2009年6月11日 (木)

賞与は支給日に在籍していないともらえない?

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「当社は賞与の支給要件を、次の2つとしている。

①算定対象期間の全期間在籍
②支給日当日在籍

ところが、算定対象期間は全部在籍していたが、支給日前に退職することとなり、賞与が支給されない(②の要件を満たさない)社員から、「算定対象期間のすべてに在籍した時点で、賞与の権利が確定している。しかも賞与は、賃金の後払い的性格が強い。したがって、支給日にいないからといって賞与を支給しないのは不当である」とクレームがついた。

賞与には過去の労働に対する対価という、「賃金の後払い的性格」があります。

しかし、それだけではなく、将来への期待という性格も併せもちます。
したがって、支給日在籍を賞与支給の要件とすることは、問題ないとされています。

判例にも、任意退職者は退職時期を任意に選択でき、定年退職者のように退職日を任意に選択できない者については日割り計算によって賞与を支給するなど、労働者に有利な面があるため、合理的としたものがあります。

賞与の支給日在籍要件は、問題ないと考えていいでしょう。

ただし、定年退職者や被解雇者のように、退職日を選択できないような場合は、支給日在籍要件は無効と解すべきという見解もあります。

実際、定年退職者や会社都合退職者には、支給日在籍でなくても賞与支給対象とする会社は少なくありません。

こうした点も考慮に入れるべきでしょうね。

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2009年6月10日 (水)

成果の上がっていない社員の賞与をゼロにできる?

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「当社の賞与は、基本給にリンクした一律部分と、半期の人事評価に対応した、成果反映部分の2本立てになっている。
成果反映部分は、人事評価によっては、0円もあり得る。

ところで、当社の営業部員で、まったく成果の上がらない者がいる。
前期から、成果反映部分はゼロにしているが、今期は一律部分もゼロしようと思っている。
一律部分とは言え、そもそも賞与は、会社の業績や個人の成果に応じて支払うものなのだから、問題ないと考えている。」

賞与は会社の義務ではありません。
しかし就業規則や労働契約、労使協定に定められていれば、会社に支払い義務が生じます。

また、賞与であっても、定められた算定基準、算定式に則って支払わなければ、違法となります。恣意的な運用は許されません。

したがって、賞与が、一律部分と査定部分に分かれている場合、人事評価が悪くても、一律部分を減らすことは許されません。

会社業績が悪化して、一律部分も減らすということはあると思います。
しかしそれはあくまでも、全体の原資を減らすということであって、上記とは問題の所在が異なります。

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2009年6月 9日 (火)

賞与は義務?

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「業績が悪化したため、今期は賞与を前期比で半額程度にすることにし、社員に説明した。
そうしたところ、ある社員が、「賞与も賃金なのだから、一方的なダウンは無効だ。」と主張、前期実績額の支払いを要求してきた。
会社は、賞与はあくまでも業績対応の一時金ととらえている。したがって、業績によっては大幅ダウンや支給ゼロもあり得ると考えているのだが…」

賞与の性格には、次の2つがあります。

①業績配分
②生活費の補填

賞与は義務ではありません。

しかし、就業規則に定めがあれば、その規定に基づく支払義務が会社に生じます。

もし就業規則に「賞与は毎年6月10日と12月10日にそれぞれ基準内賃金の2か月分を支払う」という定めがあると、会社はそれに従って賞与を支払わなければならなくなります。

このような内容で賞与を支払うことを、会社が従業員に約束しているからです。

一方、次のような定め方になっている場合は、どうでしょうか?

・賞与は業績と本人の評価に応じて支払う。
・月数等はその都度決定する。
・業績が悪いときは支払わないこともある。

このような場合は、賞与の支払いを会社が約束したとまでは言えません。

したがって、賞与の支給決定(月数、支払日などに関する会社の決定または労使合意)があって、はじめて会社に支払義務が生じます。

ただし、これまでずっと賞与を支給していたという場合、賞与を全額支払わないとするには、合理的理由が必要と考えたほうがいいでしょう。

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2009年6月 3日 (水)

ネットオークションは兼業禁止規定に抵触する? Part2

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前回お話しした通り、会社が従業員の副業・兼業を制限または禁止することができる、つまり兼業制限が有効とされるのは、次のような場合になります。

・兼業が不正な競業にあたる場合
・働き過ぎによって健康を害するおそれがある場合
・兼業の態様が会社の社会的信用を傷つける場合

では、従業員が副業としてネットオークションなどのネットビジネスをやっている場合は、どうなのでしょうか?

