遇に加え、評価に応じた一時金を積み立て退職時に一括支給する制度。
(働く時間に応じて一時金金額を積み立てていきますが、本人希望により、一時金の前払い(給与の上乗せ支給)も可能)
(2) 対象者 : 原則全てのジョブパートナー(短期間勤務を除く)
(当社直接雇用及びグループ会社(三井住友海上スタッフサービス株式会社)からの派遣者)
  適用時期 : 2008年4月以降順次

2.本制度導入の狙いと効果
・ 従来時給への上乗せとしていた昇給を、「退職一時金」として積み立てる選択肢を原則全てのジョブパートナーに適用することで、税法上の扶養範囲内での勤務を望む場合に勤務日数を減らす必要がなくなります。その結果、退職一時金と合算した実質年収が、従来比上昇します。
・ 働き方の柔軟な選択が可能となるため、正社員転換制度と合わせ、働きがいがさらに向上します。
・ 優秀な人財が長期勤務しやすい制度構築により、業務効率化・業務品質の向上が図られます。

3.退職一時金支給モデルケース
○初任時給1030円のジョブパートナーが、年間1000時間勤務した場合
・5年勤務:標準評価の場合、退職一時金額20万円(最高評価を継続の場合、40万円)
・10年勤務:標準評価の場合、退職一時金額90万円(同上180万円)
(補足) 従来より当社ではパート社員に対して評価制度を導入し、評価に応じて時給がアップする仕組みを採用しており、初任時給からは最大360円昇給します。この昇給相当分が退職一時金として積み立てられることとなります。
---


◆人材確保のために

退職金には、次のような機能があります。

・在職中の功労・功績に報いる
・長期勤続へのインセンティブ

成果・貢献度重視の人事制度という流れを受けて、退職金もかつてのように、勤続年数にリニアに比例するという方法は減っており、在職中の貢献度によって支給額に差がつくような方法が主流になりつつあります。

いわば、「成果主義型退職金制度」。

とは言え、「長期勤続へのインセンティブ」という機能がなくなったわけではありません。

その一方で、パートタイマーの定着策が人事上の大きな課題となっている会社が増えています。
それだけパートタイマーが「基幹戦力化」しているということです。

そのひとつの答えが、「パートタイマーの退職金制度」と言えるでしょう。


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2008年3月27日 (木)

正社員登用制度、流通・外食大手の74%に

セミナー「改正パートタイム労働法とパートタイマー活用戦略」を開催します。

2008年4月21日(月)午後1時30分~4時30分

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※お申込締め切り:4月2
日(水)


◆流通、外食大手で先行する正社員登用制度

4月1日施行の改正パートタイム労働法で、会社はパートタイマーの正社員への転換措置をとることが義務づけられます。

流通や外食大手では、法改正を先取りして、パートタイマーや契約社員を正社員に登用する制度を導入・実施しています。

では、全体の傾向はどうなっているのでしょうか?

3月26日の日経新聞に、小売りや外食大手の74%がパートから正社員への登用制度を導入しているという、同社の調査結果が掲載されていました。
同調査は、小売・外食大手50社を対象に実施したもので、回答は38社。
会社数は多くありませんが、雇用するパート数は約50万人です。


◆改正パートタイム労働法が定める正社員登用措置

改正パートタイム労働法では、正社員転換促進のために、次のいずれかの措置を取ることが義務づけられました。(パート法第12条および厚労省通達)

1)正社員募集を行う場合、募集要項を、会社に勤務しているパートタイマーに周知する。
2)員の配置を新たに行う際、パートタイマーに、その業務への配置希望を言う機会を与える。
3)社員登用制度を設ける。
4)教育訓練を受ける機会を確保するための援助を行う等、正社員への転換を推進するための措置を講ずる

ポイントは「制度として定める」ことです。
事業主が、気が向いたときに気にいった人を正社員に登用しても、この措置を取ったことにはなりませんので、注意が必要です。


セミナー「改正パートタイム労働法とパートタイマー活用戦略」を開催します。

2008年4月21日(月)午後1時30分~4時30分

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2008年3月21日 (金)

正社員登用実績、事業所の4割に

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2008年4月21日(月)午後1時30分~4時30分

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◆注目を集める正社員登用制度ですが

改正パートタイム労働法や人材確保の点から注目されている正社員登用制度ですが、実際の導入状況はどうなのでしょうか?

先日発表された、厚生労働省の「労働経済動向調査(平成20年2月)」によると、過去1年間に正社員以外から正社員に登用した実績がある事業所の割合は41%になるということです。

同調査から、パートタイマー、非正社員に関連した部分をご紹介します。


◆パートタイム労働者の不足感続く

平成20年2月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で22ポイントとなり、超過幅は前期(24ポイント)よりもやや縮小したものの、依然として不足超過幅が大きい。
産業別にみると、金融・保険業、情報通信業、不動産業で不足超過幅が前期より拡大しているが、飲食店,宿泊業、サービス業では不足超過幅が前期より縮小している。


◆正社員への「登用実績あり」は約4割

去1年間に正社員以外の労働者から正社員への登用を実施した事業所の割合は、調査産業計では「登用実績あり」が41%、「登用実績なし」が56%となっている。
「登用実績あり」を産業別にみると、製造業、飲食店,宿泊業、サービス業で割合が高くなっている。
また、登用実績ありのうち、登用にあたっての年齢の上限の有無をみると、調査産業計では「登用にあ たって年齢制限はなかった」(78%)の割合が高くなっている。
さらに登用実績があった事業所における今後の方針では、調査産業計では「登用していきたい」(64%) の割合が高くなっている。(


◆パートタイム労働法が求める正社員への転換制度とは

改正パートタイム労働法では、正社員転換促進のために、次のいずれかの措置を取ることが義務づけられました。(パート法第12条および厚労省通達)

1)正社員募集を行う場合、募集要項を、会社に勤務しているパートタイマーに周知する。
2)員の配置を新たに行う際、パートタイマーに、その業務への配置希望を言う機会を与える。
3)社員登用制度を設ける。
4)教育訓練を受ける機会を確保するための援助を行う等、正社員への転換を推進するための措置を講ずる


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2008年3月18日 (火)

キヤノン、工場の派遣社員ゼロに~派遣社員の2009年問題

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◆直接雇用、正社員登用の動き

非正社員の雇用、待遇に関して、最近の目立つ動きは、次の2つと言っていいでしょう。

1)派遣社員や請負などの外部人材を直接雇用する
2)パートタイマーなどの「非正社員」を正社員に登用する

1番目は、2年ほど前から社会問題にもなっている「偽装請負」2番目は4月1日施行の改正パートタイム労働法が、背景となっています。

それだけではなく、人材不足が大きな問題となる中、社業を担う人材を確保することが、重要な人事戦略上の課題となっているということもあります。

また、派遣社員の「2009年問題」もありますね。

「何、それ?」と思われた方も多いでしょう。

こういうことです。
1)2006年、製造業派遣が解禁され、多くの企業が製造現場への派遣社員の活用を始めた。
2)しかし、製造業派遣の期間は3年。これを超える派遣活用はできない。もし同じ場所、同じ業務で派遣社員を活用したかったら、3ヵ月超の「クーリング期間」をおかなくてはならない。
3)したがって、2009年には、派遣期間制限に抵触する会社が数多く出る。

