Posts categorized "01.成果主義"

October 27, 2006

役割達成度を機軸にした人事制度

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人事責任者・担当者の方のために、HRMオフィスがお役立ちツールを提供します。
・小冊子「人事・労務便利手帖~賃金表の作り方」
・HRMクラブニューズレター「人事・労務 ここがポイント」
※労働契約に関する法律講座、人事・賃金制度事例研究を交互に、定期的にお届けします。

どちらも無料。
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◆人事制度の目的は何でしょうか?
一言で言い表すのは難しいのですが、業績向上のために、人材に関して次の3つの役割を果たすということに尽きるでしょうね。

①優秀な人材を惹きつけ、定着させる
②人材を活性化し、モチベーションを上げる
③人材を公平に評価し、適切に処遇する

そのために、これまでも様々な手法が考えられてきました。
「成果主義」も、そのひとつと言っていいでしょう。
(人件費削減だけのために導入したような例もありますが)


◆そして今、この成果主義の修正・見直しが多くの会社で行われています。

成果主義の考え方それ自体は、間違っていないと思います。
では、どこに問題があったのでしょうか?


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「仕事・役割基準の賃金体系をどうやって作り、運営するか?」


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July 28, 2006

職種別賃金を考える(4)~賃金体系を考える(1)

ようこそ、ひとごと(人事)ブログHRM-Consulへ!
ここは、人事・人材問題を考えるブログ。人と会社がwin-winの関係になる道を探っていきたいと思っています。

職種別賃金シリーズ、今回からいよいよ、具体的な賃金づくりに入っていきましょう。

◆職種別賃金のそもそものねらいは何でしょうか?

いま一度、原点にかえってみると、「職種の特性に応じた賃金決定をしよう」ということですね。
ということは、仕事の特性に応じた賃金。

では、なぜそんなものを?

それは、「働きに見合った賃金を払うため」ですよね。
その「働き」を見て、賃金に反映させるには、どうしたらいいのか?
営業職、事務職、製造職全部を、おなじものさしで見ることはできませんよね?

いま現在の賃金体系が、職種に関係なく決まるものだとしても、日常、従業員の働き振りを評価するとき、その人の仕事を意識しているはずです。

「営業の○○君の今年の売上は…」
「経理事務の○○さんの、事務処理の手際は…」

こんな風に、仕事に応じた「評価基準」で評価しているはずです。
評価制度がなくても、あるいはあっても、職種に無関係であったとしても、現場で人を見るときは、その人の職種(仕事)を前提にしているわけです。

それを賃金決定に使おう、そのためにシステム(制度)を整えようというわけです。

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July 24, 2006

成果主義をあらためて考える(80)~職種別賃金を考える(3)~職種の考え方(2)

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◆前回、「職種」とはそもそも何か、どう設定すればいいのか、その考え方をお話しました。
ポイントをおさらいすると…
1)職種とは類似の仕事の固まり
2)職種のくくり方は、会社の実態に合わせて考える
3)どういうくくり方をすれば賃金管理がうまくいくかという視点で考える
…ということです。

それでは今回は、職種設定を具体的にどうしていくかを考えていきましょう。

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July 18, 2006

成果主義をあらためて考える(79)~職種別賃金を考える(2)~職種の考え方(1)

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賃金を、一人ひとりの「がんばり」、「貢献度」など、年功や年齢とは違う基準で決めたい…
その場合、難しいのは「決定基準」

ここがあいまいなままだと、納得性が得られません。

「成果主義賃金」の多くが、うまくいっていません。
その原因のひとつが、こんなところにあります。

それでは、何を根拠に決めればいい?

答えはひとつではありません。
ただ、確かなことがあります。

それは、「仕事に準拠すること」

そのひとつの、そして有力なやりかたが「職種」を賃金決定の基準にするということです。

「職種別賃金」、「職種別採用」、「職種別人事」…
こうした「職種」を軸にした人事・労務管理でまず考えなくてはいけないのは、「職種とは何か?」です。
改めて考えると、意外と難しい問題です。

どうすればいいのでしょうか?

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July 10, 2006

成果主義をあらためて考える(78)~職種別賃金って何?(1)

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「成果主義を改めて考える」シリーズ、忙しさにかまけて、ず~っとさぼっていました。
でも、やはりこれが自分の原点。
再開して、しっかり問題提起していきたいと思っています。
お付き合いください!

