Posts categorized "メンタルヘルス"

June 17, 2009

依然として多い過労によるメンタルヘルス障害

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過労によるメンタルヘルス障害、過労死、過労自殺は依然として減っていません。

厚生労働省が6月8日発表した2008年度の「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況」によると、過労が原因でうつ病などの精神障害を発症し労災認定された件数は前年度より1件多い269件で、3年連続で過去最多を更新したということです。

労災認定のハードルが以前より下がり、その分、表に出てきているとも言えるのでしょう。

概要は次の通りです。

1.「過労死」等事案の労災補償状況

(1)請求件数は889件であり、前年度に比べ42件(4.5%)減少。

(2)支給決定件数は377件であり、前年度に比べ15件(3.8%)減少。

(3)業種別では請求件数、支給決定件数ともに「運輸業」が最も多い。

(4)職種別では請求件数、支給決定件数ともに「運輸・通信従事者」が最も多い。

(5)年齢別では請求件数、支給決定件数ともに50~59歳が最も多い。

2.精神障害等事案の労災補償状況

(1)請求件数は927件であり、前年度に比べ25件(2.6%)減少。

(2)支給決定件数は269件であり、前年度に比べ1件(0.4%)増加。

(3)業種別では請求件数、支給決定件数ともに「製造業」が最も多い。

(4)職種別では請求件数は「事務従事者」が最も多く、一方、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」が最も多い。

(5)年齢別では請求件数、支給決定件数ともに30~39歳が最も多い。

経済環境が厳しくなり、働く人へのプレッシャーがますますきつくなっています。
閉塞感も強く漂います。

しかし、こんなときこそ、働く人の元気が重要です。
それが、現下の危機を乗り切り、新たな成長軌道に会社を乗せるのだと思いませんか?

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May 22, 2009

うつ病に労災認定 メンタルヘルスと業務災害、人事の問題(2)

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◆東芝元社員の解雇無効の訴訟

前回お話した通り、東芝の元社員が新規プロジェクト業務に伴う過重業務でうつ病となったのが、東京地裁で労災認定されました。

この問題、実はこれだけにとどまっていません。
元社員は、2004年9月、休職期間満了により解雇されたところ、解雇無効を訴え同社を提訴しました。
東京地裁は2008年4月、解雇無効の判決を出しています。(なお、東芝側は控訴しています)。

この判決の要旨は次の通りです。

・解雇無効
・原告は複数のトラブルを抱えて業務量が増大し、リーダーとしての負担もあった。切迫したスケジュールなど肉体的・精神的負荷が生じていた
・業務上の疾病で療養中に行った解雇は労働基準法に違反する

◆休職期間満了による退職、解雇

休職期間が満了しても傷病が治癒しないなど、休職事由がやまない場合は、労働契約は終了します。

終了のさせ方には、退職(自然退職)と、解雇(普通解雇)があります。

どちらになるかは、就業規則の定め方次第です。
「退職とする」とあれば退職となるし、「解雇とする」とあれば解雇になります。
解雇とする場合は、30日以上前の解雇予告または平均賃金30日分以上の解雇予告手当の支払が必要になります。

ただし、これはあくまでも私傷病の場合。
業務災害であれば、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならないとする、労働基準法の「解雇制限」が適用されます。

この点は、就業規則に「退職」と定めてあっても同じです。

ここで注意しなくてはならないのは、2008年4月の上記判決の時点では、労災保険の適用(労災認定されるか否か)の判決は出ていないという点です。
つまり、労災保険の適用とは別に、裁判所は「業務上の疾病で療養中である」と判断したわけです。

◆メンタルヘルス対策は万全に

2回にわたって、東芝元社員のメンタルヘルス障害をめぐるお話をしてきました。
ストレスが増す中、心を病む労働者が増えています。
そして、それが「業務起因性あり」と判断される可能性も高まっています。

会社は、次のようなメンタルヘルス対応体制を整備することが急務と言えるでしょう。

・就業規則(休職・復職規定)の整備
・メンタルヘルスケア体制の整備
・復職支援プログラムの整備
・従業員研修、啓発

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May 21, 2009

うつ病に労災認定 メンタルヘルスと業務災害、人事の問題(1)

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◆メンタルヘルス障害と労災

病気やケガが労災と認定されるには、次の2つの要件が必要とされています。

・病気やケガが業務に起因して引き起こされたものであること。これを「業務起因性」といいます。
・会社の指揮命令下にあること。これを「業務遂行性」といいます。

身体の病気やケガであれば、判断が比較的明解にできます。
脳や心臓疾患の場合は、長期的に原因が積み重なって発症するので、判断が難しいことがありますが、これも認定基準ができています。

難しいのは、メンタルヘルス障害ですね。
たとえば、うつ病になったのが、業務のストレスなどが主因なのか、プライベートなできごとが主因なのか、さらには、本人の元もとの性格などが主因なのか、判断がつかないことが珍しくありません。

メンタルヘルス障害についても、労災認定基準がつくられていますが、実際の適用場面では、判断が割れることもよくあります。

◆東芝元社員、労災認定

5月19日の日経新聞に、新規プロジェクトに伴う過重な業務でうつ病になったのに労災と認めないのは不当として、東芝の元社員が国に労災補償不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁が5月18日、労災と認定したという記事が掲載されていました。

判決は「精神的に追いつめられた状況で、トラブル発生で作業量が増え、上司から激しい叱責にさらされた。心理的負荷は過重だった」と指摘しています。

経過は次の通りです。
・元社員は2000年から新規プロジェクトを担当
・2001年4月、うつ病と診断、療養。労災申請したが認定されず。
・2004年9月、休職期間満了により解雇。元社員は解雇無効を訴え提訴、東京地裁は2008年4月、解雇無効の判決。東芝側控訴。