会社は、直接雇用に切り替えるなどの対応を取らなくてはなりません。


◆キヤノン、派遣社員を直接雇用に

3月16日の日経新聞意、キヤノンが製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用するということが報じられていました。正社員への登用も進めるということです。

概要は次の通り。
・キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。
・2007年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。意欲があれば正社員に登用する。(08年度1000人程度)


◆派遣期間制限とは

労働者派遣法による、派遣期間制限は次の通りです。

業務 派遣期間
①専門26業務 制限なし
②日数限定業務*1 制限なし
③3年以内の有期プロジェクト業務 プロジェクト期間内であれば制限なし
④産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務 制限なし
⑤介護休業等を取得する労働者の業務 制限なし
⑥ ①~⑤以外の業務 3年


◆直接雇用義務とは

派遣社員の直接雇用義務は次の通りです。

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2008年3月17日 (月)

春闘の争点だったパートタイマーの待遇改善は?

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◆製造業大手の春闘は終結しましたが

3月12日の金属労協加盟の製造業大手の一斉回答で、春闘は大きなヤマ場を越しました。

今年の春闘の大きなテーマのひとつが、パートタイマーなど非正社員の待遇改善でしたが、結果はどうなったでしょうか?


◆パート、非正社員の待遇改善は?

最近の報道から、パートタイマー、派遣などの非正社員の待遇改善の動きを見ていきましょう。

・電機大手の労使が、請負や派遣を受け入れる際には、契約先企業や労働条件を労使双方で確認することで合意(3/13・日経)
・電機大手、企業内の最低賃金(18歳)を月額1000円上げることで合意(3/13・読売)
・トヨタ自動車、パートのい時給を2年連続で平均50円引き上げ(3/13・日経)
・流通業、パート時給引き上げ、前年上回る。
・日本郵政、非正社員2000人を2008年度中に正社員に(3/14・日経)


◆改正パートタイム労働法が求める均衡処遇

4月1日施行の改正パートタイム労働法では、パートタイマーを次の4つに区分し、それぞれの区分ごとに均衡待遇のあり方を規定しています。

・区分1:正社員並みパートタイマー
・区分2:正社員と職務同一で、一定期間異動・転勤・職務変更のあるパートタイマー
・区分3:正社員と職務同一のパートタイマー(区分1,2を除く)
・区分4:アシスタント型パートタイマー

区分1の「正社員並みパートタイマー」は、一切の待遇差別が禁止されます。
それ以外のパートタイマーについても、職務内容を基準に賃金などの処遇を決めることを求めています。

詳細はこちらを
http://www.hrm-solution.jp/part_index.htm


◆パートタイマーの処遇は2つのポイントで

パートタイマーの処遇は、次の2つのポイントがはずせません。
会社として、しっかりと対応していきましょう。

【ポイント1】コンプライアンス:改正パートタイム労働法など労働・社会穂意見法制への対応
【ポイント2】人事戦略:パートタイマーの活性化・戦力化


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2008年3月14日 (金)

パートタイマーの正社員登用の動き

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◆非正社員、パートタイマーの正社員登用

施行(4月1日)間近の「改正パートタイム労働法」。
その柱のひとつが、正社員への転換(正確には「通常の労働者への転換」)です。

法に定められるからというだけでなく、会社の人事戦略の一環として、正社員登用を進めるという動きも、流通・外食産業を中心に広がっています。

<吉野家、パートタイマーを地域限定の正社員に登用>
3月13日の日経新聞で、吉野家が6月をめどに、パートタイマーを転勤がない地域限定の正社員に登用する制度を始めるということが報じられていました。
1年後に全正社員の約3割が地域限定正社員になる見通しです。

牛丼の24時間販売の再開を決めるなど労働負担が増す中で人手不足も深刻化しているため、待遇改善で店長となる人材を確保するねらいがあるようです。

<日本郵政、非正社員2000人を正社員に>
3月14日の日経新聞で、日本郵政が13日の春闘の最終交渉で、日本郵政グループの郵便事業会社で働く月給制の契約社員2000人を2008年度中に正社員にする方針を明らかにしたということが報じられていました。。
退職者が相次ぎ、業務が効率的に進まなくなっているためだということです。


◆改正パートタイム労働法で義務づけられた正社員登用

改正パートタイム労働法では、正社員転換促進のために、次のいずれかの措置を取ることが義務づけられました。(パート法第12条および厚労省通達)

1)正社員募集を行う場合、募集要項を、会社に勤務しているパートタイマーに周知する。
2)員の配置を新たに行う際、パートタイマーに、その業務への配置希望を言う機会を与える。
3)社員登用制度を設ける。
4)教育訓練を受ける機会を確保するための援助を行う等、正社員への転換を推進するための措置を講ずる


◆正社員登用のバリエーション

一足飛びに正社員に登用するのではなく、次のように、間に1ステップ置く方法もあります。

1)パートタイマーからから契約社員など、正社員以外のフルタイム労働者への転換制度を設ける
2)契約社員には正社員への転換制度を設け、複数の措置の組み合わせにより正社員への転換の道を確保

正社員としての責任と権限をいきなり与えると、本人が不適合を起こしてうまくいかないとか、プレッシャーを感じてしまうという場合のソフトランディング策と言えます。

また、正社員にも、転勤の有無や勤務形態などの点でさまざまなバリエーショインがあります。
吉野家の事例のように、パートタイマーが「手を上げやすい」形態で登用するという手もあります。


セミナー「改正パートタイム労働法とパートタイマー活用戦略」を開催します。

2008年4月21日(月)午後1時30分~4時30分

お申込はこちらから:セミナーお申込フォーム
※お申込締め切り:4月2日(水)

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2008年3月 5日 (水)

請負労働者にも使用者責任あり

労働契約法セミナーを開催します。

「労働契約法と雇用ルールの実務ポイント
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◆請負契約の場合の安全配慮義務は

請負などの外部人材を活用する場合に、問題になりがちなのが、「使用者責任」です。
使用者責任にもいろいろありますが、そのひとつが安全配慮義務。

派遣の場合、労働者派遣法により、派遣元、派遣先双方の責任が明確になっていますが、曖昧になりがちなのが、請負です。

請負契約の場合、契約内容はあくまでも「業務」。
業務を完成させ納品するのが請負業者の義務です。
したがって、いつ、どこで、どのように業務を遂行するかは、請負業者の裁量であり、発注者側はコントロールできません。
それゆえ、発注者側には、請負業者(および、請負業者のもとで働く人)の安全に関する責任は、基本的にはありません。