さて…

「職種」というコトバが最近のキーワードになっていますね。
「職種別採用」、「職種別賃金」、「職種別勤務体系」…

この背景にあるのは何でしょうか?
やはり、人事と仕事の関係が、これまでになく強く意識されるようになったということでしょう。

就職にしても、そうですよね。
これまでは「就社」という色彩が強かったのに対し、近年は、「会社に入ってどんな仕事をするのか」を意識して就職活動をする人が増えてきました。

キャリア志向の高まりもあるのだと思います。
自分がどんな仕事をして、どう成長していくのかを、誰もが強く意識するようになりました。

成果主義の影響もあります。
成果主義とは、仕事の成果に対して賃金などの処遇を決める仕組み。
成果主義については昨今、いろいろと批判が強くなっています。
私はこれは、「誤った成果主義」が蔓延してしまったためと思っていますが…

それはともかく。
成果主義以前の日本の賃金は、年功序列か職能給が主流でした。
いずれも、本人の属性によって賃金が決まる「属人型賃金体系」。

(職能給というのは本来、賃金と仕事の結びつきを指向していたはずですが、結果として、基準の曖昧な属人型賃金になってしまいました。
ただ、これはやりようによって、まだまだ通用する賃金体系だと思っています。)

成果主義によって、仕事と賃金の関係が、これまでになく意識されるようになったように思います。
この点は、成果主義の功罪の「功」の部分ではないでしょうか?

この「職種別賃金」。
私はこれが、これからの賃金体系のひとつの姿になっていくのでは?と思っています。
つまり、
・一人ひとりの貢献度を反映できる賃金
・人材育成につながる賃金
・人件費コントロールのできる賃金
・働き方の多様化に対応する賃金
--こうしたことを実現できるのではないかと。

この職種別賃金を、このブログで取り上げていきます。
「HRMクラブニューズレター」でも、同じテーマのコラムを始めました。
こちらは、さらに突っ込んだ、「がっちりした」ものにしようと思っています。

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March 03, 2006

成果主義をあらためて考える(77)~目標管理27

目標管理~目標設定のお話を続けてきました。
最後に、目標のレベリングに関するお話をします。

設定した目標のレベルが適切か?
これは目標管理制度のポイントになる部分です。
ここがうまくいかないために、目標管理制度がダメになるケースが少なくありません。

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March 02, 2006

成果主義をあらためて考える(76)~目標管理26

目標管理制度は、定型業務が中心の部署に導入できるのでしょうか?
これは少し悩ましい問題です。

結論から言うと、可能です。可能というだけではなく、導入すべきです。
ただ、初めて目標管理制度を導入する場合、まずはじめは幹部・管理職、次に企画職や営業職に導入し、運用が軌道に乗ってから、定型業務にも導入するのがいいでしょう。

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March 01, 2006

成果主義をあらためて考える(75)~目標管理25

みんなすぐに結果の出るような、短期的な目標しか立てなくなる-
目標管理の弊害として、このようなことが指摘されます。

目標管理制度は、目標設定~実行~達成度評価の一連のプロセスを半年~1年で行います。そのため、高い評価を受けるために、半年~1年で結果の出るようなことしか考えなくなるというわけです。

もし本当にこのようなことになると、会社は間違いなく衰退します。

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February 27, 2006

成果主義をあらためて考える(74)~目標管理24

目標設定でよく言われるのは、「目標はすべて数値化すべし」ということです。
でも、本当にそれが正しいのでしょうか?

確かに、目標はできるだけ数値化した方がベターです。
その方が、達成度の評価がやりやすくなります。

しかしそれが行き過ぎると、妙なことになります。

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February 07, 2006

成果主義見直しのポイントは?