◆労災認定だけの問題ではありません

今回の問題は、行政の労災認定の是非の問題です。
しかし、当然のことながら、行政だけの問題ではありません。
業務災害、つまり業務起因性ありとされれば、会社の責任も問われてきます。

そして、この件は解雇の有効・無効にも密接に関わってきます。

次回、引き続きこの問題を考えてみましょう。

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April 09, 2009

メンタルヘルス障害の労災認定基準が改正に

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少し前に、メンタルヘルス障害の労災認定基準が見直されるというニュースを、ブログでお伝えしました。

これについて、去る4月6日、厚生労働省が判断指針の評価表等を改正し、都道府県労働局長あてに通達を出しました。

仕事上でのストレス(心理的負荷)の評価項目として、新たに12項目が追加されています。具体的な内容は下記のとおりです。

・違法行為を強要された
・自分の関係する仕事で多額の損失を出した
・達成困難なノルマを課せられた
・顧客や取引先から無理な注文を受けた
・研修、会議等の参加を強要された
・大きな説明会や公式の場での発表を強いられた
・上司が不在になることにより、その代行を任された
・早期退職制度の対象となった
・同一事業所内での所属部署が統廃合された
・複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった
・担当ではない業務として非正規社員のマネージメント、教育を行った
・ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた

 また、従来からあった「仕事上の差別、不利益取扱いを受けた」という評価項目には、「非正規社員であるとの理由等により、」という条件を加えるという修正も行われています。

判断指針全体をこちらに掲載しています。
ご参考までに。

http://www.hrm-solution.jp/roudouhou/roudouhou27_mentalrousai.html

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March 25, 2009

職場での嫌がらせも労災に

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◆メンタルヘルス障害も労災になります

働く人は、さまざまなストレスに晒されています。
それが過重になり、メンタルヘルス障害になることも少なくありません。
会社を長期に休んだり、さらには最悪の場合自殺にまでいたることもあります。

メンタルヘルス障害が業務によるものであれば、労災になります。
ただ、難しいのは、それが業務によるものなのか、他の原因によるものなのかの判定。

そこで、厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」http://www.hrm-solution.jp/roudouhou/roudouhou27_mentalrousai.htmlを出して、判断基準としています。

◆新しい基準が策定されました

この指針の、「職場における心理的負荷評価表」に、「退職を強要された」など31項目の判断基準が示されています。
それぞれの判断基準には、「強」、「中」、「弱」3段階の負荷強度がつけられ、それが「強」の場合は、労災になり得ます。

去る3月19日、厚生労働省の検討会で、この基準が見直され、新たに12項目が追加されました。

「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」
「多額の損失を出した」
「非正規社員であることを理由に差別や不利益取り扱いを受けた」
--など、最近の雇用の現場を反映したものになっています。

新しい基準は、来年度から適用されるということです。

◆会社は今後、どう対応するべきか?

この基準はあくまでも行政が労災認定するための基準です。
ただ、会社として考えなくてはならないのは、働く人の業務災害は、会社の「安全配慮義務」と関係してくるということです。
つまり、会社も責任を問われる可能性があることです。

新しい基準にあるような、「パワハラ」、「モラハラ」、「非正社員への不当な扱い」なども、会社の「不法行為」として責任を追及される可能性があるということです。

その点を念頭に、職場環境の整備をすすめていきましょう。

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February 12, 2009

過労によるうつ病が労災認定

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2009年3月2日(月)、2009年3月10日(火→
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「HRMキャリサポートセンター新人研修」
2009年3月30日(月)→
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◆マツダ社員の過労病自殺が労災認定

自動車大手マツダの本社で勤務していた男性社員が、うつ病になって2007年4月に自殺したのは過労が原因として、広島中央労働基準監督署が労災認定していたということです。

◆心の病は依然として大きな問題です

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October 31, 2008

会社のメンタルヘルスの状況

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「新しい雇用ルールと就業規則」11月13日(木)→Click!
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厚生労働省が10月10日「2007年労働者健康状況調査」結果を発表しました。
この中で、メンタルヘルスに関する部分をピックアップしてご紹介します。


◆会社の対策

(1) 心の健康対策(メンタルヘルスケア)の取組状況

心の健康対策に取り組んでいる事業所の割合は33.6%[前回23.5%]で、これを事業所規模別にみると、1,000人~4,999人及び5,000人以上の規模では9割を超えており、また、100人以上のすべての規模で6割を超えている。

心の健康対策に取り組んでいる事業所のうち、心の健康対策の取組内容(複数回答)をみると、「労働者からの相談対応の体制整備」(59.3%)が最も高く、次いで「労働者への教育研修・情報提供」(49.3%)、「管理監督者への教育研修・情報提供」(34.5%)の順となっている。

(2) 心の健康対策(メンタルヘルスケア)を推進するにあたっての留意事項

心の健康対策に取り組んでいる事業所のうち、留意している事項がある事業所の割合は95.7%[前回88.6%]で、これを事業所規模別にみると、すべての規模で9割を超えている。

留意している事項がある事業所のうち、具体的な留意事項内容(複数回答)としては、「労働者の個人情報の保護への配慮」(67.9%)が最も高く、次いで「職場配置、人事異動等」(59.4%)、「心の健康問題に関する誤解等の解消」(51.0%)の順となっている。


◆働く人の状況

(1) 仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人の有無
自分の仕事や職業生活での不安、悩み、ストレスについて「相談できる人がいる」とする労働者の割合は89.7%となっており、女(93.1%)の方が男(87.4%)より高くなっている。

「相談できる人がいる」労働者が挙げた具体的な相談相手(複数回答)としては、「家族・友人」(85.6%)が最も高く、次いで「上司・同僚」(65.5%)の順となっている。

男女別にみると、「家族・友人」を挙げた労働者の割合は女(91.2%)の方が男(81.4%)より高く、「上司・同僚」は男(67.4%)の方が女(62.8%)よりやや高くなっている。
(2) 仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス
自分の仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレス(以下「仕事でのストレス」という。)が「ある」とする労働者の割合は58.0%[前回61.5%]となっている。