しかし、これはあくまでも、原則的な請負契約の話。

現実には、請負といっても、「構内請負」など様々な形態があり、業務実態も様々です。


◆事故がおこったときの責任は

それでは実際に事故がおこってしまったとき、使用者責任を負うのは誰になるのでしょうか?
この点が曖昧になることが少なくありません。

去る2月13日、請負会社の指示で働いていた男性が製缶工場で転落死したのは安全対策の不備が原因として、遺族が製缶会社と請負会社に1億9000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の山田俊雄裁判長は13日、「製缶会社に実質的な使用従属関係があった」と認め、2社に約5100万円の賠償を命じたということが、2月14日の日経新聞で報じられていました。

記事によると、判決は、製缶会社の機械・設備が設置された場所で作業が行われ、管理もしていたと指摘し、「派遣社員との間には、実質的に使用者と労働者の関係が生じており、安全配慮義務を負う」としているということです。

判決は、この請負契約自体が適法なものであったかどうかの判断はしていないようです。
しかし、請負契約であっても実質的な使用従属関係にある以上は、製缶工場側にも安全配慮義務をがあるとしているわけです。

外部人材を活用している会社は、パートさんが、この「実質的な使用従属関係」の元におかれていないかどうか、しっかり確認するようにしましょう。


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2008年2月29日 (金)

パートタイマーの定年制、定年延長

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◆パートタイマーの定年延長の動きが

食品スーパーで、パートタイマーの定年を延長する動きが出てきています。

2月27日の日経新聞によると、食品スーパーのライフコーポレーションが5月から、パート社員の定年を64歳から70歳に引き上げたり、いなげやが現在より3歳上げて68歳にします。
両社とも時給は維持するということ。


◆定年延長、再雇用は高齢者雇用安定法で義務づけ

高齢者雇用安定法は、企業に60歳以上の雇用措置を義務付けています。
講じるべき高年齢者雇用確保措置は、次のいずれかです。

  ①定年年齢の引上げ
  ②継続雇用制度の導入
  ③定年制廃止

また、雇用確保年齢は、次の通り段階的に引き上げられていきます、
  2007年4月~2010年3月:63歳
  2010年4月~2013年3月:64歳
  2013年4月~          :65歳

現時点の、雇用確保年齢は63歳です。


◆定年延長はまだ少数派だが

雇用確保措置で一番多いのは、「継続雇用制度」、つまり定年後の再雇用制度です。
いったん定年退職し、雇用形態や労働条件を変更して再雇用するという形態。

会社にとってはこの方が負担が少なく、雇用確保対象者の選定や労働条件などでフリーハンドの幅がありますので、導入しやすいことは確かです。
ただ、人材の引きとめという点では、定年延長より弱いことは否めません。

今回報じられたのは、「定年延長」。

人材不足の中、「勤務経験の長い高齢者のつなぎ留めに乗り出し」(日経新聞)と言えます。


◆改正パートタイム労働法の規定も念頭に

定年のことで、意識しておかなくてはならないのは、4月1日から施行される、改正パートタイム労働法です。
同法では、正社員と職務が同一で、異動・転勤・職務変更が正社員と同様にあり、契約期間に定めがない、いわゆる「正社員並みパートタイマー」については、待遇差別が禁止されます。

この「待遇」には、退職・解雇に関することも含まれます。
したがって、正社員の定年を延長したり、再雇用制度を導入した場合、正社員並みパートタイマーにも同じ措置を講じなくてはなりません。


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2008年1月31日 (木)

りそな銀行、パートの処遇を正社員並に

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◆改正パートタイム労働法のポイントは5つ

4月1日施行の、改正パートタイム労働法のポイントは、次の5点です。

1)文書による労働条件明示
労働基準法で明示が義務づけられている項目以外に、パートタイム労働法では明示項目が追加されました。

2)正社員との均衡待遇
パートタイマーの類型別に、賃金、教育訓練、福利厚生施設に関する均衡待遇が定められました。

3)正社員登用促進
正社員登用措置を取ることが義務づけられました。

4)会社の説明責任
労働条件等の決定基準に関する説明責任が定められました。

5)紛争解決
パートタイム労働法独自の仕組みが設けられました。

この中でも、「正社員との均衡待遇」と「正社員登用促進」は大きなポイントです。

パートタイマーを活用している会社は、改正法への対応を検討する必要があります。

一方、法改正を先取りして、パートタイマーの処遇改善や、正社員登用を進めている会社もあります。


◆りそな銀行の新人事制度

1月31日の日経新聞に、りそな銀行と埼玉りそな銀行が7月から、正社員とパート社員の人事制度を一本化し、能力が同じであれば社員とパートの時間当たり給料を同じにするほか、パートのまま課長などの管理職にも昇進できるようにするということが報じられていました。

記事によると、評価内容も同一にし、転勤の有無による処遇の格差も撤廃、性別や年齢、職種などにかかわらず実力本位で評価し、従業員のやる気を引き出すということです。


◆法改正を超えて

同社は以前から、女性やパートタイマーの活用策で先進的な取組をしていました。
それだけ、競争が厳しいということなのです。

人材の確保と活用が、業績向上の決め手となっています。
今に始まったことではないのですが、特に少子高齢化時代を迎え、特に人材の重要さが増しています。

正社員・非正社員トータルで、人材の活用と処遇の仕組みを考える必要があるわけですね。


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2008年1月15日 (火)

有期契約の雇い止めに新たな基準

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◆有期雇用契約には有期契約基準

正社員、パートタイマー、契約社員など、様々な雇用形態を活用している会社は多いと思います。

6ヵ月、1年など、契約期間に定めのある、いわゆる有期雇用者を活用している会社もあるでしょう。

有期雇用を活用する場合に、確認しなくてはならないのが、「有期労働契約の締結、更新および雇い止めに関する基準」(有期契約基準)です。

労働契約の期間や契約打ち切りに関するトラブルは少なくありません。
そこで定められたルールが、この基準。

詳細はこちらを
http://www.hrm-solution.jp/part/part4_yuukikijun.htm

この有期契約基準の中の、雇い止めに関するルールの見直しが検討されています。


◆労働契約期間には2つのパターン

労働契約の期間には、次の2つのパターンがあります。

1)契約期間の定めあり
2)契約期間の定めなし

2番目のパターンは、いわゆる正社員に一般的に見られるパターンです。
定年年齢までは、解雇に該当することがなければ雇用が継続します。

1番目が、いわゆる「有期雇用」です。


◆契約期間に関する法規制

それでは、労働契約の期間に関して、現在どのような法規制があるのでしょうか?