90年代後半、成果主義的人事制度を取り入れる会社が相次ぎました。
そしていま、成果主義を見直す会社が相次いでいます。

成果主義は失敗だったのか?
社員の志気が高まり、業績向上につながる人事制度とは何か?
これを考えるヒントになりそうな記事が、1月30日の日経新聞シリーズ企画、「サラリーマン」に掲載されていました。

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February 02, 2006

王子製紙、賞与を部門業績にリンクさせる制度を導入

日本の会社の大半は、夏と冬に賞与を出します。
それを当たり前のように受け止めている人も多いと思います。
しかし、国際的に見ると、日本のようなやり方は異例です。
欧米企業にもボーナスはありますが、年収に占める比率は日本ほど高くはありません。

それでは、この日本固有とも言える「賞与」とは、一体何なのでしょう?
賞与の意味づけはいろいろあります。
その中でも、業績配分と生活補填の2つが代表例です。

業績配分という意味づけは支払う側の、そして生活補填は受け取る側の意味づけと言っていいでしょう。


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January 28, 2006

成果主義をあらためて考える(72)~目標管理22

みなさん、こんにちは。

目標管理制度でポイントになるのは、個人目標設定のところです。
ここがしっかりしていないと、以後のプロセス、つまり面談、結果評価もうまくいきません。

個人目標の設定について、これまで、上位目標との関係、目標項目、達成基準などのお話をしてきました。
これ以外にも、目標設定で大事なことがいくつかあります。
それは…
・目標のウェイトづけ
・結果目標とプロセス目標
・定量目標と定性目標
・ルーティン業務の目標設定

…などです。

それでは、これらをひとつひとつ見ていきましょう。

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January 20, 2006

成果主義をあらためて考える(71)~目標管理21

目標管理~目標設定で大事なのは、本人が立てる目標のレベルです。
簡単に達成できるレベルでは、目標になりません。
簡単に達成できる目標を立てて評価を上げようとするから、目標管理はダメだという人もいます。
でもそれは、目標設定のやり方を誤っているからであって、目標管理制度の欠陥ではありません。

だからと言って、夢のような目標を立てても無意味です。

前回は、
・目標の進捗状況を管理する中で、必要に応じて目標を修正する。
・職能要件書、役割基準書のような、社員をレベル分けする基準を使う。なければ、この機会に作る。
――こんな方法を提示しました。

でも、職能要件書や役割基準書というのは、抽象的なものが多いのが一般的です。
これを、具体的な目標とどう結びつけ、目標レベルが適当かどうかを判断するのでしょうか。


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January 18, 2006

成果主義をあらためて考える(70)~目標管理20

目標管理の最初のステップである、目標の設定で重要なのは、「何を目標にするか」と、「どんなレベルの目標を設定するか」の2つです。

前回は目標レベルをテーマにしました。
その中で――
・現時点の本人の能力レベルを上回る。
・努力をすれば達成可能なレベルである。
--このようなレベル設定をするのがいいというお話をしました。

これは、「人は何によって動機づけられるか」という、「ワーク・モチベーション」の話と密接にからんできます。

その話は別の機会に譲るとして、ここでは、「能力レベルを上回っているが、努力すれば達成可能」という目標を、どうやって設定するのかを考えてみます。

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January 16, 2006

成果主義をあらためて考える(69)~目標管理19

目標を決めるとき、悩ましい点が2つあります。
ひとつは、「何を目標にするか」という、「目標項目」の問題。
これはもう、お話しましたね。

もうひとつは、「目標レベルをどうするか」という問題です。
目標の難易度のことです。

どんなレベルの目標を設定したらいいか、その目標を見た上司が、適切かどうかをどう判断するか、結構難しい問題です。

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January 14, 2006

成果主義を改めて考える(68)~目標管理18

昼食で、初めてのお店を開拓。味はよかったのですが、やたらと時間がかかりました。まだ新しいお店で、ランチタイムのあわただしさに慣れていない様子。がんばれと、密かにエールを送りました。

成果主義~目標管理シリーズ、今回は「目標の達成基準」のお話をします。

ここは意外と見落とされる点です。
「これって、目標設定ではなく、結果評価の話では?」と思われるかもしれません。

確かに、結果評価(目標達成結果の評価)と密にからむ問題です。
それでは、なぜこれを目標設定の時点で考えなくてはならないのでしょうか?

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January 13, 2006

成果主義を改めて考える(67)~目標管理17

目標が達成されないのは、
1)目標に真剣味がない。
2)目標に具体性がない。
3)達成基準がはっきりしない。
--この3つに原因があるというお話をしました。

今回はその中の2番目、「目標の具体性」をお話します。

目標が具体的なら、
・達成のために自分は何をしなくてはならないか
・1年経って振り返ってみて、目標が達成できたのかどうか
--こうしたことがよく分かります。

それでは、「具体的な目標」とはどんな目標でしょうか?