◆就業時間中の行為は禁止される

ネットオークションに関する行為を就業時間中に行うことは、当然禁止できます。

これは「兼業制限」以前に、「職務専念義務」に違反する行為です。
また、会社のPC、ネットワークを使っていた場合は、会社の資産を私的に使ったことにもなります。

したがって、こうした行為は会社は当然禁止できますし、それに違反した場合は処罰の対象にできます。

◆プライベートな時間の場合は?

では、プライベートな時間を使ってネットオークションをビジネスとしてやっている場合はどうなるのでしょうか?

これは、会社の事業内容やネットビジネスの内容などによって、異なってきます。

◆不正な競業にあたるか

ネットオークションで販売している物品、サービスが会社の事業とバッティングしているかどうかが、判断基準のひとつになります。

たとえば、アパレルメーカーの社員が、ライバル会社の商品を仕入れて、ネットオークションで販売するような行為は、不正な競業になると考えられます。

なお、アルバイトなどの兼業の場合、情報漏洩の可能性も考慮に入れますが、ネットオークションの場合は、関係ないでしょう。

◆健康を害するおそれがあるか

深夜までネット取引をしていた影響で、睡眠不足や心身の不調を来すような場合は、副業を禁止できます。

ただ、遅刻が増えた、就業中に居眠りをするようになったといった、具体的な「事象」が必要と思われます。

なぜなら、たとえば就業時間後に居酒屋などで深夜~早朝までアルバイトをするというような場合、睡眠が十分取れないといった生活に与える影響が、割とはっきりしますが、ネットオークションなどの場合は、実態がなかなか把握できないためです。

取引時間、取引量などから、ほぼ毎日、深夜遅くまで取引をしていたことが明らかな場合であれば、規制はできるかもしれませんが。

◆会社の社会的信用を傷つけるか

ネットオークションでトラブルになった場合、トラブルの内容などによっては、処罰の対象にできます。

また、麻薬、児童ポルノなど、違法なものを売買していた場合は、犯罪行為になりますから、処罰の対象にできます。

では合法であっても、アダルト商品など、イメージダウンにつながるような商品を販売していた場合は?

この場合も、禁止、処罰の対象になると考えていいでしょう。

確かに、ネットオークションでは、出品中は本名は出ません。
ない、取引成立後でも会社名までは出ないでしょう。

しかし、何がきっかけで、出品者の会社名が知られないとも限りません。
そうなってしまうと、会社のイメージがダウンしてしまいます。

したがって、そのような行為が判明した場合は、処罰可能と考えます。

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2009年6月 2日 (火)

ネットオークションは兼業禁止規定に抵触する? Part1

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ネットオークションをビジネスにしている人、副業にしている人は珍しくありませんね。

一方、社員の副業を禁止する会社も、珍しくありません。
最近は不況で、会社を一部休業にする一方、休業日のアルバイトを認める例もありますが、これは緊急避難的措置と考えた方がいいでしょう。

では、社員がネットオークションを副業にしている場合、会社の兼業禁止規定に抵触するのでしょうか?
また、このような行為を、就業規則違反として処罰できるのでしょうか?
(なお、ここで「副業としている」とは、常時商品を仕入れ、ネットオークションで売却して利益を得ている状態を指します。たまに、自分や家族の不用品などをネットオークションで売るような行為は除外して考えます)。

この問題は、次の2つの側面から考えます。

①兼業禁止規定そのものの有効性
②本人の行為と兼業禁止規定との関係

今回はまず、兼業禁止規定そのものの有効性について考えてみます。

◆兼業禁止規定はどこまで有効か?