「仕事でのストレス」がある労働者が挙げた具体的なストレスの内容(3つ以内の複数回答)としては、「職場の人間関係の問題」(38.4%)が高く、次いで「仕事の質の問題」(34.8%)、「仕事の量の問題」(30.6%)の順となっている。

男女別にみると、「職場の人間関係の問題」(男30.4%、女50.5%)は女が男より高く、「会社の将来性の問題」(男29.1%、女12.9%)、「昇進、昇給の問題」(男24.9%、女15.6%)は、男が女より高くなっている。

就業形態別にみると、一般社員は、「職場の人間関係の問題」(37.7%)、「仕事の質の問題」(36.7%)、「仕事の量の問題」(32.0%)が高く、契約社員は、「雇用の安定性の問題」(36.2%)、「職場の人間関係の問題」(34.4%)、パートタイム労働者は、「職場の人間関係の問題」(45.8%)が高くなっている。


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October 22, 2008

セクハラ・パワハラの訴えが増加傾向にあります

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◆セクハラ・パワハラの電話相談が増えています

日本産業カウンセラー協会と連合が先ごろはこのほど公表した、「働く人の電話相談室」に寄せられた相談結果によると、「職場の問題」に関する相談が全体の約3割を占め、そのうち「セクハラ・パワハラ」に関する相談が 23%で最多だったということです。

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July 09, 2008

パワハラ自殺で会社に賠償命令が出されました

◆ハラスメントには3種類

ハラスメントとは「相手に迷惑をかけること=嫌がらせ」のことです。
「嫌がらせ」ということですから、これには様々な形態があります。

たとえば…
モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、ドメスティックバイオレンス、近隣関係におけるいやがらせ、サイバー空間での誹謗中傷…
などです。

この中で、職場でおこる「ハラスメント」は次の3つになります。

①モラル・ハラスメント:精神的な苦痛を与える
肉体的な暴力でなく、言葉や身ぶり、態度などによって他人の人権・尊厳を侵害する精神的な暴力・虐待。

②パワー・ハラスメント:職権を背景にする
職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること

③セクシュアル・ハラスメント:性的嫌がらせ
職場において行われる性的な言動に対するその雇用する従業員の対応により当該従業員がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該従業員の就業環境が害されること。

セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)については、男女雇用機会均等法で定義されており、法的位置づけが明確です。

一方、比較的最近出てきた言葉が、モラル・ハラスメントとパワー・ハラスメントです。

このうち、パワー・ハラスメントについては、裁判例も出てきています。


◆パワハラ自殺で会社に賠償命令

道路舗装大手「前田道路」の社員だった男性がうつ病で自殺したのはパワーハラスメントが原因だとして、遺族が同社に慰謝料など約1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、松山地裁は1日、自殺との因果関係を認め約3100万円の賠償を命じたという記事が、7月2日の日経新聞に掲載されていました。

記事によると、裁判長は、上司による過剰なノルマ達成の強要や執拗な叱責は「違法と評価せざるを得ない」と指、「自殺は予見可能だった」として会社の責任を認めました。

判決によると、男性は2003年4月に東予営業所(愛媛県西条市)所長に就任。架空出来高の計上などの不正経理をし、発覚しました。
上司らは是正のため男性に過剰なノルマ達成を強要、「会社を辞めても楽にはならない」などと何度も叱責。男性はうつ病を発症し04年9月、営業所敷地内で首つり自殺したということです。

ことの発端は、ご本人の不正経理だったのかもしれません。
(ただ、本当にそうなのかは、記事からは分かりません)
しかし、事情はどうであれ、「執拗な叱責」は違法行為となるわけです。


◆ハラスメントが起こる背景

ハラスメントが起こる背景には、ストレスがあると言われています。
過剰なストレスを感じると人は、自分を攻撃するか、他人を攻撃します。
前者の場合はメンタルヘルス障害に、後者の場合はハラスメントにつながります。

もちろん、強いストレスを感じた人がみなそうなるとは限りません。
本人の元々の性格なども強い影響を与えます。


◆会社の安全配慮義務

人事労務的な目線でこの問題を考えるときに、忘れてはならないのが「会社の安全配慮義務」です。
これには、ハラスメント行為への対応も含まれます。
日常のマネジメントを通じて、異常行動がないかどうかをチェックするとともに、ことが起こったときの対処をどうするか、制度的な枠組みを整えておきましょう。


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May 30, 2008

過労死・過労自殺で気になるニュース②

前回に引き続き、過労死・過労自殺に関する最近のニュースから。


◆過労自殺81人、過去最悪

5月24日の日経新聞に、過労や職場のストレスが原因でうつ病などの精神疾患にかかり自殺した(未遂を含む)として、2007年度に労災認定された人が前年度を15人上回る81人と、2年連続で過去最悪だったという厚生労働省の昨年度の労災認定の状況が報道されていました。

記事によると、脳梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患で労災認定された人も1割増え、392人と過去最悪。うち死亡したのは142人、また、07年度の精神疾患の労災申請は前年度比16.2%増の952人ということです。


◆過労死・過労自殺は重大な労務リスク

このようなこと自体、不幸なことです。
会社にとっても、非常に重大な労務リスクにつながります。
予防・ケア体制、人事制度や就業規則の整備など、さまざまな手を打つ必要があります。


◆労働時間との関連性

過労死やメンタルヘルス障害は、労働時間と密接な関係があります。
前回もお話しましたが、厚生労働省の「過労死認定基準」では次のようになっています。

・発症前1か月~6か月:1か月当たり45時間超
45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる

・発症前1か月:100時間超
・発症前2か月~6か月:1か月当たり80時間超
業務と発症との関連性が強いと評価できる


◆メンタルヘルス・ケア体制

また、厚生労働省では、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で企業に、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の4つのメンタルヘルスケアを継続的かつ計画的に行うことを求めており、各社の取組も進んでいます。