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January 12, 2006

成果主義をあらためて考える(66)~目標管理16~個人目標の設定4

みなさん、こんにちは。

成果主義シリーズ、今回も目標管理のお話です。

前回、目標がうまくいかない(達成できない)理由は次の3つだというお話をしました。

1)目標に真剣味がない。
2)目標に具体性がない。5W1Hがない。
3)達成基準がはっきりしない。

目標管理制度の機能を改めて考えると…
・経営目標と社員1人1人の業務が結びつく。
・社員の仕事への達成意欲が上がる。
・目標と結果の差を把握することで、次の期の目標達成の精度を上げることができる。
…この3つになります。

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January 11, 2006

成果主義をあらためて考える(65)~目標管理15~個人目標の設定3

みなさん、こんにちは。

東京の寒さは少しゆるんできましたが、日本海側の大雪は相変わらずのようです。野菜などの価格も上がっていますし、これからどうなってしまうのでしょう?
こういうことにこそ、財政出動が必要だと思うのですが…

それでは本題に入りましょう。
目標管理~個人目標設定のお話です。

目標管理の最大のポイントは、目標の設定のところにあります。
ここが中途半端だと、何の役にも立たない、形式的な目標管理に終わってしまいます。

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December 10, 2005

成果主義をあらためて考える(64)~目標管理14~個人目標の設定2

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みなさん、こんにちは。

成果主義シリーズ~目標管理コーナーを続けます。
前回に引き続き、個人目標の設定のお話です。
ここは、目標管理のハイライトと言ってもいいところです。
また、目標管理という制度を入れていなくても、社員1人1人が目標を立てるということは、とても大事なことです。

さて今回は、個人目標にはどんなものがあるかというお話をします。
なんだか、小難しい理屈が出てきそうなテーマですが、そんなことではありません。
もちろん、理屈のための理屈を書こうというのでもありません。
実務的なお話です。

と言うのも、「目標連鎖」というのをあまりに堅く考えられる方が多いためです。
目標連鎖というのは、上位目標と下位目標が関連付けられているということを指します。
全社目標→部門目標→個人目標、という関係です。
これは重要なことです。
個人個人が、部門や部署の目標と無関係に、ばらばらの目標を立てていたのでは、社員の目標が会社の業績向上に結びつきません。
全社目標や部門目標を受けて、社員1人1人が、その目標達成のために何をすべきかを自分で考え、自分の目標を立てるのが、目標管理の本質なのです。

しかし、目標とはそれがすべてでしょうか?
必ずしもそうではありません。
上位目標とは直接関係のない、実務課題というのも存在します。
つまり、実務の現場として改善すべき課題、日常業務の中の重点課題というのも、間違いなく存在します。そしてそれも、立派な目標です。

たとえば、全社目標が「顧客満足度の向上」、それを受けた人事部の目標が、「顧客満足度を反映させた人事評価制度の確立」であったとします。その場合、各人事部員はそれを実現するための自分の目標を考えるわけですが、それ以外に、たとえば「メンタルヘルス対策の確立」という目標もあり得るわけです。

このような目標も、広い意味では全社目標の達成に関係はします。
社員の心の病が減れば、顧客満足度にプラスの影響を与えることは確かですから。
でも、この目標はむしろ、上位目標を受けたものというより、メンタルヘルスが人事的課題となっていることを受けたものと言えます。

ポイントは、上位目標を受けたものと、そうではないものとをきちんと区別した上で目標設定をするということです。


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December 09, 2005

成果主義をあらためて考える(63)~目標管理13~個人目標の設定1

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みなさん、こんにちは。

このブログでは「成果主義をあらためて考える」シリーズというのをやっています。
できるだけ、理屈だけでなく、実務に落とし込めるようにしたいと思っていますが、なかなかうまく書ききれていなぁと、反省しながらですが。

少し前から、成果主義ブームとともに再び脚光を浴びるようになった「目標管理」のお話を続けています。
目標管理というのは、社員が期のはじめに目標を設定し、期末にその達成度を評価するというマネジメントの仕組みです。
その仕組みは、組織目標の設定→個人目標の設定→進捗管理→達成度の測定・評価という流れとなります。

