2008年12月17日 (水)

「就業規則改定」が何を意味するのか、よく考えましょう

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仕事柄、就業規則の作成、変更のご相談・依頼はよくきます。
ここで、しっかり確認しなくてはならないポイントがあります。

「就業規則を見直したいのですが…」
この言葉には、実は2つのレベルがあります。
依頼される方も、ここを意識していないことがよくあります。

◆就業規則改定の「2つのレベル」とは

就業規則を見直すということでお話を伺っていると、実は、就業規則の背景にある人事制度や賃金制度そのものも見直さなくてはならないということが、よくあります。
つまり、規則の条文や構成だけの話ではないわけですね。
これが「第1レベル」。

そうではなく、人事制度はできあがっていて、当面見直す必要はないが、就業規則への反映ができていないというケースもあります。
これが「第2レベル」。

そして、これまでの経験では、圧倒的に多いのが、「第1レベル」です。
人事制度をどの範囲まで、どの程度見直すかは会社によって異なりますが。

◆就業規則は人事政策・人事制度の写し絵

考えてみると、これは当然のことと言えます。
そもそも、就業規則とは、その会社の人事政策や人事制度を、条文として具体化したもの。つまり、会社人事の「写し絵」なのです。
ということは、「当社の就業規則は問題があるな」ということは、イコール「当社の人事制度は問題があるな」ということになるわけです。

もちろん、いますぐ人事制度を全面的に見直すということは無理ということもあるでしょう。
その場合は、現実に可能なところから手をつけていきます。
これだけでも、社員の意識は相当変わってきます。

「会社はきちんと考えている」
こう感じるかどうかで、モチベーションは全くちがいますから。

そう考えると、就業規則を見つめなおすことが、人材の活性化、そして業績向上につながると言えるでしょう。

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2008年12月 5日 (金)

いすず栃木工場の期間従業員解雇

◆いすず栃木工場の期間従業員が解雇無効の訴え

金融危機による減産を理由に不当な解雇予告を受けたとして、いすゞ自動車栃木工場の期間従業員3人が、解雇予告の効力停止を求める仮処分を12月4日、宇都宮地裁栃木支部に申し立てたということです。

ですから、「解雇無効の訴え」と書きましたが、正確には「解雇予告の効力停止」。
契約終了日が12月26日なので、まだ解雇されていませんから、こうなります。
趣旨は同じですが。

メールマガジン労働情報によると、訴えたのは2006年から2~6カ月間の契約を繰り返し更新してきた40~50代の男性3人です。
正社員と同じ2交代制勤務で残業もあり、トラックやバスなどのエンジンの組み立て作業をしており、10月から来年4月までの契約を更新したばかりだが、11月17日に「12月26日で契約を打ち切る」と通告を受けたということです。

◆ポイントを整理すると

この問題は、次のように整理して考えると、分かりやすくなります。

1)有期労働契約の雇止めの問題
2)期間途中の解約の問題
3)実態として有期雇用か期間の定めのない雇用か

◆有期労働契約の雇止めの問題

有期労働契約については、まず、「雇止め」の基準を確認してみます。

厚生労働省の「有期契約基準」には、「雇い入れの日から1年を超えて継続勤務している者または3回以上更新している者との有期労働契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間満了の30日前までに、その予告をしなければならない」と定めています。

◆期間途中の解約の問題

今回の件は、雇止め(契約期間満了による退職)ではなく、期間途中の解約です。
これについては、労働契約法第16条1項に次のような規定があります。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

いわゆる「解雇権濫用の法理」ですが、この「合理的理由」、「相当性」については、判例などで一定の基準が示されています。

また、今回の場合は、減産という経営上の理由による解雇なので、「整理解雇」の枠組みで考えるのが適当でしょう。
そうなると、次の「整理解雇の4要件」がポイントになってきます。

「使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」

つまり契約期間途中の解約は、「解雇」となります。

そうなると、解雇に関する次の規定が適用されます。

①人員削減の必要性
②解雇回避の余地がないこと(他部署への配転などによって解雇を回避する努力を尽くしていること)
③対象者の選定基準の合理性(基準が客観的・合理的であること)
④解雇手続の妥当性(労使協議、労働者への説明等の手続を踏んでいること)

◆実態として有期雇用か期間の定めのない雇用か

会社にはさまざまな雇用形態の人がいます。
このうち、期間工などの臨時従業員、有期契約従業員は、業務の繁閑などに合わせて増減する「雇用の調整弁」的な機能があります。
したがって、解雇の要件も、いわゆる正社員に比べると緩くなります。

ただ、今回の人たちは、2006年から約2年間雇用されています。
この場合、「期間の定めのない雇用と同視できる状態」とされるかどうか?
もしそうなれば、解雇は正社員と同様の基準で有効・無効が判断されます。

これらの点が、今回の件でどう判断されるか、注目されます。

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2008年11月 7日 (金)

雇用ルール改革と就業規則(3)~パートタイマー、非正社員に就業規則は必要?