Mentalcare


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May 29, 2008

過労死・過労自殺で気になるニュース①

過労死や過労自殺に関するニュースが続きました
ひとつめが、5月23日の日経新聞の記事。


◆死亡直前の海外出張が183日~労災認定

記事によると、海外出張が続いた後にくも膜下出血で死亡したセイコーエプソンの元男性社員(当時41)の遺族が労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(青柳馨裁判長)は22日、請求を棄却した一審・長野地裁判決を取り消し、労災と認めた。青柳裁判長は海外出張が通常業務より疲労を蓄積させる労働と指摘、くも膜下出血発症との因果関係を認めたということです。

以下、記事からの引用です。

---
判決によると、元社員は2000年11月から亡くなる直前の01年9月まで海外出張が10回(計183日間)、1カ月の平均残業時間は30時間未満。

一審判決は、平均残業時間が一般に過労死と認められる45時間を超えなかったため労災と認めなかった。しかし、青柳裁判長は「海外出張では航空機による長時間の移動を余儀なくされ、ホテル生活は食事、睡眠が不規則。自宅で過ごすのとは違い、精神的、肉体的に疲労を蓄積させるのは明らか」と指摘し、疲労によるくも膜下出血発症を認めた。
---


◆過労死と業務の因果関係は?

過労と病気の因果関係を証明するのは難しく、裁判になった例は少なくありません。
しかし、長時間労働による疲労の蓄積や、様々なストレスが、病気につながることは確かで、業務との関連性を認める判決が多く出ています。

このような流れから、厚生労働省は「過労死の労災認定基準」を作成し、労災判定の拠り所にしています。

これは、脳・心臓疾患と業務の因果見解を判断する基準で、次のような状況で過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、労災として扱われます。

[異常な出来事]
発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇したこと

[短期間の過重業務]
発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと

[長期間の過重業務]
発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと

この「長期間の過重業務」の判断基準は次の意通りです。

・発症前1か月~6か月:1か月当たり45時間超
45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる

・発症前1か月:100時間超
・発症前2か月~6か月:1か月当たり80時間超
業務と発症との関連性が強いと評価できる


◆今回の判定は

今回の一審判決では、上記の「45時間」を基準に、「労災にならない」と判断したようです。
しかし高裁は、それだけでなく、海外出張に伴う疲労の蓄積を重視、労災と判断しました。

労働時間の長短だけで判断するのではなく、業務状況の実態で判断すべしということ。
会社も、要注意です。


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April 24, 2008

うつ病で休職していた人の解雇は無効

◆休職制度を設ける会社は多い

「休職制度」を設けている会社は少なくありません。
病気など所定の理由で長期にわたって仕事に就けなくなった場合、「休職」という扱いにするという制度です。

年休は日数に限度があります。
また、「欠勤」が続いた場合、通常は「解雇」となります。
なぜなら、業務に就くことができない人を、雇用し続けることは不可能だからです。
就業規則などに、「業務に耐えられないと認められるとき」は解雇とする旨が定められているのが一般的です。

休職制度というのは、解雇を猶予し、業務復帰の可能性を探るために設けます。
しかし、休職も無期限というわけではなく、一定の期間を設けます。
そして、その期間が満了したら、退職となります。

休職期間をどの程度にするかは、会社の自由です。
もちろん、就業規則に定めなくてはなりませんが。


◆業務災害の場合は解雇が制限される

ただし、業務災害の場合は、休職期間満了であっても、退職させることはできません。

労働基準法は第19条で「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。」と定め、業務災害の場合および産前産後休業の場合の解雇を制限しています。


うつ病で休職中の社員の解雇は無効とされた

さて、4月23日の読売新聞に、「うつ病で休職の東芝元社員、解雇は無効」という、4月22日の東京地裁判決が報道されていました。
記事から、概要をご紹介します。

【経過】
・原告は東芝の元技術系社員
・2000年秋以降、液晶生産に関する新規プロジェクトを担当、1ヵ月の時間外労働が約90時間に上った。
・うつ病を発症して01年9月から休業、04年9月解雇。

【判決】
・解雇無効
・原告は複数のトラブルを抱えて業務量が増大し、リーダーとしての負担もあった。切迫したスケジュールなど肉体的・精神的負荷が生じていた
・業務上の疾病で療養中に行った解雇は労働基準法に違反する

01年9月に休業し、04年9月に解雇ですから、休職期間満了かと思われます。
3年間ですから、短くはありません。
問題は、この休職が、「業務上」であったことです。
この場合、確かに労働基準法の解雇制限にひっかかってきます。

難しい問題ですね。
多分、労災申請はしていなかったのでしょう。
そのため会社は、休職期間満了による退職としたものと思われます。

しかし、よく考えてみると、労基法第19条は、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業」としているだけで、労災保険の適用については何も言っていません。
一般的にはこの2つはリンクするのですが、絶対的なものではないわけです。

この問題、機会を改めてまた取り上げたいと思います。


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November 21, 2007

メンタルヘルス障害、依然として増えています(2)

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Title1_1  Title6


◆メンタルヘルス障害、依然として増加傾向にあります

これを裏付ける報告が最近、立て続けに発表されました。

ひとつは東京都の2007年上半期労働相談。
もうひとつは連合総合生活開発研究所の「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」

◆労働者の半数がストレス増に

連合総研が11月13日に発表した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」によると、働く人の約半数が、職場と仕事のストレスが1年前より増えたと感じているということです。
また、4人に1人が週50時間以上働いており、長時間労働の理由は「仕事量が多い」と「突発的な仕事がある」が多いとか。

Continue reading "メンタルヘルス障害、依然として増えています(2)"

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November 20, 2007

メンタルヘルス障害、依然として増えています(1)