前回は「組織目標の設定」のお話をしました。
今回から、「個人目標の設定」をお話してみます。
ここが、目標管理の大きなポイントです。

個人目標は、
1) 本人が目標設定シートに目標を記入する
2) 目標設定シートを元に、本人と所属長が面談し、双方の認識を合わせる
――というやり方で設定します。
ここにも書きましたが、目標設定には、目標設定シートなど何らかのシートを使うのが一般的です。
こういうものなしで、口頭だけでやると、期末になって何を目標にしていたのか分からなくなり、達成度の評価も、次の目標設定もできなくなります。
シートのフォーマットも決めておいた方がいいでしょう。
フリーフォーマットでは絶対にいけないということはないのですが、運用がやりずらくなります。ただ、基本フォームを人事で用意し、各部署が実態に合わせてカスタマイズすることを許すという方法もあります。
ただし、必須項目をきちんと示す必要があります。

また、シートはできるだけシンプルにしましょう。
制度をつくりはじめると、どうしても「あれも、これも」と考え、複雑なフォーマットをつくってしまいがちです。
でも、そのようなものをつくっても、運用しきれるものではありません。
それより、前述の「必須項目は何か」をきちんと考えること、つまり何のために目標管理をやるのかをきちんと考え、ポイントを絞ったうえでシートを作るほうがよいでしょう。


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November 10, 2005

成果主義を改めて考える(62)~目標管理12~組織目標の設定4

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みなさん、こんにちは。

成果主義~目標管理シリーズ、今日は部門目標の設定のお話をしてみます。

(6)部門(職場)目標の設定

全社経営計画を受けて、部門目標(職場目標)をつくります。
全社目標を、部門目標にブレークダウンしていく作業です。
ここに「目標連鎖」が生まれます。
ただ、ここで誤解してはならないのは、上位目標のブレークダウンが、部門目標のすべてではないということです。

目標連鎖というのは、大事なポイントです。
これがうまく回って、はじめて会社の目標を達成することができるのですから。

しかし、職場の目標というのは、それがすべてではありません。
実務の現場として改善を要するものや、達成しなくてはならないものがあります。
(大きな意味では、それも全社目標の達成に関係はするのですが)
部門目標を立てるとき、このような職場固有の目標も忘れないようにしましょう。

部門目標の設定は、その部署の管理職が中心となって、部署メンバーとともにつくります。
メンバーが参画することが大切です。
一方的に与えられた目標より、自らも参画してつくった目標の方が、人は真剣に取り組みます。
「参画のマネジメント」が目標管理のエッセンスなのです。

職場目標作成には、まず管理者が、上位目標(全社目標)の背景、内容を説明します。
次に、管理者自身の基本方針を示します。
これは、
1)上位目標(全社目標)達成のために、自部署は何をしなくてはならないか
2)自部署固有の課題は何か
――という2つの視点から考えます。
「新規顧客を○○社以上は獲得する」
「○○%のコストダウンを実現する」
「○○業務を合理化し、リードタイムを○○だけ短縮する」
「○○分野に配置できる新人を○○人採用する」
「人事評価制度を改定する」
…などといったことです。

その上で、職場ミーティングを開きましょう。
ミーティングでは、次のようなことを話し合います。
・いま、何が課題か。
・目標達成のために、具体的に何を実現しなくてはならないか。
・課題の優先順位は?

この職場ミーティングを経て、上位目標(全社目標)が職場目標にブレークダウンされます。

職場目標が設定されたら、具体的な計画に落とし込みます。
・実施事項(具体的に何をするか)
・実施時期
・実施方法
・誰が何を担当するか
…最低限、これだけのことはおさえておきましょう。

これらのプロセスを職場ミーティングを通じて行います。
これにより、
・上位目標を、自分たちの業務レベルに落とし込んだ形で理解する。
・目標達成への強い思い(動機づけ)ができる。
・目標達成のためにすべきことを自分で考える。
・足りない知識・能力を身につけようと努力する。
…といったことが期待できるのです。

組織目標のお話はとりあえずここまでにします。
次回から、個人目標のお話をしていきます。


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November 09, 2005

成果主義を改めて考える(61)~目標管理11~組織目標の設定3

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みなさん、こんにちは。

成果主義~目標管理シリーズ、2回にわたって「会社全体で目標を共有するにはどうしたらいいか」というお話をしました。
今日はその「組織目標の設定」の1番目、「全社目標の設定」のお話をします。

