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2009年7月30日 (木)

年次有給休暇付与の基準となる「出勤率」とは?

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当社では年次有給休暇を付与する際の出勤率の算定で、育児休業・介護休業や業務災害による休みについては、出勤としているが、病気欠勤の場合は、他の欠勤(自己都合欠勤、無断欠勤)同様に、出勤にはしていない。

病気欠勤が多く、出勤率が8割にならなかったため、年休を付与されなかった社員から、「欠勤といっても、病気でやむなく休んだのだから、出勤率で不利に扱うのはおかしい。もし分子(出勤日)に入れないのなら、せめて分母(全労働日)にも入れないで出勤率を計算すべきだ」という苦情が出た。
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◆年次有給休暇はどういう場合に付与されるか

年次有給休暇は、6ヶ月以上継続勤務し、その期間の出勤率が8割以上の人に対し10日間付与されます。
6ヶ月経過後は、1年ごとに、その期間の出勤率が8割以上の場合に付与されます。

◆出勤率はどう計算するか

出勤率は、(就労した日数)÷(労働日(就業日))で計算します。

分母になる労働日とは所定労働日数のことで、その期間(6ヶ月または1年)の暦日数から、所定休日を除いて算定します。

したがって、出勤率は、現実に出勤した日を、会社の所定労働日数で割ればいいのですが、いくつか考慮しなくてはならないことがあります。

前述のとおり、休日は労働日ではないので、分母には入れません。

また、休日出勤をしても、分子、つまり就労日数には入れません。
休日出勤日は、労働日ではないので、休日出勤をしても、分母・分子ともに入れないのです。

また、労働基準法および通達により、年次有給休暇、育児・介護休業、産前産後休業、業務災害による休業日は、出勤したものとみなさなくてはなりません。
したがって、これらの日は、全労働日、出勤日、つまり、分母・分子両方に入れなくてはなりません。

では、欠勤の場合はどうなるでしょうか?

欠勤日は、本来、「労働義務のある日」です。
休日とは異なりますので、この日は全労働日、すなわち分母に入れなくてはなりません。

また、欠勤ということは、当然、「不就労日」ということになりますから、出勤日、すなわち分子には入れません。

この点は、欠勤の種類が何であっても同じです。

ただ、不就労であっても、欠勤の種類によって、罰則があるかどうかが異なるわけです。
この点は、就業規則に定めます。

無断欠勤の場合は、処罰の対象にするのが、一般的です。

「病気でやむなく欠勤になったのだ」というご本人の主張が、あながち不当だとまでは言えません。
しかし、だからといって、出勤扱いにしなくてはならないということにはならないのです。

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2009年7月16日 (木)

労基署への駆け込みが急増

労働基準監督署に、労働相談に訪れる労働者が急増しています。

業績悪化で、労務トラブルが増えていることの表れですね。

7月16日の日経新聞によると、全国の労働相談件数は2008年度、約108万件で、前年度比8%増となっています。

労働基準監督署の方は、寄せられる相談処理で手一杯、日常業務に手が回らない悪循環に陥りかねないとか。

◆法違反の疑いがある場合は

相談内容から、労基法違反などの疑いが出れば、労働基準監督官が「臨検監督」に入ります。

会社はこれを拒むことはできません。
労働基準監督官には、労基法により、事業場などを臨検し、帳簿・書類の提出を求め、使用者・労働者に尋問する権限が与えられています。
また、特別司法警察職員としての権限をもっており、捜査令状を取れば、強制捜査、事情聴取、証拠物の押収ができます。

強大な権限をもっているわけです。

◆労働基準監督署の臨検監督とは

臨検には、次の4種類があります。

1)定期監督
2)災害調査・災害時監督
3)申告監督
4)再監督

定期監督とは、その名の通り、定期的に行う調査。
労働政策の重点事項に則り、ランダムに企業を訪問し、調査します。

「申告監督」とは、会社内外の人が、「法違反を犯しているので、調査・指導してほしい」と「申告」した場合に行います。
いわゆる「内部告発」などの場合も、これに該当します。
労働基準監督署は、どの会社(事業場)かが分かれば、申告者が匿名でも対応します。

また、監督署が臨検調査に来る場合、「定期監督です」とか「申告監督です」などとは言いません。
申告者が不利益を被らないよう、定期監督を装ってくることもあります。
(なお使用者は、申告をしたことを理由として労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをすることは禁じられています)。

私もこれまで何度か、臨検監督に立ち会ったことがあります。
賃金台帳、タイムカードなどの帳簿を調査し、事業所を見分します。
さまざまな角度から質問が飛んでくるので、気を抜けません。