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◆メンタルヘルス障害、依然として増加傾向にあります

これを裏付ける報告が最近、立て続けに発表されました。

ひとつは東京都の2007年上半期労働相談。
もうひとつは連合総合生活開発研究所の「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」

◆メンタルヘルスの相談が前年同期の3.3倍

東京都の2007年上半期労働相談状況によると、相談件数2万5,292件(前年同期比べ0.8%増)のうちメンタルヘルスの相談は2,665件で、前年度同期(807件)の3.3倍に増加とのことです。
なお、相談内容で最も多かったのは「賃金不払」(10.1%)、また、派遣労働者からの相談が1,717件と前年度同期比で26.4%増となっています。

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October 17, 2007

パワハラ自殺が労災認定

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◆労務リスクとしての「ハラスメント」

ハラスメントには、次の3つがあります。

・セクシュアル・ハラスメント
・パワー・ハラスメント
・モラル・ハラスメント

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June 18, 2007

メンタルヘルス、健康管理

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Title1_1

最近、安全衛生、そしてメンタルヘルス関連の仕事が相次いでいます。
以前からのお客様、新規のお客様両方です。

偶然重なっただけかもしれませんが。


続きを読む↓
HRMオフィス~社会保険労務士の"So What?"(だから何なんだ?)

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May 18, 2007

過労死、メンタルヘルスに関する最近のニュース

過労死、メンタルヘルス関連で気になるニューズがありましたので、ご紹介します。

1.過労による精神障害の労災認定、前年度比61%増

厚労省は16日、「平成18年度の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況」及び「精神障害等の労災補償状況」を発表しました。

概要は次の通りです。

1 「過労死」等事案の労災補償状況

(1)   請求件数は938件であり、前年度に比べ69件(7.9%)増加。
(2)   支給決定件数は355件であり、前年度に比べ25件(7.6%)増加。
(3)   業種別の支給決定件数は「運輸業」が最も多く、次いで「卸売・小売業」 が多い。
(4)   職種別の支給決定件数は「運輸・通信従事」が最も多い。
(5)   年齢別の支給決定件数は50~59歳が最も多い。

2 精神障害等の労災補償状況

(1)   請求件数は819件であり、前年度に比べ163件(24.8%)増加。
(2)   支給決定件数は205件であり、前年度に比べ78件(61.4%)増加。
(3)   業種別の支給決定件数は、「その他の事業」を除くと、「製造業」が最も多い。
(4)   職種別の支給決定件数は「専門技術職」が最も多い。
(5)   年齢別の支給決定件数は30~39歳が最も多い

2.バイト2社の労働時間合算/女性の過労自殺認定

東京都内の出版社 2社で編集アルバイトをし、 2004年 10月に自殺した女性=当時( 26)=について、東京労働者災害補償保険審査官は 16日までに、労災と認めなかった新宿労基署の決定を取り消し、過労による自殺として労災認定した。両社での勤務時間を合算し、相当程度の長時間労働があったと指摘した。

遺族の代理人弁護士は「非正規雇用者の兼業が増加する中、画期的な決定だ」と話している。 

決定などによると、女性は新宿区の出版社で働くため、それまで勤めていた杉並区の出版社に退社を申し出たが、社長に請われ、 2004年 10月 1日から掛け持ち状態になった。

午前中は杉並区の会社で仕事をし、午後に新宿区の会社に出社、夜は杉並区に戻るという勤務を続けた末、うつ状態となり、同月 29日に自殺した。

決定は長時間労働に加え、広告主や上司との相次ぐトラブルに触れ、「近接したトラブルである上、強い心理的負荷があった」と認定した。(時事通信)

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May 17, 2007

重大労災の数、最悪水準に

◆ここ数年、工場などで大規模な災害が発生することが増えています。

そのことが、統計データでも裏付けられました。

5月12日の日経新聞によると、一度に3人以上が死傷した重大労働災害の2006年の発生件数が318件で、1974年以降、最悪の水準だったことが報道されていました。

記事によると、重大労災は建設業や製造業で増加しており、件数も1、2位を占めたということです。
労災による死亡者数は1472人と過去最低となったが、建設業、製造業では増加が続いているようです。

重大労災の増加について、厚労省安全課は「景気回復で建設業や製造業の現場が活性化する一方、安全管理がおろそかになっている可能性ある」と分析。「事業主に対し、安全についての法令順守や、労災が多発している分野での対策の徹底を促したい」としています。

◆厚労省は「平成19年度地方労働行政運営方針」の中で以下のような課題を上げています。

(5) 労働者の安全と健康の確保

平成18年においては、休業4日以上の災害、重大災害が増加に転じているが、このような背景としては、熟練労働者が現場を去る中で、最近の景気回復による業務の繁忙化等により、事業場において、安全衛生に関する人材確保、未熟練労働者に対する安全衛生教育等が不十分となり、現場の安全衛生管理活動が低調になっていることが考えられる。さらに今後、団塊の世代が定年を迎え大量に退職し始めることも踏まえると、現場における安全衛生の知識・経験の伝承、安全衛生体制・活動の確保を図り、労働災害の減少を図るためには、まず経営トップの安全衛生の意識の啓発とともに、危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置(以下「危険性又は有害性等の調査等」という。)の実施等、事業場における自主的な安全衛生の取組についての具体的な指導等が重要となる。

また、第10次の労働災害防止計画の最終年度にあたることを踏まえ、労働災害の大幅な減少を図るため、当該計画に基づく業種別労働災害防止対策、特定災害防止対策、職業性疾病予防対策など、地域の実情に応じ、重点的かつ強力に取り組むことが必要である。

さらに、長時間労働による脳・心臓疾患や精神障害等の労災認定件数が高い水準で推移していることから、引き続き、事業場において過重労働による健康障害防止対策及びメンタルヘルス対策が適切に実施されるよう、支援・指導等に強力に取り組む必要がある。特に、小規模事業場における健康管理の徹底のための更なる支援の強化が必要である。