これは、次の2つの側面があります。

1)労働者の足止め防止
2)雇用の安定


◆足止め防止

契約期間があるということは、その期間中は、原則として解約はできません。
それは、会社側もそうですが、労働者側も同様です。
したがって、契約期間があまりに長いと、労働者を不当に拘束することになるため、労基法で次の通り上限を定めています。

・原則3年
・例外5年(高度専門職、60歳以上)


◆雇用の安定

有期雇用者は、契約期間が終わり、更新されなければ雇用が終了するという、不安定な状態におかれています。
契約更新を繰り返していても、次の更新がどうなるか、分かりません。
また、契約期間終了直前になって更新なしと告げられ、次のあてもない状態で契約が終わってしまうということもあります。
長く働いて欲しいが、会社の都合でいつでも雇用を打ち切れるようにしておきたいので、契約期間を短くしておくという会社もあります。

このような状態で、安心して働くことはできません。

有期雇用は、必要な期間だけ人材を調達するという柔軟な人事戦略を実現します。
また、雇用の調整弁という面もあります。
変化の激しい時代、定年までの雇用を保障されている人だけで会社を構成するのは、リスキーです。

一方、会社に縛られない働き方を望む人もいます。

しかし、その一方で、有期雇用という理由だけで、長期間不安定な状態に置くことは望ましくありません。

その観点で、有期雇用に関し、次のような法規制があります。

<有期契約基準>
雇い入れの日から1年を超えて継続勤務している者との有期労働契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間満了の30日前までに、その予告をしなければならない。
(既に契約を更新しない旨を明示している場合を除く)

<労働契約法>
第17条第2項
使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。


◆有期契約基準の見直し案

前述の通り、有期契約基準では、継続勤務1年以上の場合であれば、雇い止めの際には30日以上までに予告しなければならないとしています。

ここで対象にしているのは、勤務期間。
契約更新の回数ではありません。

しかし、契約期間が短くても更新が繰り返されれば、働く人は、次も更新があるだろうと期待します。

そこで、見直し案では、雇止め予告の対象の範囲を拡大し、現行の1年以上継続した場合のほか、一定回数(3回)以上更新された場合も追加することにしています。

新基準は3月から実施の方針です。


◆人材活用の観点で

人が力を発揮するのは、安心して働ける環境があってこそです。
雇用の安定感は、その重要な柱です。
会社も、その点を重視し、人材の活性化と活用という観点で、雇用のあり方を検討しましょう。


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2007年12月27日 (木)

労働者派遣をめぐる最近の動き~規制強化の方向?

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◆労働者派遣法改正は見送りに

労働政策審議会で労働者派遣法改正について議論が続けられていました。
しかし労使の意見対立が厳しく、法改正は当面見送り。

労働契約法や労働基準法改正論議でも感じましたが、現在の審議会方式、限界が来ているような気がしますね。

それはともかく…

12月26日の日経新聞から、概要をご紹介します。

---
労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)は25日、派遣労働に関する中間報告をまとめ、「結論に達することは困難」として規制緩和の早期実施の見送りを決めた。派遣労働力を効率的に活用したいという企業や、規制改革会議の要望は退けられた形になった。厚労省は規制緩和を盛り込んだ労働者派遣法改正案の2008年の通常国会への提出を断念。一方で、日雇い派遣は規制を強化する方針を正式に決定した。

同日開いた労政審の部会では、経営側の委員が「多様な働き方を求める労働者がいる」(全国中小企業団体中央会の市川隆治氏)と規制緩和を求める立場を繰り返した。労働側委員は逆に、「偽装請負や違法派遣、日雇い派遣などで様々な問題が起こっている」(連合の長谷川裕子氏)と規制強化への転換を主張。隔たりは大きく、中間報告で労政審の議論を一時中断すると合意した。
---

規制緩和を求める経営側と、規制強化を求める労働側という、いつもの図式です。
ただ、昨年からの、偽装請負・違法派遣の相次ぐ摘発などを受け、規制強化派が勢いをつけていますね。

◆日雇い派遣への規制が強化される

その一方で、何かと問題の多かった日雇い派遣への規制が強化されます。

12月23日の日経新聞から

---
厚生労働省は労働者保護が不十分との指摘が出ている日雇い派遣制度を2008年度にも見直し、規制を強化する方針を固めた。派遣先企業が支払う料金を公開させることで派遣会社が極端に多額の手数料をとることを防止したり、業務内容など労働条件の事前明示を徹底することが柱。25日に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の労働力需給制度部会で提案する。

日雇い派遣大手のグッドウィルが労働者派遣法で禁止されている港湾業への派遣などの行為を繰り返していたとして、厚労省は全事業所に事業停止命令を出す方針。与党は「日雇い派遣の制度自体を見直すべきだ」と主張しており、厚労省は具体策の詰めに入った。
---

労働者派遣の歴史は、規制緩和の歴史と言えます。
しかし前述の通り、様々な問題がこの数年出てきています。
これらすべてが、規制緩和のせいとは言えません。
ただ、一気に進んだ規制緩和が、一部に歪を生んだことも否定できず、ここ最近は、この部分がクローズアップされています。

当面、労働者派遣は、監督強化の動きが続くと予想されます。
派遣を活用している会社は、行政や司法の動きを注視しましょう。

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2007年12月11日 (火)

正社員化、直接雇用の動きが加速しています

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◆正社員化、直接雇用の2つの流れ

最近、非正社員を正社員化する、あるいは直接雇用をするというニュースが相次ぎました。

これには、2つの流れがあります。

ひとつは、人事戦略・人材確保。
もうひとつは、コンプライアンス。


◆人事戦略・人材確保と正社員化

前者の例は、三井住友銀行の、派遣社員2000人を正社員にするという例。

12月6日の日経新聞から。

---
井住友銀行は5日、約2000人の派遣社員を来年夏に正社員として採用する方針を決めた。併せて本部や支店で補助的な業務を担う「一般職」を廃止する。女性の働き方の多様化に対応し、営業や管理職への道を開く。メガバンクは総合職と一般職から成る伝統的な人事制度を守ってきたが、人手不足の解消と競争力強化のため、柔軟な形へ転換する。

同行は一連の人事制度改革をこのほど労働組合に提案した。組合との調整を経て来年7月1日に実施する計画。派遣社員を2000人規模で一斉に正社員として雇用するのは日本の企業では異例だ。一般職の廃止はメガバンクで初めて。現在、三井住友銀で働くのは一般職を含む正社員が約1万8000人、派遣社員やパート社員が約1万人の計2万8000人。このうち一般職5500人と派遣社員2000人の計7500人が雇用関係や職種を変わる。
---

人事制度改革もポイントです。
「一般職」を廃止し、「ビジネスキャリア職」を新設するというもの。

一般職については、「復活」の動きもあります。
一見、方向性は逆のようですが、私はベースは同じだと思っています。

「一般職」を復活させる会社も、かつてのような「補助職」という位置づけにはしていません。あくまでも、事務職の専門家という位置づけ。
そして、派遣シフトを緩め、一般職正社員採用を、復活させている。

つまり、「それぞれの持ち場の中での専門技能・知識を高めてもらう」、「人材を確保する」という考えがあると言えます。


◆コンプライアンスと直接雇用

こちらは、ダイキン工業。

12月7日の日経新聞から。

---
ダイキン工業は6日、堺製作所(堺市)で働く請負労働者を来年3月から契約期間を最長2年半に限定した社員として直接雇用すると発表した。大阪労働局から同日、請負労働者の作業の自主性が保たれていない労働者派遣法違反の疑いがあると是正指導を受けたことに対応した。今後、国内の他工場でも請負労働者を直接雇用に切り替える。