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◆パートタイマーにも就業規則は必要

正社員就業規則はあるが、パートタイマー就業規則はないという会社があります。
しかし就業規則とは、就業上のルールを定めたもの。パートタイマー就業規則がないということは、就業ルールがないということになります。労働条件も不明確になりがちです。

パートタイマー就業規則を作成していない場合、どういうことになるでしょうか?
この場合、パートタイマーの労働条件は、個別に交わす労働契約によることになります。

しかし、労働契約法第12条は、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による」と、労働契約より就業規則を優位においています。

もしパートタイマー就業規則が無い場合、労働契約法の定めをそのまま適用すると、パートタイマーにも正社員就業規則を適用しなくてはならなくなります。
たとえば、パートタイマー就業規則が無く、正社員就業規則に退職金の規定があるとします。その場合、労働契約上はパートタイマーに退職金を支払うことになっていなくても、正社員就業規則の定めに基づき、支払わなくてはならないということになります。

現実にこのような形式的な法の適用がされるとは限りません。しかし、トラブルを防止するためにも、パートタイマー就業規則を作成しておく必要があると言えるでしょう。

◆パートの意見を聴くのも努力義務

パートタイマー就業規則を作成・変更する場合も、労働者代表の意見を聴かなくてはなりませんが、この「労働者代表」とは、その事業場の労働者全体の過半数を代表する者を指します。

全労働者の過半数代表者の意見を聴けば、パートタイマーの意見を聴かなくても構いません。たとえば、事業場に正社員が50名、パートタイマーが20名、合計70名が在籍している場合、36名で労働者の過半数を占めますから、正社員36名を代表する者の意見を聴けば、法違反にはなりません。

しかし、パートタイマー就業規則を、当事者であるパートタイマーの意見を全く無視して作成・変更することは望ましくありません。
そこで、パートタイム労働法第7条は「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする」と、パートタイマー就業規則作成手続についての努力義務を定めています。

「短時間労働者の過半数を代表すると認められるもの」は、短時間労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合代表、ない場合は短時間労働者の過半数を代表する者です。


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2008年11月 4日 (火)

雇用ルール改革と就業規則(2)~就業規則の変更と賃金制度改革の関係は?

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◆就業規則を変更する場合は

就業規則を変更した場合、個々の労働契約はどうなるのでしょうか?
これは、前回お話したとおり、その変更が合理的であれば、変更後の就業規則が新たな労働契約内容となります。

では、変更が「合理的」とは?
ここで問題になるのは、変更が労働者にとって不利益な場合です。
この有効性は、次の基準で判断されます。

・就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
・使用者側の変更の必要性の内容・程度
・変更後の就業規則の内容自体の相当性
・代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
・労働組合等との交渉の経緯、他の労働組合または他の従業員の対応
・同種事項に関する一般的状況

特に、賃金に関する不利益変更は次のように厳しく判定されています。

「労働者に法的に受任されることを許容することができるだけの高度の必要性」(第四銀行事件・最高裁)

◆賃金体系を変える場合の問題点

ここで問題になるのは、賃金体系改革との関係です。
会社は、経営環境の変化、経営戦略・人事戦略に基づいて、人事・賃金制度を見直します。
一度構築した制度が、未来永劫続くことはあり得ません。
特に、少子高齢化、知的労働の増加などから、人材戦略の重要性が増しており、人事・賃金制度を常に点検・見直すことが、経営戦略上必須のこととなっています。

賃金体系を改定した結果、全員の賃金が上がるのであれば、問題はありません。
しかし、そのようなことはあり得ません。
基準の変更などによって、不利益を被る人が、必ず出てきます。

このようなことが許されるのか?