また、アスベスト使用建築物の解体作業等におけるばく露防止対策や、退職者を含めたアスベスト作業従事者に対する健康管理対策等の労働者の健康を確保するための施策を積極的に推進していく必要がある。

メンタルヘルス、長時間労働問題も含めて、安全・衛生については、労働基準監督署の調査など、監視・監督が強化されていくものと思われます

監督されているかどうかで、会社の安全衛生対策が決まるわけではないでしょう。
また、それでは本末転倒。

ただ、行政への対応という面、会社の労務リスク回避という面でも、この問題への真剣な取り組みが必要ですね。

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February 07, 2007

メンタルヘルス対策~全員面談制度

◆従業員の「心の健康」、いわゆる「メンタルヘルス」。
深刻な問題です。
これまで、このブログでも何度か取り上げてきましたが、正直私も、「こうすればOK」という処方箋を持っているわけではありません。

◆しかし、「どうにもならない」と放置しておくことはできません。
過労死やメンタルヘスル障害が社会問題となっています。
会社として何の手も打っていないと、もし何かあったとき、大変なことになります。
労務リスクの最たるものと言っていいかもしれません。

厚労省も、この問題には数年前からいろいろと取り組んでおり、2006年施行の改正労働安全衛生法も、このメンタルヘルスと過重労働対策が目玉になっていました。

詳細は、HRMオフィスホームページで説明していますので、関心のある方はこちらをクリックしてください。

http://www.hrm-solution.jp/roudouhou_index.htm

◆リスク管理の問題だけではありません。
それと並んで深刻なのは、メンタルヘルス障害が経営に与える打撃です。

第一線で働いていた従業員が、もしメンタルヘルス障害になってしまったら?
その場合の、他の従業員に与える影響は?

こうしたことを考えると、メンタルヘルス対策は、経営の重要課題と言っていいでしょう。

◆このメンタルヘルス対策、2月6日の日経産業新聞に紹介されていた富士ゼロックスの事例は、とても参考になります。

記事によると、同社は年1回、全社員に産業医との個別面談を義務づけているということです。

ここまで徹底した施策は、初めて聞きました。

この施策の狙い・効果は次の2つにあります。

1)心の病の早期発見
2)社員のちょっとした悩みを大きなストレスにしない

産業医と社員の間に信頼関係が生まれ、相談しやすくなるため、このような効果が生まれるのでしょう。

また同社では、管理職を対象にした研修にも力を入れています。

◆ここまで大掛かりなことは、どの会社でもできるわけではありません。
ただ、ヒントはあります。
ポイントは、「相談しやすい環境づくり」。

産業医に、心の悩みを相談するというのは、けっこうハードルが高いものです。
相当深刻な状態にならないと、なかなか行かないという人が多いのではないでしょうか?
しかし、それでは「早期発見」になりません。

外部のカウンセラーなどと提携し、気軽に相談に行ける仕組みを考えることが必要なのではないでしょうか。

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December 13, 2006

心の健康をネットで診断

◆心の健康問題は規模の大小を問わず、人事の大きな課題となっています。
それは、会社の生産性など業績に大きな影響を与えるだけでなく、対応を誤ると、安全配慮義務違反に問われるなど、コンプライアンスリスクにもつながります。

◆メンタルヘルスへの対応は、①予防、②休職、③復帰の3段階で考えます。
どの段階も重要なのですが、会社にとっても本人にとっても、予防段階で解決するのがベスト。
そのためには、自分がいまどんな状態にあるのか、客観的に判定できるような仕組みを用意する必要があります。

その点で一般的なのは、カウンセリング体制の整備・充実。
社内にカウンセラーを置く余裕がない会社(こちらの方がはるかに多いでしょう)の場合は、外部機関と提携します。

◆しかしカウンセラーのところまで足を運ぶのは、案外ハードルが高いものです。
そこで最近相次いで出ているサービスが、ネットによるカウンセリング。

12月12日の日経新聞には、インターネットを活用して企業による従業員の心の健康管理を支援するベンチャー企業が相次いでいるという記事が掲載されていました。
従業員にネット経由で質問に答えてもらい、ストレス蓄積の度合いを判定したり、対処法を紹介するというものです。

◆これらのサービスは、基本的に本人の「気づき」と「自己ケア」の支援。
これにどう会社の施策を、プライバシーに配慮しつつ、組み合わせていくかがポイントになります。

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September 20, 2006

退職1ヵ月後の自殺、労災認定が確定しました

【人事・賃金制度のご相談はこちらまで】
社労士事務所HRMオフィス 社会保険労務士 杉山秀文
人事・労務相談フォーム(初回相談は無料)

◆9月20日の日経新聞に、退職1ヶ月後の自殺について労災認定が確定したという記事が掲載されていました。

9月4日の東京地裁で、「自殺は過酷な労働が原因」と労災を認める判決が出ましたが、国はそれに対して控訴しないことを決定、判決が確定したということです。


記事の概要をNIKKEI NETから引用します。

---
過労のため保育所を退職して1カ月後に自殺した元保育士(当時21)の両親が労災認定を求めた行政訴訟で、国側は19日、「自殺は過酷な労働が原因」と認めた東京地裁判決に対し、控訴しないことを決めた。退職後の自殺について業務との関係を幅広く認めた判決が確定、兵庫・加古川労働基準監督署は近く労災認定する。退職後1カ月過ぎて自殺したケースでは初めてとなる。
---


事件の経緯は、こちらをお読みください。

September 02, 2006 退職後の自殺は労災になるか?


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September 02, 2006

退職後の自殺は労災になるか?

◆過労死・過労自殺と労災認定が問題になることは少なくありません。
電通事件など、裁判でもしばしば争われてきました。
厚労省は「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」を出しており、これがメンタルヘルス障害の場合の労災認定の判断指針となっています。

「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」


9月2日の日経新聞に「退職後の自殺 労災か」と題する記事が掲載されていました。
これまでの事例は、在職中の過労自殺でしたが、今回は退職後の自殺。これが労災となるかどうかが焦点です。

記事の概要は…


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ありがとうございます。それでは続きを!