(5)全社目標の設定

組織目標はまず、全社目標から作ります。
売り上げ、利益、新規分野への参入、人材育成など、いろいろなものが考えられます。
数年先をにらんだ中期目標と、1年後を対象にした年度目標が必要です。
5年以上先まで考えた、長期目標もあり得ますが、これは目標・計画というより、理念に近いものになるでしょう。

目標は、「中期経営計画」「年度経営計画」という形に落とし込まれます。
経営計画の作り方は、トップダウンとボトムアップの組み合わせになります。
まず大きな方針をトップが示し、それを受けて経営スタッフや経営幹部が具体的な計画を練ってトップに示すというキャッチボールが行われます。

全社目標は、どうしてもおおづかみなものになります。
「全社売り上げ、前年比10%増」
「1年以内に○○分野に参入する」
などといった具合です。

ただ、抽象的なものだけで終わらせてはいけません。
できるだけ具体的な形にする必要があります。そうでないと、部門目標を立てるときに、具体的に何をすればいいのかが分からなくなってしまいます。

次回は、この全社目標を、職場の目標に落とし込むやり方をお話します。


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November 08, 2005

成果主義を改めて考える(60)~目標管理10~組織目標の設定2

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みなさん、こんにちは。

会社の方針や目標がきちんと伝わらないという悩みを抱える経営者、管理者は少なくありません。
一方、従業員の側は、会社の方針が見えないという不満を抱いていることがよくあります。

この状況が続くと、会社業績に相当な悪影響を及ぼします。

(3)なぜ目標が共有されないか?

それでは、なぜこのようなことになるのでしょうか?
「これといった目標は立てていない」というのは論外です。
でも、そのような会社は、長くはもたないでしょう。

どの会社にも、方針と目標というものがあるはずです。
それが、立派な「経営計画」というものになっているかどうかは別です。そのようなものがなくても、毎年の予算は立てるでしょうし、予算を作る前提として何かしらの方針・目標があるはずです。
そう考えていくと、やはり経営計画というのは、規模の大小を問わず必要でしょう。

それはともかく、何らかの形で存在しているはずの、会社の方針とか目標というものが、きちんと伝わっていないのは、社内のコミュニケーション、情報伝達の仕組みに問題があると言っていいでしょう。
ここで言う「コミュニケーション」とは、飲みにいってざっくばらんに何でも話す、という類のものではありません。(それも大事ですが)。
業務の目標をしっかり話し合い、ゴールイメージを共有するということです。

(4)方針や目標を全社で共有するには

経営方針が現場に伝わっていないことを感じた経営者の方は、社員説明会や社内報などで、経営計画や予算を説明するという手を打つのが一般的です。
これは、これで十分意味のあることです。

しかし、それだけで本当に会社の方針や計画は浸透するのか?
ここで「浸透」と言っているのは、会社の方針が、社員の日常業務にまで落とし込まれているということを意味します。
その観点で言うと、説明会や社内報だけでは無理です。

それではどうしたら?
会社目標と個人目標が連鎖していく仕組みをつくり、運用すればいいのです。
それを実現するのが、目標管理の仕組みです。

目標管理の意味の一番目は、「経営目標の現場への浸透、全社的共有」にあるのです。
つまり、全社目標→部門目標→個人目標という「目標の連鎖」を作り上げ、社員全員が会社目標の達成に向けて自主的に努力するということです。
連鎖を媒介するのが、コミュニケーションなのです。

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November 07, 2005

成果主義を改めて考える(59)~目標管理9~組織目標の設定1

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みなさん、こんにちは。

成果主義~目標管理シリーズ、今日から目標管理の中身をひとつひとつ見ていきましょう。

1.組織目標の設定

(1)会社の方針が浸透しないとお悩みの方に

目標管理のプロセスの最初にくるのが、「組織目標の設定」ということです。

経営者や管理者の方で、こんな悩み、ジレンマを抱えているということはありませんか?