会社の従業員は、会社に対して「職務専念義務」を負います。
つまり、会社の業務に専念し、誠実に業務を遂行するということです。
その点から、会社の業務以外の業務に就く、いわゆる兼業を禁止することも、妥当なことと言えるでしょう。

しかし、このような規定を、プライベートな時間にまで及ぼすとなると、問題が出ます。

上記の職務専念義務が対象になるのは、原則として就業時間中のことです。
逆から言うと、就業時間外のプライベートな時間は、本人の自由な時間であり、会社の規制には限界があります。

しかし、会社の名誉を傷つけるような行為は、私生活上といえども禁止できます。
たとえば、社員がプライベートな時間に犯罪行為を起こした場合、それを理由に懲戒処分にすることは可能です。

では、兼業はどう考えるべきでしょうか?
この点、判例は次のように、会社の信用などに与える影響や本業に与える影響を判断基準にしています。

「労働者がその自由なる時間を精神的肉体的疲労回復のため適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供のための基礎的条件をなすものであるから、使用者としても労働者の自由な時間の利用に関心をもたざるをえず、また、兼業の内容によっては企業の経営秩序を害し、または企業の対外的信用、対面が傷つけられる場合もありうるので、従業員の兼業の諾否について、労務提供上の支障や企業秩序への影響等を考慮した上で会社の承諾にかからしむる旨の規定を就業規則に定めることは不当とはいいがたい」(小川建設事件・昭和57年・東京地裁)

つまり兼業制限が有効とされるのは、次のような場合になるのです。

・兼業が不正な競業にあたる場合
・働き過ぎによって健康を害するおそれがある場合
・兼業の態様が会社の社会的信用を傷つける場合

したがって、個々の事情にかかわらず、あらゆる兼業を禁止するというわけにはいかきません。

しかしながら、兼業が問題ないかどうかを、従業員が勝手に判断していいものではありません。

兼業が会社にどのような影響があるかを、会社が判断する必要があります。

したがって、兼業を会社の許可制にするという規定を設けるのは有効です。
ただしこの場合でも、「不許可」とする場合、合理的な理由が必要です。
なんでもかんでも「ダメ」とすることはできません。

次回は、ネットオークションと兼業禁止規定の関係を検討します。

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2009年3月24日 (火)

マクドナルド店長訴訟は和解

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◆世間の注目を集めたマクドナルド店長訴訟

昨年の1月、東京地方裁判所が出した判決は、大きな波紋を呼びました。いわゆる「マクドナルド店長訴訟」です。
この事件は、日本マクドナルドが店長を管理監督者と位置づけ、残業代を支払わないのは、権限や処遇の実態からみて違法であるとして、同社店長が未払い残業代の支払を求めていたものです。
判決は、職務・権限および勤務の実態と賃金などの処遇の2つの要素から、管理監督者にあたらないと判断、会社に総額約750万円の支払いを命じました。

判決が示した判断基準は、次の通りです。

・企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、労働基準法所定の労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないといえるような重要な職務と権限を付与されている。
・賃金等の待遇やその勤務態様において、他の一般労働者と比べて優遇措置が取られているので、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、当該労働者の保護に欠けるところがない。

そして同社の店長が、これらの要件から見て管理監督者といえるのかを、次のように判じています。

①店長の権限

「店長は店舗の責任者として、アルバイト従業員の採用や、従業員の勤務シフトの決定等の権限を行使し、会社の方針に即して店舗運営をする立場から、店舗運営においては重要な職責を負うものの、その職務や権限は店舗内の事項に限られる。」と判断しました。
では、「職務や権限は店舗内の事項に限られる」場合、その人は管理監督者にふさわしい権限があると言えるのでしょうか?
裁判所は、「企業経営上の必要から、経営者と一体的な立場で、労働時間規制の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないといえるような重要な職務と権限を付与されているとは認められない。」と判断、管理監督者の要件を満たしていないとしたのです。

②店長の勤務実態
ここでポイントになるのは、「制度的にどうなっているか」ではなく、「実態がどうなっているか」、です。

判決は原告が次のような実態にあり、労働時間に関する自由裁量性があったとは言えないとしています。
長時間労働を余儀なくされる
・店長固有の業務
・店舗の各営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなくてはならず、シフトマネージャーがいなければ、その役割を店長が果たす