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July 01, 2006

メンタルヘルス~引きこもり対策に

ようこそ、ひとごと(人事)ブログHRM-Consulへ!
ここは、人事・人材問題を考えるブログ。人と会社がwin-winの関係になる道を探っていきたいと思っています。

◆メンタルヘルス障害が課題になって、もうずいぶんたちます。
沈静化の方向に向かう兆しはなく、年々深刻になっています。

◆メンタルヘルス障害にも、いろいろなケースがありますが、そのひとつが、会社に出て来れなくなってしまうという症状。朝起きると、身体はどこも悪くないのに、頭痛がひどい、身体がだるくて起きられない、という状態ですね。
あるいは、会社に近づくにつれて胃が痛くなり、結局引き返してしまう…

◆会社の上司や同僚が心配して、その人の家に行っても、本人は出てこようとしません。
この症状、社会問題化している「引きこもり」に通じるものがあります。


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ありがとうございます。
それでは、続きを

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June 01, 2006

過労死、メンタル障害にどう手をうつか?

ようこそ、HRM-Consulへ!
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みなさん、こんにちは。
早いもので、もう6月。
私が会社を辞めて2ヶ月が経ちました。だから、というわけでもないのですが、本日、「社労士事務所 HRMオフィス」を開業します。
まぁ、「開業」と言っても、当面自宅をオフィスにしているので、特にどうということはないのですが。
本当は、「オープン記念パーティー」でも派手にやりたいところ。
でも、先立つものが…

ま、それはともかく、これからもよろしくお願いします。

さて、今日の新聞各紙に、過労死・過労病での労災認定が過去最多、精神障害の申請も過去最多ということが報じられていました。

Continue reading "過労死、メンタル障害にどう手をうつか?"

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January 29, 2006

メンタルヘルス問題、増加傾向

心の健康-現代人にとって避けて通れない問題です。
特に近年、心を病んでいる人が、自分の周辺でも増えてきています。
表面化しない、つまり休職や退職にまで至らないケースも含めると、どれだけの数になるのだろうかと思います。
その段階で適切な手を打ち、休職、退職にまで行かないようにするのが、ベストなのでしょうけど…

独立行政法人、労働政策研究・研修機構のメンタルヘルス調査の結果が、1月27日の日経産業新聞に掲載されていました。
やはりというか、この5年でメンタルヘルスに問題を抱えた従業員が増えたと答えた企業が12.1%、やや増えたという企業が55.8%。8割近い企業で増加傾向にあるということです。

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October 01, 2005

心の病を早期発見

みなさん、こんにちは。

心の健康は、ビジネスパーソンにとって、大きな関心事ですね。
人事・労務に携わる人や、経営者にとっても、重要な問題です。

今日は、このメンタルヘルスの問題についてお話しします。

労務行政研究所が今年の1月~2月にかけて実施した調査によると、心の健康に問題をかかえる社員が増えている企業が過半数にのぼるということです。
特に増加が目立つのが、30才代だとか。

そんな中、医療関連サービスのライフバランスマネジメントが、産業医科大学などと組んで、職場の心の病を早期に発見するプログラムを開発するという記事が、9月26日の日経産業新聞に掲載されていました。

記事によるとこのサービスは、産業医が健康診断などを通じ、心の病の疑いのある従業員に、支援プログラム「EAP」サービス提供会社を紹介するという仕組みです。
また、心の病の二次予防を手がけ、早期発見を通じた治療導入から、復職支援まで手がけるということです。

特徴的なのは、人事部、産業医、EAP提供会社が連携するという点。
人事当局と産業医の連携が悪く、対応が遅れるというのは、よくある話ですから。

職場での様子を把握する=管理職、健康診断などで病状を把握する=産業医、個人相談、復職支援、法律対応=EAP提供会社、全体を把握し、会社として適切な対応を考える=人事部…

こうした連携プレーがあって、はじめて適切な対応ができるのではないでしょうか。

ただし、対応には細心の注意が必要です。
一方的に、「あなたは心の病の疑いがありますから、EAPサービス会社を紹介します」と、いきなり言われたら、本人はどう感じるでしょう。

「メンタル面で問題がある」と烙印をおされることを恐れている人もいます。
何とか自分で立ち直ろうとしている人もいます。
(こうしたことが、早期発見を遅らせる原因になるのですが・・・)

そういう状況で苦しんでいる人に、十分な配慮をしつつ、対応しなくてはなりません。

難しい問題ですが。


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September 08, 2005

メンタルヘルスと残業時間の関係は?

9月7日の日経産業新聞にも掲載されていましたが、このほど社会経済生産性本部が、2005年版「産業人メンタルヘルス白書」を発表しました。
その中で、「長時間労働とメンタルヘルス」という、労働時間とメンタルヘルスの関係を分析した調査結果が出ています。

まずは、社会経済生産性本部の発表資料から、調査結果の概要を引用します。

1.残業対策はメンタルヘルス対策として有効か
残業時間が増えると、
1)生活習慣を乱す。特に睡眠時間が減る方向にある。
2)心身の健康尺度は不健康な傾向となる。特に「疲労」は顕著に悪化する。
3)職場では「仕事への負担感のなさ」が負担感のある方向にふれる。
4)家族との関係は、残業が60 時間以上になると問題がうかがえる。
5)自殺念慮も60 時間以上になると増える、といった状況が見られるため、長時間残業は決して好ましいものではない。ただし、残業時間だけを頼りにメンタルヘルス対策を行うと、残業時間の少ない人たちへのメンタルヘルス対策が見落とされがちになり、対策からもれる可能性のあることが懸念される。