「方針が現場に伝わらない」
「思いを分かってくれない」

こんな悩みを抱えたまま日々の業務が進行し、自分の思っていた方向に会社が進まず、いつも苛立ちを感じている…経営者、管理者がほぼ例外なく直面している問題ではないでしょうか。
このような状況が続いて、業績に悪影響を与えないわけはありません。

(2)社員も同じことで悩んでいる

しかし、ストレスを感じ、戸惑っているのは経営者、管理者だけではありません。
社員も同じことが原因で、悩んでいます。

「会社の方針が分からない」
「何を目標にすればいいのか、分からない」

こうなると、社員のモラールは上がらず、自主的な行動につながりません。

「ウチの社員は指示待ち族が多い」
という嘆きがよく聞かれます。
それには、いろいろな原因がありますが、そのひとつに、「会社の方針・目標が見えない」ということがあります。
誰でも、進むべき目標がはっきりすれば、(そして、その目標に納得していれば)、その達成に向けて自分で考え、自分で努力するものです。

それでは、どうすれば全社で方針や目標を共有できるようになるのでしょう?

次回、このお話をします。おつき合いくださいね!


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November 04, 2005

成果主義を改めて考える(58)~目標管理8~目標管理の流れ

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みなさん、こんにちは。

成果主義~目標管理シリーズ、前回まで4回、目標管理は何のために導入するのか、導入する場合の注意点は何かということをお話してきました。

今回から、目標管理の進め方を具体的にお話していきます。
読まれていて、ご意見、ご感想があれば、ぜひコメントをお寄せください。

第1回目は、目標管理の流れをおおづかみに見てみます。

目標管理は、大体次のような流れとなります。
1)組織目標の設定
2)個人目標の設定
3)目標達成までのプロセス管理
4)目標達成結果の測定・評価

1)組織目標の設定
全社目標→部署目標という流れで、目標が連鎖していきます。
下に行けばいくほど、目標は具体的になっていきます。
ただし、目標はトップダウンだけで作られるものではありません。
ボトムアップもあります。
また、「目標連鎖」がすべてではありません。

2)個人目標の設定
部署目標を受けて、個人目標を設定します。
本人と上司が面談をして、目標設定、目標の共有を行います。

3)目標達成までのプロセス管理
進捗をチェックし、必要なら目標の修正を行います。
基本的に目標管理は、自己管理をベースにした制度ですが、本人の能力・経験によって管理者は支援・指導の度合いを勘案します。

4)目標達成結果の測定・評価
結果とプロセスを確認し、達成レベルを評価します。
以前、「目標管理を人事評価に使うのは、制度が定着してからにすべき」と書きました。
ただ、人事評価に使うかどうかは別にして、目標の達成度評価そのものは必要です。

目標管理の流れは、概略以上の通りです。
それでは、次回から、この俯瞰図に基づいて、個別のパーツを見ていきましょう。

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October 28, 2005

成果主義を改めて考える(57)~目標管理7~目標管理は何のため?(4)

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みなさん、こんにちは。

「成果主義をあらためて考える」シリーズ、ここのところ3回にわたって、目標管理の目的とは何かについて、お話してきました。

それでは、この制度、導入はどうしていけばいいのでしょうか?
実は私は、目標管理の失敗例の多くは、この導入のしかたに問題があったことが原因ではないかと思っています。

それでは、どんな導入のしかたがいいのでしょうか?

(1)まず上の階層から導入する
失敗している会社の多くは、いきなり全社的に導入したか、下から導入したかというやり方をしています。

目標管理制度の鍵を握るのは、管理職です。この層が、制度のことを十分に理解していないと、うまくいきません。
目標を立てたことのない管理職が、部下に目標を立てさせたり、その目標の適切さを評価するのは無理です。
まず、上位階層から制度を導入し、うまく回り始めてから順次下の階層に広げていくべきです。
また、下から導入すると、ほぼ間違いなく、「下のものばかり達成度を厳しく問われる」という不満が噴出します。

(2)適している職種から導入する
目標管理に適する職種、適さない職種というのがあります。
適している職種の代表が営業、企画、適していない職種の代表が定型事務や製造でしょう。
しかし、このような、適していない職種でも、目標管理は可能です。そして、導入するほうがベターです。
ただ、いきなりこれらの職種に入れるのは避けるべきでしょう。まず、向いている職種からはじめ、順次職種を広げていくのがスムースです。