請負労働者は本来、勤務先の指示に基づいた作業はできない。労働局の立ち入り検査で、独自の生産方法をとるダイキンの業務用エアコンの室外機組み立てや塗装などの製造工程では労働者の自主性が認められないと指摘された。

業務用エアコンを中心に生産するダイキンの堺製作所では請負業者7社と契約している。ダイキンは今後、請負労働者488人のうち希望者を契約期間を限定した社員として直接雇用。正社員への登用制度も用意する。淀川製作所(大阪府摂津市)など他の国内工場にも請負労働者が約630人おり、順次直接雇用に切り替える。これに伴う人件費の増加は年間1億円程度となる見通し
---

昨年、大手製造業を中心に、偽装請負の摘発が相次ぎました。

「請負」と「派遣」…何が違うのか?
こちらにいくつか解説を載せていますので、参照してください。

http://www.hrm-solution.jp/part_index.htm

ワーキングプア、労災隠しなどの問題とともに、請負、派遣の問題がクローズアップされました。
請負・派遣などの外部人材を活用することは、決して悪いことではありません。
業務に応じて様々な人材活用形態を組み合わせるのが、人事戦略です。

請負や派遣で働く人=単純作業とは限りません。
特に最近では、プロフェッショナル派遣や、インディペンデント・コントラクターといった、特定の組織に属さずにプロフェショナルサービスを提供する人も増えています。

また、働く人の価値観の多様化、そしてワーク・ライフ・バランスへの対応という点でも、派遣会社の存在は価値があります。

しかし、一方で、請負や派遣といった外部人材が、「安価でしかも切りやすい労働力」となっているのも事実。

法制や、行政も、こうした点を見過ごしにはしていません。

「処遇の均衡」も重要です。
特に今年の国会で相次いで成立した、雇用ルール改革関連法制、つまり、労働契約法、改正パートタイム労働法などのポイントのひとつが「均衡処遇」。

会社も、このような動きに、きちんと対応することが求められます。


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2007年11月 2日 (金)

労働者派遣~専門業務で契約して、契約以外の業務を指示した場合はどうなる?

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◆派遣業務によって派遣期間が異なります

労働者派遣を活用している会社は多いと思います。
この、労働者派遣法、規制緩和が続き、現在では港湾運送、警備などの業務を除き、原則自由化されています。

しかし、派遣期間など、しかるべき制限はあります。

派遣期間については、派遣業務を次の6つに区分し、それぞれについて派遣可能期間を定めています。

①専門26業務
②日数限定業務
③3年以内の有期プロジェクト業務
④産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務
⑤介護休業等を取得する労働者の業務
⑥ ①~⑤以外の業務

詳細はこちらをご覧ください。

「HRMオフィスホームページ」派遣期間と雇用義務
http://www.hrm-solution.jp/part/part6_hakenkikan.htm

ここでポイントになるのは、「専門26業務」と「それ以外の業務」。

専門26業務については派遣期間に制限はありませんが、それ以外の業務については3年という制限があります。

ただし、専門26業務でも3年以上同一事業所・同一業務に派遣されている場合で、かつ、今まで派遣社員が担当していた業務に新たに社員を雇い入れる場合は、その派遣社員に対して雇用申し入れの義務が生じます。

◆制度の穴を突いた?

10月27日の朝日新聞に、この専門26業務と派遣期間、直接雇用をめぐって気になる記事が掲載されていました。

記事はまず、派遣で1年を超えて働くと直接雇用を申し込む義務が発生するが、専門26業務は、優先雇用されるという定めがあるだけと、現行法の仕組みを紹介し、「派遣先がこれを利用して、実際には専門以外の業務も行うのに、26業務として契約すれば、派遣のまま何年も働いてもらえる。制度の穴をついたようなケースが少なくないという」と指摘しています。

「制度の穴」というのも、刺激的な表現ですが…

ポイントは次です。
そんな場合に直接雇用を求めるにはどうするか?厚労省は専門以外の業務が勤務時間の1割以上を占めれば、直接雇用の対象になると定めている

◆契約業務以外の業務がある場合はどうなる?

専門26業務に該当する派遣スタッフを活用する場合でも、契約業務以外の業務をお願いすることもあり得ます。
上記記事ののような、「制度の穴をついた」行為、つまり確信犯的な行為は論外ですが、そうでなくても、現実の業務の中で、結果としてそうなってしまうことはゼロとは言えません。

これはどう考えたらいいか?

これを厚生労働省は、次の2つに分けています。

1.本来業務と密接不可分な関係にある「付随業務」
2.本来業務とは別の業務になる「付随的業務」

(もう少し呼称を考えて欲しいものですが…)

1番目の「付随業務」の場合は、その業務と本来業務は一体のものとみなされます。
したがって、「1割以下」という問題は発生しません。

2番目の「付随的業務」が、「1割以下」の制限の対象になります。

したがって、ポイントは次の2点。

1)その業務が、「付随業務」か「付随的業務」か、どちらに該当するかの仕分け。
2)「付随的業務」の割合

ではこの「仕分け」ですが、こんなことが言えます。
①キーパンチャー
・入力業務のために書類をセットする、入力結果をプリントアウトする、などは「付
随業務」
・入力結果のプリントを、各部署に配布するのは「付随的業務」

②秘書
・秘書室内の業務であれば、担当役員の業務でなくても原則として秘書業務
・ラインにいる役員(取締役営業本部長など)の秘書が、営業本部の業務をやる場合
は、「付随的業務」

※厚生労働省の解説から

Q.いわゆる「複合業務」とは、どのようなものですか。

1.いわゆる「複合業務」は、政令26業務とそれ以外の業務を併せて行う場合の業務全体を指すものです。

2.また、複合業務に含まれる政令26業務以外の業務が一定の条件を満たす場合には、当該複合業務を全体として派遣受入期間の制限のない業務として取り扱うことができるものとされ(Q3参照)、この場合の当該複合業務に含まれる政令26業務以外の業務は、いわゆる「政令26業務の付随的な業務」とします。

3.さらに、労働者派遣法施行令第4条において条文上明示される政令26業務と密接不可分な行為又は一体的に行われる行為は、いわゆる「政令26業務の付随業務」であり、政令26業務の一部に含まれます。

4.このように、「政令26業務の付随的な業務」と「政令26業務の付随業務」は別のものであり、派遣受入期間の制限等に係る取扱いも異なります。

Q.「政令26業務」(「政令26業務の付随業務」を含む。)、「政令26業務の付随的な業務」、「複合業務」のそれぞれにおいて、派遣受入期間の制限の取扱いは、どのように異なりますか。

1.「政令26業務」については、派遣受入期間の制限がありません。

2.「政令26業務の付随的な業務」は、政令26業務に伴って付随的に行う政令26業務以外の業務であって、その割合が通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数で1割以下のものであり、全体として派遣受入期間の制限を受けない業務として取り扱うことができます。