③店長に対する処遇
裁判所は、店長の年収と、そのひとつ下のポジションになるファーストアシスタントマネージャーの平均年収を比較し、「店長の賃金は、管理監督者に対する処遇として十分とはいい難い。」と判断しました。


◆和解成立、会社は一審判決を受け入れ

この裁判は、東京高裁に舞台を移して争われていましたが、去る3月18日、和解が成立しました。
3月19日の日経新聞によると、会社は原告勝訴の一審判決を事実上受け入れて高野さんが管理職に該当しないことを認め、約1000万円の和解金を支払うということです。

また、和解条項で高野さんが労働基準法の定める管理職に該当しないことを確認したいうことです。

このように、この訴訟は一応の決着を見ました。
しかし、この問題がすべて一件落着したわけではありません。
今回の裁判やこれまで行政当局から示されている管理監督者の判断基準をよく確認し、自社の管理職の処遇が問題ないか、しっかり確認しましょう。


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2009年3月12日 (木)

名ばかり管理職訴訟~原告のSEが勝訴

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◆流通、外食産業で火がついた「名ばかり管理職問題」ですが

昨年、大きな問題になった「名ばかり管理職」。
中心は他店舗展開する流通・外食産業が中心でした。

しかし、この問題は、当然のことながら、これらに限定した話ではありません。

◆SEが訴えを提起

去る3月9日、東京地裁は、ソフトウエア開発会社社員の男性システムエンジニア3人が、権限のない「名ばかり管理職」扱いされ残業代を受け取れなかったとして、未払い残業代の一部など約1億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、約4,500万円の支払いを会社に命じました。

原告は課長代理に任命され管理職扱いされていました。(ただ、2008年11月、管理監督者ではない課長補佐となっていたということです)。

裁判官は、残業代の支払い義務がない労働基準法の「管理監督者」に当たるかどうかの判断基準として(1)部門全体の統括的な立場、(2)部下に対する労務管理上の決定権、(3)管理職手当などの支給、(4)自分の出退勤の決定権-との要件を提示。
その上で「原告はプロジェクトのリーダーをしたことはあるが、メンバーやスケジュールの決定もできないなど要件に該当しない。経営者と一体的立場の管理監督者とはいえない」と指摘しました。

2008年11月、管理監督者ではない課長補佐にしたという点に、会社の「後ろめたさ」を感じざるを得ませんが…

業績が厳しい折、会社がコストダウンしたい気持ちは痛いほど分かります。
しかし、こういうところで「コストダウン」をはかっても、結局さらに大きなコストとして跳ね返ってしまいます。
また、働く人のモラールにも悪影響を与えます。

ポイントは、「当社の管理職の職務と権限」。ここをしっかり整備し、管理職の位置づけを明確にしましょう。

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2009年2月24日 (火)

名ばかり管理職問題で2年分の残業手当支払

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管理職の法律問題、人事管理のポイント」
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◆世間の注目を集めた「名ばかり管理職」問題ですが

昨年2月のマクドナルド店長訴訟で「名ばかり管理職」問題が世間の注目を集めました。

名ばかり管理職問題は何が問題なのでしょうか?
それは、次のようなことになります。

・労働基準法により「管理監督者」は労働時間規制が除外される。したがって、残業手当を」支払わなくてもいい。

・しかし、「管理監督者」と扱うには、待遇、権限など、しかるべき条件を満たさなくてはならない。

・実際には条件を満たしていないにもかかわらず、肩書きだけ与えて管理監督者扱いにている会社がある。これがいわゆる「名ばかり管理職」。
事実上、サービス残業になってしまっている。

◆残業代2年分の支払いを指導された例が

メールマガジン労働情報によると、北九州市立の計4病院で、実際には管理監督権限がないのに部長や副部長の肩書を持つ「名ばかり管理職」の医師に残業代などが支払われていなかった問題で、北九州市が今春以降の改善策を打ち出したのに対し、北九州東労働基準監督署が過去2年分の未払い分も支払うよう指導していたことが2月19日、分かったといことです。

