経営者と一体的な立場にあるとは?(4)
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◆管理職の意思決定権をめぐる裁判例
「経営者との一体性」を判定するポイントのひとつが、管理職の意思決定権です。
では、この点に関して過去の裁判はどのような判断をしているのでしょうか?
これについては、次の2つに整理して考えるのがいいでしょう。
1)管轄部門に関する決定
2)経営全般に関する決定
前回はこのうち、管轄部門に関する決定についていくつか判例を見てみました。
今回は、2番目の「経営全般に関する決定」についてみていきます。
◆経営全般に関する決定
<否定例>
売上集計や支店長不在時の会議の取りまとめ、支店長会議への出席あるいは朝礼時に支店長からの指示事項を伝えることはあっても、支店営業方針を決定する権限や、具体的な支店の販売計画等に関して独自に(中略)指揮命令を行う権限をもっていたと認めるに足りる証拠はない(ほるぷ事件)
本部において、社長、各営業課長、教務事務課長及び人事広報係を構成員とするチーフミーティングが開催されていた。(中略)チーフミーティングは、会社としての決定機関ではなく、会社の営業に関する事項を協議する場ではあっても、会社の経営事項そのものを協議する場ではなく、もとより社長の決定権限を左右するような権限、あるいは社長からの委任に基づく何らかの権限をも有するものではなかった。(育英舎事件)
「店長が会社全体の経営方針の決定に関与するということもない。」(マクドナルド事件)
<肯定例>
主たる業務内容は看護婦の募集業務全般であり、右業務の責任者として、自己の判断で看護婦の求人、募集のための業務計画、出張等の行動計画を立案し、これを実施する権限が与えられ(中略)自己の調査、判断によりその採否を決定(徳州会事件)
乗務員の採否についても、営業部次長の段階における履歴書の審査や面接で不採用とする場合があるし、専務の面接に進んだ者で不採用になった者がいない(姪浜タクシー事件)
◆判断基準は?
管轄部門だけでなく、会社経営全般についても、しかるべき権限があることが求められています。これもかなり厳しい要件と言っていいでしょう。
この部分は、解釈次第で範囲が相当異なってきます。厳しく解釈すれば、管理監督者になるのは、会社の幹部クラス(事業部長、本部長レベル)に限られてしまうということもあり得ます。
いわゆる「管理職」が管理監督者と認められるためには、経営意どのレベルまで関与させるかがポイントになってくるでしょう。
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