賃金は「労働の対価」と言うが…「労働の対価」とは何か?(3)
「労働の対価」には、次の2つのとらえ方があるというお話をしました。
①就業規則、労働契約の面からみた「労働の対価」
②業務成果の面からみた「労働の対価」
今回から、2番目の「業務成果の面からみた労働の対価」についてお話していきましょう。
「賃金は働いた成果に応じて支払う」
この点に異論を唱える人は、そう多くはないでしょう。
本来的に、アウトプットに無関係な報酬というのは、あり得ないはずです。
公務員や官庁の外郭団体みたいなところは別でしょうけど。
もし会社の報酬制度がアウトプットと無関係だったら、その会社は存在できなくなります。
一見、アウトプットとは関係ないように思える報酬制度ても、間接的に(あるいは中長期的に)アウトプットに「結びつくはず」という考えで設計されているはずです。
実のところ、多くの賃金体系は、このような「結びつくはず」という仮説に基づいています。
成果を測ることが難しいからというのが、その理由です。
米国などでは、そんな回りくどく、しかも曖昧さの残るやり方ではなく、成果や仕事の価値と報酬がタイトに結びついています。
日本では戦後長らく、年功序列体系(と言うより慣行)が主流でした。
年齢、勤続年数、性別、学歴などの要素を総合的に勘案して毎年の昇給額を決め、長年の間に徐々に差がついてくるという方法です。
当然、終身雇用が前提になります。
ただ、そのような制度が適用されていたのは、大企業の男子正社員に限られていました。そう考えると「日本的経営」って、どの程度実態の伴うものだったのかな、という気もしますが。
それはともかく、年功序列体系は、まさに、「年功はアウトプットと比例するはず」という仮説に基づいた制度だったと言っていいでしょう。
これは、
①職務という概念がなく、与えられたさまざまな仕事をこなしていくことが求められていた
②集団で成果を出すことが求められた。貢献度は人によって異なっていたはずだが、それが直接処遇に跳ね返ることはほとんどなく、「全社一丸」になっていた。
状況は明らかに変わってきています。
とは言え、やみくもに個人主義、成果主義を入れればいいというものでもありません。
ではどうしていくのがいいのか?
次回、さらに考えていきましょう。
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