もし、一切の不利益変更が許されない、あるいは、経営危機などの差し迫った要件がなければ許されないということになると、人事・賃金制度改革はほとんどできなくなり、経営の手足がぎちぎちに縛られます。

業績は好調でも、今後の成長戦略から賃金制度改革を行うこともあります。
これが否定されては、会社経営が成り立ちません。

しかし、賃金ダウンは、不利益変更であることは事実です。
特に、これまで、年功序列賃金のもとで、若いうちは低賃金で我慢し、中高年にさしかかって、それなりの賃金がもらえるようになった途端に、基準が変更されて賃金がダウンするのでは、「約束が違う」ということになりかねません。

ここが、従来の年功序列型制度を変更するときのネックとも言えます。

◆賃金体系改革の留意点

これを解決するには、次のような点を考慮して制度改革を進める必要があります。

・賃金総額は変更しないこと
・特定階層に著しい不利益を与えないこと
・一定期間の経過措置を設けること
・労働組合など、従業員と十分話し合い、理解を得ること

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2008年10月29日 (水)

新しい雇用ルールと人事制度・就業規則(9)~雇用ルール改革と就業規則(1)

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◆社内ルールの整備と労働条件明示がポイントに

雇用ルール改革で、これまで以上に重要になったのが、社内ルールの整備と労働条件の明示です。

労働トラブルが多発しています。
その背景には、会社のルールや労働条件が整備されていないことや、整備されていても、きちんとした説明がないことがあるのです。

さらに、働く現場が多様化・個別化している中、これらの整備は、人材の活性化という面でも、重要です。

会社のルールとは具体的には就業規則、労働条件の明示は労働条件通知書となります。

また、これらとの関係で重要なのが、労働契約法と改正パートタイム労働法です。


◆労働契約法における就業規則

労働契約法の中で柱になっているのが、就業規則と労働契約の関係です。
就業規則は会社が作成・変更します。労働者代表の意見聴取が義務づけられていますが、同意までは必要ありません。

では、会社が一方的に作成・変更することのできる就業規則と、合意によって成立する労働契約の関係はどうなるのでしょうか?
特に問題になるのは、就業規則の変更内容が、働く人にとって不利益になる場合です。

「自分は就業規則変更に合意していない。労働契約の変更は合意が原則なのだから、自分の労働条件はこれまでと変更ないはずだ」と従業員が主張した場合、どういうことになるのでしょうか?
こうした点が法で明らかにされ、就業規則が次の条件を満たしていれば、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるとされたのです。

1)就業規則に定められている労働条件が合理的である
2)その就業規則を労働者に周知させている

また、変更についても、その変更が合理的であれば、変更後の就業規則が新たな労働契約内容となります。


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2008年10月20日 (月)

無料小冊子「雇用ルール改革のあらましと実務ポイント」頒布します

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小冊子第2弾「雇用ルール改革のあらましと実務ポイント」が完成しました。
(第1弾から、随分時間がたってしまいましたが)

小冊子では雇用ルール改革の中から、特に重要な労働契約法と改正パートタイム労働法のポイントと、実務対応のポイントを解説しています。
さらに、今後の労働関連法規改正の動きも掲載しました。

新しいルールに対応した人事制度づくり、就業規則づくりにぜひお役立てください。

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※すでに小冊子「賃金表の作り方」をお申込の方は、同じID、パスワードでダウンロードできます。
お忘れの方は、お手数ですが、再度お申込ください。

【目次】

待ったなしで進む雇用ルール改革

Ⅰ 労働契約法のポイント
1.労働契約とは何か?
2.労働契約法のポイント
3.実務ポイント
(1)就業規則
(2)契約内容の文書による明示
(3)出向
(4)均衡考慮
(5)解雇
(6)安全配慮、メンタルヘルス対応
(7)有期労働契約

Ⅱ 改正パートタイム労働法のポイント
1.改正パートタイム労働法のあらまし
2.改正パートタイム労働法の実務ポイント
(1)就業規則、雇入通知書
(2)均衡処遇、正社員登用

Ⅲ 労働法制改正の動き
1.労働者派遣法
2.労働時間法制(労働基準法改正)
3.ワーク・ライフ・バランス、育児支援

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2008年10月16日 (木)

雇用ルール改革のインパクト(1)

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◆雇用ルール改革の影響は広範囲

これまで、一連の雇用ルール改革の内容をみてきました。
では、これらが会社に与える影響には、どのようなものがあるのでしょうか?

これは、次の3つに整理することができます。

1)人事制度と就業規則
2)労働時間・残業管理制度
3)非正社員

たとえば…

・労働契約法により、就業規則の位置づけ・重要性が、これまで以上に大きなものに
・健康問題とあいまって、長時間労働への指導が強化されている。労働時間法制によっては、さらにこの部分が強化される。その一方で、新しい柔軟な働き方に向けた環境整備も進んでいる。
・パートタイマー、派遣労働者、有期契約労働者などの非正社員の待遇改善を目指した法改正、通達、指針が相次いでいる。取り締まり、指導も強化されている。

ざっと、おおまかなところを上げただけでも、実にさまざまな項目が出てきますね。
詳細に見ていくと、さらに出てきます。

◆戦略的対応が必須

会社は、こうした雇用ルール改革に対応していかなくてはなりません。
もしそれを怠ると、次のような労務リスクに直結します。

・労働基準監督署の指導(是正勧告)、告発
・個別労働関係紛争解決促進法に基づくあっせん、労働審判、訴訟
・健康・メンタルヘルス障害

では、「とにかく対応しておこう」というスタンスでいいものでしょうか?