臨検監督が終わると、調査結果によって、次のような措置が取られます。

1)是正勧告書の交付
2)指導票の交付
3)施設設備等の使用停止命令書の交付

是正勧告書、指導票が出されたら、会社は是正期日までに是正措置を取り、労働基準監督署に「是正報告書」を出さなくてはなりません。

労基署の最後の手段は、「送検」です。
書類送検が多いのですが、事業主が行方をくらます恐れがあるような場合は、身柄を送検されることもあります。

送検になるのは、次のような場合です。

・労働災害で死傷者が出て、その原因が法令違反であった。
・重大な法令違反、悪質は違反であった。
・是正勧告に従わなかった、改善が見られなかった。

労働基準監督署の臨検監督は、いつ来るか、まったく分かりません。
あらゆる事業所が、対象になり得ます。

そのときになって、あわてることのないよう、法令対応、リスク対応は日ごろからしっかりとっておくようにしましょう。

もし、不安を感じるのであれば、一度専門家にご相談することをお勧めします。

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2009年7月 7日 (火)

経歴詐称して入社したことを判明した場合は?(2)

◆セミナー「中堅・中小企業のための就業規則作成・見直し講座」
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◆犯罪歴は申告しなくてはならないか?

刑事事件で刑事事件で公判中だった事実を秘匿していたことについて、「申告すべき義務があったとはいえない」とした裁判例があります。

ただしこれは、公判中という事例。

有罪判決が確定していた場合はどうなるのでしょうか?
「必ずしも申告しなくてよい」という見解もあります。
しかしその一方で、確定した有罪判決は、「賞罰」の「罰」に該当し、申告すべきであるという見解もあります。
判例も、この立場に立っています。

◆前職での処分歴は

では、前職で懲戒処分を受けたという事実があった場合、応募者は、これを正直に申告しなくてはならないのでしょうか?

この点については、申告の義務はないというのが定説です。
つまり、このような経歴を申告していなくても、それだけをもって経歴詐称として処分することはできません。

会社にしてみると、悩ましいことですね。
懲戒の内容にもよりますが。

もしこれが、横領など、重大な行為だった場合、「もう大丈夫か?」と考えざるを得ないでしょう。

しかし、刑事罰に処せられていなければ、この事実を秘匿していたことをもって、解雇などの処分にすることはできません。

もしこのような事実が発覚した場合、本人に、会社がその事実を知っていることを伝え、本人に事情聴取をすることが現実的な対応でしょう。

そのうえで、一定期間は「観察期間」として、本人の業務をしっかり管理するという措置を取るのが良いと考えます。

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2009年7月 6日 (月)

経歴詐称して入社したことを判明した場合は?(1)

◆セミナー「中堅・中小企業のための就業規則作成・見直し講座」
7月13日(月)13:30~16:00開催

◆経歴詐称とは

7月6日の日経新聞「リーガル3分間ゼミ」、今回のテーマは「採用後に最終学歴詐称が発覚、解雇は妥当か?」というものでした。

記事は大学中退の経歴を高卒と偽っていた事実が入社後に判明、解雇処分に該当すると人事から言われたという事例です。

記事は、「学歴を高く詐称するか低く詐称するかに関係なく、虚偽の学歴を申告する行為自体が問題。最終学歴の詐称は重要な経歴詐称とみなされ、解雇処分となる可能性が高い」とする弁護士の見解を紹介しています。

過去の判例も、「雇用関係は, 労働力の給付を中核としながらも, 労働者と使用者との相互の信頼関係に基礎を置く継続的な契約関係であるということができるから, 使用者が, 雇用契約の締結に先立ち, 雇用しようとする労働者に対し, その労働力評価に直接関わる事項ばかりでなく, 当該企業あるいは職場への適応性, 貢献意欲, 企業の信用の保持等企業秩序の維持に関係する事項についても必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合には, 労働者は, 信義則上, 真実を告知すべき義務を負うというべきである」と、経歴詐称には厳しい態度をとっています。

つまり、経歴を詐称すること自体、労使の信頼関係を損なう行為であり、そのこと自体が制裁の対象となるということです。

経歴詐称で問題となるのは特に、採用の決定に重要な決定を与える事実を秘匿したり、偽ったりした場合です。

その点で、学歴や職歴を詐称することは、経歴詐称として解雇などの処分の対象になる可能性が高いと考えていいでしょう。

◆犯罪歴、処罰歴は?

問題となることが多いのは、学歴や職歴といった、能力評価などに影響を及ぼすと考えて問題ない経歴を秘匿していた場合です。

これは、その経歴が採否決定に有する意義や重要性だけでなく、「そもそも申告する必要があるのか?」という問題もあります。

上記記事は、刑事事件で公判中だった事実を秘匿していたことについて、「申告すべき義務があったとはいえない」とした裁判例を紹介、「犯罪歴は能力や適性と無関係。必ずしも申告しなくてもよい」という弁護士の見解を紹介しています。

ただ上記は、公判中という事例です。
有罪判決が確定していた場合はどいうなるでしょうか?

また、犯罪ではなく、前職での処分歴などはどうでしょうか?

次回、この問題を見ていきましょう。

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