3.「複合業務」は、上記2の「政令26業務の付随的な業務」を除き、派遣受入期間に制限のある業務に該当します。

Q.職場で見られる次のような行為は、政令26業務の付随的な業務として、通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数で1割以下にしなければならないものですか、それともそれ以外のものですか。
 休憩、朝礼、ごみ捨て、掃除、後片付け、用紙の補給、電話応対、書類整理

職場での行為が政令26業務の付随的な業務に当たるか否かは、それが行われる具体的な状況を踏まえて判断することになりますが、一般的には以下のように整理します。

1.拘束を受けることのない「休憩」については、業務には当たらず、政令26業務の付随的な業務にも該当しません。

2.「朝礼」については、通常は、直接雇用される労働者と派遣労働者といった区別なく対象として職場横断的、全般的な事項について方針の指示等が行われるものであることから、当該派遣労働者が政令26業務に従事するものである場合には、当該政令26業務の一部となります。

3.「ごみ捨て」、「掃除」、「後片付け」、「用紙の補給」、「電話応対」、「書類整理」について、例示をすると次のようになります。

例)労働者派遣法施行令第4条第5号に規定される事務用機器操作の業務(いわゆる「5号業務」)

ア)事務用機器操作及びその準備、整理の過程において行われる次のような行為は、5号業務と一体的に行われる「5号業務の付随業務」です。

①業務である機械操作を行う上で使用することが必要な書類について、業務の準備時、終了時に当該業務と一体のものとして行う書類整理。

②専ら派遣労働者自らが使用する机及びその周辺の後片付け及び掃除並びに当該机に備え付けられたごみ箱のごみ捨て。

③派遣労働者が行う就業場所のごみ捨て、掃除、後片付けであって、当該就業場所で直接雇用されている労働者も含め当番制等により適切な分担がなされているもの。

④派遣労働者自らが使用するプリンタへの用紙の補給、紙詰まりへの対応(共用プリンタの場合には、補給等が必要となった時点においてプリンタを使用していた者がこれを行うこととする等共用者間で適切な分担がなされているものを含みます。)。

⑤業務である機械操作を行う上で不明な情報について、派遣労働者が必要な問合せを行い、当該問合せに対する回答を受けることや、そのための電話応対。(これ以外の電話にも応対することとされている場合でも、直接雇用されている者を含め特定の者に電話応対が偏ることのないよう、当該就業場所に在室する誰もが電話応対をするように取り決めをしたり、当番制を導入する等適切な分担がなされているものは、⑤の電話応対と同様に取り扱うことができます。
ただし、当該就業場所を含む派遣先の事業所の一部にのみ代表電話が置かれ当該就業場所あて以外の電話応対が日常的にある場合や、適切に分担された当番制を設けずに日中は外出している労働者の電話応対を派遣労働者が分担する場合にあっては、「5号業務の付随的な業務」としての取扱いをする必要があります。)

イ)5号業務に伴って付随的に行われる次のような行為は、「5号業務の付随的な業務」としての取扱いをする必要があります。

4.なお、仮にその従事する政令26業務の就業場所以外の就業場所において派遣労働者が政令26業務以外の業務に従事する場合、当該派遣労働者が従事することとなる「複合業務」における政令26業務以外の業務は「政令26業務の付随的な業務」には該当せず、当該複合業務を全体として派遣受入期間に制限のない業務として取り扱うことはできません。

①派遣労働者の就業場所において業務に従事する者が業務に使用することが必要な書類について、自他のいずれが使用するかに関わりなく、その準備時、終了時の書類整理が派遣労働者の仕事とされている場合の準備時等の書類整理。

②派遣労働者の就業場所におけるごみ捨て、掃除、後片付けが派遣労働者の仕事とされている場合のごみ捨て等。

③ 遣労働者の就業場所におけるプリンタへの用紙の補給、紙詰まりへの対応等が派遣労働者の仕事とされている場合の用紙の補給等。

④派遣労働者の就業場所における電話応対が派遣労働者の仕事とされている場合の電話応対。

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2007年10月 4日 (木)

派遣法違反、偽装請負の指導が強化されています

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◆請負、派遣~もう社会問題?

昨年の一連の偽装請負報道、違法派遣、日雇い派遣の問題が相次いで報道されています。
「ワーキングプア」という言葉が流行語のようになり、派遣・請負はその象徴的存在にさえなっています。

報道によっては、情緒的に過ぎるものもあり、また非正規雇用が諸悪の根源のような言い方もされています。

そのあたりは、首を傾げざるを得ない部分も多く、私達としては、できるだけ事実を客観的に捉えるようにし、その上で今後のあり方を考えたいと思うのですが…

◆違法行為・脱法行為は許されません

これは確かです。
現行法制が適切かどうかはともかくとして。

厚労省も、この問題が見過ごせないものになっていると認識しているようで、指導を強化しています。

こちらもご参考に。

・派遣期間と雇用義務http://www.hrm-solution.jp/part/part6_hakenkikan.htm
・適正な請負とは?http://www.hrm-solution.jp/part/part5_ukeoikijun.htm
・製造業の請負事業の適正化ガイドラインhttp://www.hrm-solution.jp/part/part25_ukeoiguide.html

◆偽装請負に関する指導急増

指導強化が背景ですね。
10月4日の朝日新聞から。

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厚生労働省が06年度に偽装請負関連で文書指導をした件数が、前年度の2.7倍の2646件に激増していることが3日、わかった。労働者派遣法違反に対する指導件数の全体も73.5%増の6281件で、調査に入った件数に占める指導割合(指導率)は64.2%に達した。規制緩和で労働者派遣が拡大したのに伴い、違法行為も横行していることを示している。

指導内容は、請負事業主向けでは契約内容の不備が645件で最も多く、二重派遣などの職業安定法違反が485件、港湾荷役など派遣禁止業務への派遣が35件。発注者向けでは、無許可業者からの労働者の受け入れが192件だった。

偽装請負以外では、派遣元企業への指導が前年度より36.2%多い3032件、派遣先企業向けが43.6%増の603件。派遣元への指導は、派遣契約の不備(1380件)や就業条件を明示しない(1325件)など。最長3年の派遣可能期間を超えた違法派遣も100件あった。派遣先に対する指導でも契約の不備が目立ち、派遣可能期間を超えた労働者の受け入れも55件あった。
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非正社員に関する最近の報道から~トヨタ、期間従業員を組合員に

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◆正社員登用制度導入が増えていますが~労働組合の取り組みは?