2.残業対策は個人に責めを求めるテーマか
長時間残業者を特定し対策を講じることが、結果として本人の意欲を削ぐばかりでなく、罰則としての意味合いを持たないか懸念される。個人責任を過度に追及することは、メンタルヘルス上も好ましくなく、残業規制の達成と引き換えに不調者の増加をもたらしかねない。

3.職場の現状に合った対策を
残業が多いことは基本的に好ましいことではない。しかし一律に残業規制するのではなく、残業の多い理由が意欲の高さのためなのか、職場設計がうまく行っていないためなのか、見極めがまず必要である。データからは、仕事の範囲・責任が明解になっている職場ほど不調者が少なく、残業時間も少ないという結果が得られている。今後は、職場の現状に合った対策が望まれる。

この調査では、「60時間」をこころの健康に問題が出る分かれ目と分析しています。
仮に1日8時間、1週40時間、所定内就業時間9:00~18:00、休日出勤がないとすると、月60時間の残業とは、1日平均3時間、退社時刻は21時ということになります。

これはあくまでも平均ですから、現実にはもっと遅く退社する日もあるでしょう。

確かに長時間労働です。
ただ、このリポートにもある通り、単純に労働時間だけでメンタルヘルスの問題を捉えると、大きな過ちを犯します。
自分でも経験がありますが、仕事にやりがいを感じているときは、連日夜遅くまで仕事をしていても、精神的な疲れはあまり感じないものです。まぁ、週末はぐったりしますが。
仕事に全く意義を感じなかったり、職場の人間関係などの悩みがあるときのほうが精神的にキツいです。そこに、長時間残業が重なると、本当に参ります。

そして、重要なのは「2.残業対策は個人に責めを求めるテーマか」という部分。
会社が時短に取り組みはじめると、まずやるのが、本人に早く帰るように促すこと。「ノー残業デー」などというのが、それです。
実を伴う、つまり業務の絶対量の軽減などが伴っていればいいのですが、現実にはそうなっていないケースがとても多い。
結局何が起こるかといえば、「風呂敷残業」「サービス残業」の常態化です。そして、見かけ上の労働時間は減り、業務量は全然減らないばかりか、むしろ増えていく…こうなると、社員の疲弊→生産性ダウン、モラールダウン→業績悪化、病人急増という、最悪のスパイラルに陥ります。

本人の意識の変革も重要です。いわゆる「残業代稼ぎ」「ダラ残」の問題ですね。これは管理職のマネジメントによるしか手はありません。
管理職が、部員の業務量と、その業務をこなすため必要な労働時間をきちんと把握することがポイントです。
厳密にそれをやるのは難しいと思いますが、「どう考えても、残業時間が多すぎる」と感じたら、実態把握に乗り出すべきでしょう。


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May 25, 2005

ストレスを自己診断するツール

みなさん、こんにちは。
今日はメンタルヘルスの話です。

ストレスを自己診断するツールって、いろいろありますよね。私も体験したことがあります。
ただ、ストレスの度合いというのは、日によって異なるのが現実です。
でも、同じツールを何度も使っていると、テストそのものに慣れてしまうので、信頼感がなくなります。

5月23日の日経新聞に、人材サービスのアトラクスヒューマネージが新しいストレス診断システムを開発したという記事が掲載されていました。
特徴は、「項目反応理論」と呼ばれる統計手法を導入している点です。
などと言っても、私には何のことか良く分からないのですが、受検するたびに設問を変え、利用者の慣れや学習効果を防ぐ仕組みを設けたということです。
これだと、けっこう信頼性の高い診断ができるかもしれませんね。

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May 20, 2005

新しい職場の人間関係に「期待」と「不安」

新卒であれ、転職であれ、新しい職場というのは、期待と不安が交錯するものです。
私も転職経験がありますが、最初の数ヶ月は、緊張の連続でした。

総合人材サービス会社のインテリジェンスはこのほど、ビジネスパーソン1,223 名を対象に実施した、就職・転職など新しい職場でのキャリア・スタートに関する意識調査結果を発表しました。
調査結果によると、「人間関係」が新しい職場に不安を感じる最大の理由(36.2%)となっていますが、「期待」の理由にあげる人も少なくないということです。
人間関係が、最大の不安要因という点は、昔も今も変わらないなぁというのが実感です。

また、心の病の主な原因のひとつとして、職場の人間関係があります。
その中には、セクハラやパワハラ、さらには「職場いじめ」なども入ります。
職場のマネジメントで、人間関係管理は最も大きな課題のひとつですね。

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May 18, 2005

うつ病の診断書、「表現弱める」医師9割 復職に配慮

心の健康~メンタルヘルスは、人事・労務の重要な問題です。成果主義の導入が、ストレスの要因になっているという調査報告もあります。
そんな中、5月18日のasahi.netに、こんな記事が載っていました。

***

働いている人を診断する際、本当は「うつ病」なのに、診断書に「抑うつ状態」「心身疲弊」などと軽い症状に書き換えている医師が約9割に上ることが、労災病院の医師らによる医師の意識調査で明らかになった。うつ病と診断されると職場復帰が難しくなるのではないか、と考える患者の立場を考慮しているという。「心の病」の実態の把握がぶれ、本人の治療や企業・周囲の理解を妨げる危険もある。

***

確かに、はっきりと「うつ病」と診断されると、職場に中々復帰できない、復帰できても、元の仕事に戻るのが難しいという実態はあります。
これは、ひとつには、
うつ病が完治したと見極めるのは難しいこと
治癒したと判断されても、最初は「慣らし運転」が必要なこと(いきなりフル稼働するのは危険)
――といった、治療上の理由があります。

その一方で、こうした「心の病」に対する会社、職場の理解が不十分であることも事実です。

人事制度は今後、成果主義など、成果や貢献度を重視したものへのシフトを強めることでしょう。
働く人にかかるストレスは、どんどん強くなっていきます。
心の病に対する理解とケアが、ますます必要になっています。

記事の続きは以下の通りです。

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