市は4月から、部長や副部長職の医師計約150人に残業代などを支払うため2009年度予算案に約4億円を計上。過去の未払い分についても支払いを検討するとのことです。

賃金などの時効は2年となっています。
この時効にかからない分全額の支払が命じられたということです。
総額約4億円。大きいですね。遅延利息も入っているのでしょう。

賃金未払い残業、いわゆるサービス残業が摘発された場合、次のようなことになります。

・2年分に遡って支払う。
・その分の遅延利息(年6%)
・裁判になった場合、裁判所から同一額の付加金の支払を命じられることもある。つまり「倍返し」

名ばかり管理職問題に限らず、賃金未払い残業、いわゆるサービス残業がいかにリスキーかが、よくわかります。

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2008年12月 2日 (火)

こらからの管理職制度のあり方は?(2)

◆管理職の役割、機能を整理すると

管理職とはそもそもどんな人か?
労働基準法や判例の定義から少し離れて考えてみましょう。

私は、管理職の機能は、次の2つと考えています。

①経営補佐機能
②マネジメント機能

①が会社経営全体に、そして②が管轄部署に関わる機能ということになりますね。

そして、①の経営補佐機能を、どの程度のレベルで担っているかが、イコールその人のランク(ポスト)ということになります。

また、ランクによって、②の管轄部署の「サイズ」が異なってくるわけです。

◆管理統制機能と価値創造機能

ところで、この経営補佐機能とマネジメント機能は、さらに次のように分けることができます。

①経営補佐機能
a.計画・統制
b.事業創造、企業変革

②マネジメント機能
a.組織と人の管理
b.人材育成

これを見ていると、①のaと②のa、①のbと②のbは、共通の要素があるように思えます。

それは

①経営補佐機能-a.計画・統制、②マネジメント機能-a.組織と人の管理
=「管理統制機能」

①経営補佐機能-b.事業創造、企業変革、②マネジメント機能-b.人材育成
=「価値創出機能」

実際には、このようにすっぱりと分類できるものではありません。
また、これらの機能は、シームレスにつながっています。

しかし、このように整理して考えていくで、管理職制度の整備、そして管理職育成・登用を合理的につくっていくことができます。

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2008年12月 1日 (月)

こらからの管理職制度のあり方は?(1)

◆名ばかり管理職問題=残業問題ではない

マクドナルド店長訴訟をはじめ、「名ばかり管理職」の問題は、賃金未払い残業の問題として捉えられています。

これも確かに重要な問題です。

では、店長などの、いわゆる「グレーゾーン」の人たちに残業代を支払えば、それで問題は解決するのでしょうか?

◆管理職の役割、機能を再考すべし

実は、名ばかり管理職の問題を、残業代の問題に限定して捉えていると、問題の本質を見誤ります。
労働時間の問題を含めた、人材マネジメント上の問題として考える必要があるのです。

そもそも「管理職」とは何でしょうか?
ここが意外とあいまいになっていることが、少なくありません。
その典型が、かつて多く見られた「処遇用管理職」の乱造。
「○○代理」、「○○補佐」という役職がむやみとたくさんいたこと、ありませんか?

特に、年功序列人事では、これが起こります。

同じ部に部長を何人も置くわけにはいかない、しかし年次的にそろそろ何かポストをつけなくてはいけない…

こういう発想です。

このような人事の弊害は大きく、指揮命令系統の混乱、意思決定の遅れ、手続の煩雑化などをもたらしました。

その結果、何が起こったか?
「管理職不要論」の大合唱です。
実際、バブル崩壊後、リストラの標的にされたのは、中高年管理職だったのです。

この頃、中途採用面接で「あなたは何ができますか?」と聞かれ「私は部長ができます」と答えて失笑を買ったという話がありましたね。

言葉の本当の意味で「私は部長ができます」と言い切れれば、これは凄いことだと思いますけどね。
「私はマネジメントのプロです」と言っているわけですから。

でも、そういう話ではないわけですね。

◆管理職の役割が見直されている

では、本当に管理職は不要なのか?
まさか、です。

むしろ、リーダーシップをもった管理職が、いまほど必要とされている時代はないように思います。

では、そもそも管理職とは?
ここをしっかりおさえ、それをベースに人事制度や賃金制度を考えていくのが必要なわけですね。

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«経営者と一体的な立場にあるとは?(4)