360度評価の効用は?
◆人事評価は、上司が部下の能力や成果を評価する、「上→下」の評価がスタンダードです。
それに対して、同僚同士や部下が上司を評価する手法を「360度評価」といいます。
視点を変えた評価を実施することで、「評定者バイアス」、つまり「ハロー効果」、「期末効果」や、評価者の価値観・好悪の感情などを薄める効果が期待できます。
また、部下が上司を評価することで、上司の管理能力を評価するというねらいもあります。
◆この360度評価、近年は管理職の育成を目的に実施する例が増えているという記事が4月16日の日経新聞に掲載されていました。
記事は、キリンビールの例を紹介しています。
同社の「リーダーシップフィードバック調査」では、管理職の仕事ぶりについて直近の部下3人が5段階評価します。
きっかけは、管理職の業務が増え、部下の育成に手が回らなくなり、社員に人事評価への不満が広がったこと。
この制度を活用して管理職全体の底上げを図っています。
他に、NTTデータの事例が紹介されていますが、同社も管理職の育成がねらい。
記事はさらに、若手人材の定着という効果を指摘しています。
つまり、管理職が部下や同僚の声を意識し、対話に努めることで、職場環境の改善や離職率の低下につながるというわけです。
◆「ジョハリの窓」というのがあります。
(図)
360度評価の活用は、この図の2番目の窓、つまり「他人は分かっているが、自分では分かっていない」という「盲目の窓」を、本人に認識してもらおうということですね。
◆この制度、上手に活用すれば効果的ですが、注意点がいくつかあります。
・会社が求める人材像を明確にし、社員にしっかり伝えること。
・管理職が人気取り政策に走ったり、部下が管理職をおとしめる道具に使わないようにする。
・賃金等の処遇への反映は、数度の運営を経て定着してからにする。
こうした点を十分考慮し、会社を支える管理職の育成につなげましょう。
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コメント
私も自社で360度評価を運用しています。
顧客企業にシステムの提供もさせていただいていますが、実施後に研修を取り入れている会社が多くなっているように思います。被評価者が、360度評価の重要性を認識する上でもジョハリの窓は有効だと思います。
投稿: 岡祐介 | 2007年4月24日 (火) 13時57分