そもそも、このような雇用ルール改革がなぜ進められているのか、考えてみましょう。
それは、次の2つの要因からです。

1)会社の人材活用の多様化
2)働く人の意識、ライフスタイルの多様化

つまり、雇用ルール改革は、国が一方的に考えて押し付けてきたものばかりではなく、もともと会社が考え、進めてきた人事戦略に対応したものという面もあるのです。
労働時間制度の多様化などは、その典型例といっていいでしょう。

ということは、このような改革を先取りし、新しいルールを「戦略的に活用する」というスタンスが欠かせないのです。
そのことが、会社の業績向上につながっていくのです。

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2008年10月 9日 (木)

新しい雇用ルールと人事制度・就業規則(7)~労働基準法(労働時間法制)の動き

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◆大騒ぎになった「ホワイトカラー・エグゼンプション」

労働契約法のたたき台は2年前の2006年12月にまとめられました。
それと並行して議論が進んでいたのが、労働基準法改正案。
改正は労働時間に関する部分で、労働契約法と同時期に原案が作られています。

これが大変な騒ぎになりました。
騒ぎの中心が、「ホワイトカラー・エグゼンプション」。

これは、「自律的な労働時間制度」という名称で、次の要件に該当する場合は、労働時間規制の適用除外にするというものです。

---
①職務遂行の手法や労働時間の配分について自己裁量でき、成果や能力などに応じて賃金が決定されている。
②一定水準以上の額の年収が確保されており、本人が同意している。
③健康確保措置が講じられている。
④労使協議に基づく合意がされている。

---

一定水準以上の年収として、800万―900万円程度が想定されていたようです。

しかしこの「ホワイトカラー・エグゼンプション」は「残業代ゼロ法案」と、民主党や労働界の集中砲火を浴び、結局取り下げられました。

◆残業代割増率などの改正案も

「ホワイトカラー・エグゼンプション」に、労働時間法制の改正案として考えられていたのは、次のようなものです。

・残業代割増率増加
・年次有給休暇の時間単位での取得
・企画業務型裁量労働制の規制緩和

残業代割増率増加については、労働基準法改正案として、2007年の通常国会に提出されましたが、継続審議となり、現在に至っています。

この部分について、先ごろ、自民党と公明党の合意がなされました。

共同通信によると、概要は以下の通りです。

---
与党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」(PT、座長・川崎二郎元厚生労働相)は25日、労働基準法改正案について、50%以上の賃金割増率を義務付ける残業時間を原案の「月80時間超」から「月60時間超」に修正することで合意した。

労基法改正案は衆院で審議中で、衆院が解散されれば廃案となる。川崎座長は「与党が衆院選で勝てば、この通り提出したい」と語った。

月80時間超の原案には、連合など労働者側が「過労死が労災認定されるライン」として反発していた。川崎座長は「常識的な時間外労働は月60時間までという流れになれば、社会が変わるきっかけになる」と修正の意義を強調した。

PTは、改正法の施行期日を2010年4月1日とし、事務系労働者の働き方に対応する労働時間制度として、現行の裁量労働制や事業場外みなし労働制などの在り方を検討することにも合意した。
---

ポイントは、月60時間超の残業に対する割増率を現行の25%以上から50%に引き上げるという点です。
政治状況によってどうなるか、情勢は流動的ですが、総選挙次第では、さらに修正が入るかもしれません。

とにかく重要なのは、総労働時間の短縮です。
いまこそ、時短に本気で取り組むべきときではないでしょうか。

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2008年10月 6日 (月)

新しい雇用ルールと人事制度・就業規則(6)~労働者派遣法改正の動き(2)

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それでは、現在示されている労働者派遣法改正案の概要をご紹介しましょう。

◆改正のポイント

(1)日雇派遣の禁止
(2)登録型派遣の常用化
(3)派遣労働者の待遇の確保
(4)雇用契約申込義務
(5)労働力需給調整機能の強化
(6)法令違反等に対処するための仕組みの強化

◆改正内容

(1)日雇派遣の禁止

・日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者について、原則、労働者派遣禁止
・専門26業務及び26業務以外の専門性があり労働者の保護に問題のない業務をポジティブリスト化し、日雇派遣可能とする