流通、外食を中心に、非正社員を正社員に登用する会社が増えています。

そんな中、トヨタの労組が、期間従業員を組合員にするということが、10月4日の日経新聞で報じられていました。

これはあくまでも労働組合の動き。
ただこれが、非正社員の待遇改善につながることは確かでしょうし、さらに、正社員登用の動きを後押しもするでしょう。

労働組合が対象にしているのは、主として正社員。
パートタイマー、期間工、契約社員などの非正社員や、派遣労働者・請負労働者などの外部労働力は対象にしていないのが、一般的です。

雇用の多様化の中で、労働組合の地盤沈下の一因となっていました。

それに対する労働組合の動きは次の2つ。

1)正社員雇用を増やすよう経営者に働きかける
2)非正社員を組織化する

今回のトヨタ労組の動きは、非正社員の組織化を進めつつ、正社員雇用にもつなげようということでしょうね。

以下、記事の概要です。

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トヨタ自動車労働組合(鶴岡光行執行委員長)はトヨタ自動車の国内12工場で働く約9000人の期間従業員を順次、組合員として受け入れる方針を固めた。来年夏までにまず2000―3000人を迎える。賃金や待遇の改善を進める狙いで、トヨタも人材の定着や正社員化につながるとみて前向きに応じる姿勢だ。流通業で始まった「非正社員」の待遇改善や正社員化の動きが製造業でも一気に加速しそうだ。

 すでに国内流通業界では大手スーパーなどが大量のパートを組合員として受け入れ、賃金や待遇改善を労使で交渉する流れが定着してきた。自動車業界でも部品メーカーなどを含めると期間従業員や派遣・請負などの非正社員の規模が20万人以上に膨らんだもよう。人手不足が深刻になるなか、自動車業界を中心にした製造業でトヨタに追随する動きが広がるのは確実とみられる。
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2007年9月11日 (火)

非正社員への賞与支給は?

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◆非正社員の戦力化・活用

非正社員比率が30%を超え、量的にも質的にも非正社員のプレゼンスが増大しています。
非正社員はもはや「臨時的・補助的労働力」ではなく、「基幹的戦力」と位置づけられるでしょう。
そのような視点で非正社員の戦力化・活用を図っていくことが、会社の成長戦略に必須になっているとも言えるでしょう。

そうなると、今後しっかり考えていかないといけないのが、次の3点。
1)非正社員の確保と定着
2)非正社員の人事・賃金制度
3)正社員への登用制度


◆非正社員の賃金・賞与

その中でも賃金制度は、大きなポイントです。
水準だけではありません。
決定基準や昇給(降給)の仕組みも、水準に劣らず重要です。

その中で、賞与をどう考えていくか?

会社の支払い能力が許す限り、支給するのが基本でしょうね。

なお、改正パートタイム労働法では、「正社員と同視すべき短時間労働者」に関しては、差別待遇が禁止されています。
したがって、これに該当するパートタイマーについては、賞与の支払いも正社員と同様に扱わなくてはなりません。

法的義務というだけでなく、非正社員の定着・活用を進めていく上で、賞与の存在は無視できません。
気分的にも、結構大きなものがあります。


◆正社員並みの賞与も

ヘルメットメーカーのSHOEIが、10月から準社員に正社員と同等の年間5ヶ月の賞与を支給するという記事が、9月11日の日経新聞に掲載されていました。

記事によると、同社はこれまでも準社員に4か月分の賞与を支給していましたが、これを正社員と同等に引き上げるということです。
同社は「同一労働同一賃金」を掲げていましたが、賞与については、これまで正社員と差がありました。

記事には「技能をもつ作業者を確保するねらいも」と指摘しています。

また、同社は5年以上勤務する準社員で一定の評価を満たす約40人を正社員に登用するということです。


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2007年8月31日 (金)

派遣、請負をめぐる最近の動きから~人材活用のあり方を再考しましょう Part3

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◆派遣社員の能力開発

8月28日の日経夕刊に、人材派遣会社などが、派遣社員の能力開発に向けた仕組みづくりに乗り出すという記事が掲載されていました。

派遣、請負など、外部労働力を活用する場合、こういう点をしっかり確認する必要があるかもしれません。

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人材派遣会社などが派遣社員の能力開発やキャリア形成に向けた仕組みづくりに乗りだす。業界団体の日本人材派遣協会は教育訓練や能力評価のモデルを作成し、派遣会社に導入を促す。パソナも経験に基づく資格制度を導入する。派遣社員は能力開発の機会が少なく、賃金でも正社員との格差が課題になっている。人手不足を背景に今後はキャリア形成を支援する動きが広がりそうだ。

人材派遣協会は厚生労働省の委託を受けて事業を実施する。学識者や業界関係者で構成する委員会をこのほど発足。9月から派遣会社や労働者の実態調査をする。まず事務職を中心に、派遣社員が能力を向上させる機会の確保や、会社側がその能力を適正に評価する仕組みを検討する。
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◆外部の「プロ」活用が本来の派遣・請負

専門知識・スキルを身につけている人材を、事業の必要性に応じて活用するというのが、本来の派遣・請負。
もちろん、これがすべてではなく、テンポラリーな労働力としての活用もあります。

ただ問題は、日本の場合、後者のケースや、さらに言えば「安価な使い捨て労働力」に派遣や請負がなってしまっているケースが非常に多いということです。

格差問題のような話は別として、会社の立場にたっても、これが望ましい姿とは言えないのでは?

現実に、未熟練派遣・請負労働者による品質低下や業務災害といった問題が表面化しています。
結果として、会社のコストが増え、信用を落としてしまっています。

業務の繁閑調整としての活用も必要ですが、そこには自ずと限度があるのではないでしょうか。


◆プロフェッショナル派遣等も増えている

しかし、最近では、本当の意味での「プロフェッショナル派遣」も、徐々にですが増えています。
技術者、営業マン・営業レディなど。

そこまでのレベルでなくても、派遣会社などが自社スタッフをきちんと教育し、即戦力として働けるようにするという動きが広がっています。
(これは、記事にもある通り、スタッフ確保という意味もあります)

会社としても、こういう外部人材を、いかに自社人材と組み合わせて使っていくかという発想が求められます。


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2007年8月30日 (木)

派遣、請負をめぐる最近の動きから~人材活用のあり方を再考しましょう Part2

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◆製造業派遣は解禁されましたが

派遣可能期間も3年になっています。

人材の活用方法の選択肢がどんどん増えているわけですね。

ただ、それに伴い、新たな問題も発生しています。


◆製造業派遣の労災急増

8月29日の読売新聞夕刊から。

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製造現場で、経験に乏しい派遣労働者の労働災害(労災)が急増していることが、大阪労働局の分析で初めてわかった。

業種や経験年数がわかる全国統計がないため、「派遣労災」の実態はよくわかっていないのが実情。厚生労働省は現状を把握するため、派遣会社や派遣先企業の業界団体に、労災を報告する際、被害者が派遣労働者かどうかの明記を徹底するよう通知した。

大阪労働局は企業から提出された「労働者死傷病報告」を基に、労働者派遣法改正で製造業への派遣が解禁された04年3月から3年半の間に、大阪府内の派遣労働者が4日以上休業した労災を詳細に分析した。

04年3月から同12月、派遣先で事故に遭った労働者の総数は27人。その後増え続け、06年には146人に達した。このうち最も多いのが製造業での事故で、06年は全体の4割を超える64人。今年も29日現在、労災に遭った89人のうち51人を製造業が占めた。

06年の64人を経験年数でみると、3か月以下は27人、1年以下が7割を超える47人。年齢別では10~30代が6割に上った。
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◆未熟練派遣労働者の比率が高い