(2)登録型派遣の常用化

・1年以上勤務している、期間を定めて雇用する派遣労働者等の希望を踏まえ、次のいずれかの方法で派遣先での直接雇用を促進する
①期間を定めないで雇用する派遣労働者又は通常の労働者として雇い入れること
②期間を定めないで雇用する派遣労働者-の転換を促進するための教育訓練等の措置を講ずること
③紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れる

(3)派遣労働者の待遇の確保

・派遣料金、派遣労働者の賃金、これらの差額の派遣料金に占める割合等の事業運営に関する情報の公開義務を派遣元事業主に課す
・派遣労働者等に対し、事業運営に関する状況、具体的な待遇決定の方法、労働者派遣制度の仕組み等の説明を行う義務を派遣元事業主に課す

(4)雇用契約申込義務

期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、労働者派遣法第40条の5 (雇用契約申込義務)の適用対象から除外する。

(5)労働力需給調整機能の強化

・期間の定めのない雇用契約の派遣労働者について、特定を目的とする行為を可能とするとともに、その際には、年齢又は性別を理由とした差別的取扱いの禁止規定等を整備する
・紹介予定派遣の派遣契約及び就業条件の明示事項に、職業紹介後に労働者が従事する業務の内容、賃金、労働時間、雇用契約に係る期間の定めの有無等を加える
・グル-プ企業(連結会社)内の派遣会社が-の事業年度中に当該グループ企業に派遣する人員の割合を8割以下とする
その際、割合についての報告制度を設けるとともに、8割を超えている場合には、指導、勧告、許可の取消し等の各措置を順次行う
・離職した労働者(定年退職者等一定の労働者を除く)を元の企業に派遣することについて、離職の後1年間は禁止する

(6)法令違反等に対処するための仕組みの強化について

・適用除外業務への派遣、期間制限違反、無許可・無届け違反、いわゆる偽装請負の場合について、派遣先に対し行政が従前以上の条件で雇用契約を申込むことを勧告できることとする

◆日雇い派遣可能業務

現行法制のもとで、派遣期間の制限がない「専門26業務」のうち、日雇い派遣がほとんど見られない「放送機器操作」や「アナウンサー」などを除いた18業務
・ソフトウエア開発の業務
・機械設計の業務
・事務用機器操作の業務
・通訳、翻訳、速記の業務
・秘書の業務
・ファイリングの業務
・調査の業務
・財務処理の業務
・取引文書作成の業務
・デモンストレーションの業務
・添乗の業務
・案内・受付
・研究開発の業務
・事業の実施体制の企画、立案の業務
・書籍等の制作・編集の業務
・広告デザインの業務
・OAインストラクションの業務
・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業の業務


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2008年10月 3日 (金)

新しい雇用ルールと人事制度・就業規則(5)~労働者派遣法改正の動き(1)

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◆日雇い派遣の問題とは?

働く現場では、さまざまな問題が起こっています。
そのひとつが、いわゆる「非正社員」をめぐる問題。
特に社会問題となったのが、「日雇い派遣」。

この形態は、次のようなメリットがあります。

【使用者側】
・業務の繁閑に合わせた柔軟な人材活用ができる。
・臨時的・突発的な業務に対応できる

【働く側】
・都合の良い時だけ働くという、柔軟な働き方が可能
・つなぎ的に仕事をしたい時に使える

元々、労働者派遣というのは、専門的知識・スキルをもった人を短期的に使うという発想でした。
その後、規制緩和により、次の2つの面で、派遣活用の範囲が広がったのです。

・分野の広がり:専門職以外の職種も派遣可能に
・期間の広がり:専門職の期間制限が無くなる

日雇い派遣は、上記のようなニーズに応えるものでしたが、一方で、企業の採用抑制で就職できなかった人や企業をリストラされた人など、「正社員市場」からの退場を余儀なくされた、あるいは入場できなかった人の受け皿にもなりました。

その結果、低賃金で住所不定の、いわゆる「ワーキング・プア」の中心層が、日雇い派遣ということになったのです。

さらに、日雇い派遣を中心とする人材派遣会社が、次のような法令無視の行動に出ました。

・労災隠し
・不明朗な賃金控除
・派遣禁止業務への労働者派遣
・二重派遣、多重派遣

つまり、ここ数年の日雇い派遣をめぐる諸問題の背景には、次の2つの要因があるのです。

1)バブル崩壊後の企業の採用抑制、リストラ
2)人材派遣会社の労働法令無視

そう考えると、日雇い派遣を禁止することが問題解決になるのかという疑問は残ります。

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