このような実態が浮かび上がっています。

派遣労働者を活用する会社は、この点十分な注意が必要です。
作業手順の説明だけでなく、安全教育を十分に行いましょう。

製造業派遣に限らず、安全衛生に関する責任は派遣先も負います。
ここでトラブルを起こし、余計な時間とコストをかけていては、何のために派遣労働者を活用するのか分からなくなってしまいます。


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派遣、請負をめぐる最近の動きから~人材活用のあり方を再考しましょう Part1

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◆人材不足、社会的批判~これらを背景に様々な動きが出ています

専門家の派遣、人材紹介に関するお話を昨日はしましたが…
派遣、請負をめぐって、様々な動きが出ています。

派遣、請負と言うと…

・格差問題、ワーキングプアの象徴的存在
・使い捨て労働力

こんなネガティブなイメージで語られることが多いですね。

確かに、偽装請負、労災隠しなど、不正の温床になってきた面があることは確かです。

請負を活用すること自体は、会社の人事戦略として、決して不当なものではありません。
しかし、コンプライアンス(法令遵守)を無視した行為は許されるものではありません。
また、「技能の継承」の観点も重要です。
自社に残すべきコアスキルは何か、それを踏まえて雇用をどうしていくかという戦略的観点が必須です。


◆製造業の請負事業の適正化ガイドライン

厚労省も、社会的批判の高まりもあり、昨年あたりから指導を強化しています。
この7月には、「製造業の請負事業の適正化ガイドライン」が出されています。
この中に、チェックシートもありますので、請負利用している会社は、一度確認してみることをお勧めします。

http://www.hrm-solution.jp/part/part25_ukeoiguide.html


◆キヤノンが請負労働者80人を直接雇用

8月30日の日経産業新聞に掲載されていました。

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キヤノンは29日、宇都宮光学機器事業所(栃木県宇都宮市)で働く業務請負会社の労働者約80人に対し、6カ月ごとに契約を更新し最長2年11カ月となる期間社員での採用を申し入れたと発表した。

昨年10月、同事業所で働く業務請負会社の労働者が、実態はキヤノン社員の指示で働く労働者派遣にもかかわらず、請負契約を装った偽装請負の疑いがあったとして、栃木労働局に是正指導を求めていた。キヤノンは偽装請負はなかったとの立場だが、労働者の雇用安定のために採用を申し入れたとしている。
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2007年3月26日 (月)

キヤノン、製造部門の派遣・請負を直接雇用

◆キヤノンが2007年、2008年の2年間で製造部門の派遣・請負3500人をを直接雇用に切り替える計画を明らかにしました。

3月25日の読売新聞から。

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同社は、請負業者の労働者を、正社員の指揮下に入る派遣社員のように働かせる「偽装請負」があったとして、03~05年に労働局から計7件の文書指導を受けた。この問題の反省を踏まえ、派遣社員らの正社員化に取り組む姿勢を強める。

2年間にグループの製造部門で新卒採用を含め計5000人を正社員などの直接雇用で採用。このうち、現在、派遣社員や請負労働者として間接雇用している従業員から1000人を中途採用の正社員として、2500人を契約期間3年未満の期間社員として採用する計画だ。

同グループの製造部門では、従業員の75%にあたる約2万1400人が間接雇用(派遣社員約1万3000人、請負労働者約8400人)。偽装請負の指摘を受けて昨年8月、御手洗冨士夫会長(日本経団連会長)の指示で「外部要員管理適正化委員会」を設け、雇用形態を見直してきた。

団塊世代の大量退職を背景とした人材確保や「偽装請負」問題を契機に、大手企業では間接雇用の非正規社員を直接雇用に切り替える動きが広がっている。
---

◆記事にもある通り、同社は労働局から偽装請負に関して指導を受けています。
また、昨年には、請負労働者が結成した労働組合から、正社員化の要求を受けていました。(2006年10月18日・朝日新聞)

その一方で、新卒採用を優先させ、派遣・請負の正社員化は後回しにするという報道もありました。(2007年2月18日・朝日新聞)
その報道では、同社は非正規労働者の正社員化については、優秀な人がいれば採用するとし、採用予定数は示していないということでした。

何か、迷走しているような印象です。

◆この問題、発端は偽装請負を指導されたことからです。

つまり、コンプライアンスの観点。

ただ、昨今の労働市場の状況を考えると、それなりに経験を積んだ人材は、安定的に確保しておくほうがベター。
品質にも影響するはずです。
それが会社の競争力、信頼にもつながってきます。

人材戦略の観点で、正社員登用を検討すべき時期にきているのでしょう。

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労働市場の需給ひっ迫~人材会社の戦略

◆人材紹介各社が、手数料の引き上げに動くようです。
背景には、労働市場の需給ひっ迫があることは言うまでもありません。

3月24日の日経新聞によると、大手のフジスタッフが30%強から35%に引き上げる方向で顧客企業との交渉に入ったようです。
また、中堅のアイ・エムは今年に入り、35%での成約が急増しているとか。

◆人手不足はどの業界でも起きています。
同記事では、特に流通、外食、情報システム、介護といった、特に人手不足が目立つ業界をリポートしています。

このような状況なら、いわゆる「ワーキングプア」と言われているような人たちにもチャンスはありそうなのですが、ある人材会社の人によると、外食関係は敬遠される傾向にあるとか。
仕事がきつい、長時間といったイメージがあるのかもしれませんが、働く側も、ステレオタイプなイメージに囚われず、自分の将来像をもっと柔軟に、幅広く考えてもいいような気がします。

◆また、採用する側も、定着にもっと力を注ぐ必要があります。
もちろん、いろいろやっていると思います。
しかし現実に、入社して3年も経たないうちに辞められては、採用コストの無駄遣い。
このコストと労力を、もっと定着策に振り向けるように、知恵を絞りましょう。
金銭報酬・非金銭報酬両面からのアプローチが必要です。

◆人材各社も、競争が厳しく、大変です。
そんな中、「レジ専門の人材サービス」という、ユニークな人材会社のことが3月26日の日経新聞に紹介されていました。

記事によると、この会社は「チェッカーサポート」。
人手不足に悩むスーパーや百貨店を顧客に、業績を伸ばしています。
同社で特徴的なのは、しっかりした人材育成の仕組み。
記事によると、同社は従業員の接客態度を評価する専門部署「CS部」を設け、従業員の技能向上を継続しています。
CS部にいる13人のスタッフが業務を請け負う店舗を毎月170点巡回し、接客態度などを覆面調査し、5つの評価項目で評価します。評価結果は時給にも反映します。
また、業務請負の場合は20~30歳代の社員を現場管理者として常駐させています。

人材派遣や業務請負で外部人材を活用する場合、業務の質が問題になることは少なくありません。
活用する側としては、スタッフの教育体制、社会保険なども含めた労働条件を確認し、質のいいサービスを受けられるかどうかをチェックする必要があります。
その点で同社のやり方は、顧客に安心感を与えると言えます。

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