(3)人事評価に使うのは最終段階
これは前にもお話しましたが、目標管理は人事評価のためのツールではありません。
人事評価は、目標管理の目的の一部です。
そして、人事評価に目標管理を使うのは、とてもシビアな話です。単純に考えれば、誰でも、達成が容易な目標を立てようとするでしょうし、達成度評価では、目標未達ならその原因を自分以外の外部要因に求めようとし、目標達成ならその原因を自分の功績にしようとするでしょう。
これだと、目標管理が果たすべき重要な役割、すなわち、マネジメントのシステム化と人材育成という重要な役割はとても果たすことができません。

まず、マネジメントシステムと人材育成というところをしっかりと押さえ、その仕組みがうまく回り始めてから、人事評価に使うべきでしょう。


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October 27, 2005

成果主義を改めて考える(56)~目標管理6~目標管理は何のため?(3)

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みなさん、こんにちは。

前回は、「会社の視点で見た目標管理の目的」をお話しました。
それでは、個人の視点で見ると、どうなるでしょうか?

(1)能力開発
前回、「目標管理の目的に人材育成がある」というお話をしました。
それを個人の側から見ると、自己の能力開発、キャリア開発ということになります。

・目標を立て、その実現のために何を身につけなければならないかを考え、実行する
・達成度をチェックし、自分に何が足りなかったか、これから何を身につけなければならないかを考え、実行する

こうした一連のことが、キャリアアップにつながるわけです。

(2)人事評価の透明性、納得性
目標管理が人事評価のツールとして使われると、自分につけられた評価の理由が明確になります。
ただしこれは、次の一連の仕組みが的確に行われることが前提です。
・目標設定
・進捗管理
・達成度評価
・評価のフィードバック

目標管理の根底に流れるコンセプトは、「個人の自主性、自立性を重視したマネジメントシステムの確立」ということがあります。
ここを抜きにして、単なる評価の道具、業績管理の道具として目標管理を導入すると、ほぼ間違いなく失敗します。
(いま、メルマガでキャリア開発のお話をしています。キャリア開発に積極的な会社の多くは、目標管理とキャリア開発を結びつけています。これはとても理にかなった方法ですね)。

目標管理とは、マネジメントシステムです。
ですから、この仕組みが会社で体質化し、定着するまで続けるべきです。逆に言うと、もしそれが実現したら、目標管理という「制度」「手続き」はやめていいのです。

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October 25, 2005

成果主義を改めて考える(55)~目標管理5~目標管理は何のため?(2)

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みなさん、こんにちは。

目標管理という考え方そのものは、目新しいものではありません。
それがいま、あらためて注目を集めるようになったのは、成果主義の考え方が注目を集めるようになってからです。
業務成果を評価するツールとして、目標管理の仕組みがちょうどうまくフィットしたのですね。

ところがこのことが、目標管理=人事評価ツールと誤解される原因となり、様々な問題を引き起こしたのです。

それでは、目標管理とは本来、何のためにつくられた制度なのでしょうか?

このことを考えるには、会社の視点と個人の視点、両方が必要です。

まず、会社の視点で見た、目標管理制度の目的を考えて見ましょう。

(1)経営戦略の具体化
経営戦略、経営計画というのは、一般に抽象的なものです。
そして当然のことながら、全社的なものです。
つまり、戦略実現、計画達成のために、部署レベル、個人レベルで何をすべきかまでは触れていません。個人の行動レベルにまで落とし込まれていないのです。

目標管理の仕組みの中で、全社戦略を実現するために、社員1人1人が具体的にどのような目標を立て、何をするかを決めていきます。
つまり、抽象的な経営戦略と、社員の具体的な業務計画を結びつける役割を果たすのが、目標管理なのです。

(2)マネジメントのシステム化
マネジメントは、Plan→Do→Checkというサイクルで回ります。
と言っても、日常業務をひたすらこなすだけだと、なかなかこのようなサイクルがうまく回るとは限りません。
目標管理では、
・業務のゴールイメージの明確化、共有(Plan)
・業務遂行、進捗度合いの確認(Do)
・目標達成度の確認、結果の分析(Check)
という一連のサイクルを回し、業務成果の最大化を図ります。

(3)人材育成、人事評価
目標管理では、単に目標を立てるだけでなく、その実現のために何をしなくてはならないか、何を身につけなくてはならないかも、期の初めに考えます。
そしてその実現に努力することで、人が育つことを意図しています。

期の終わりには、目標の達成度をチェックします。
そして、その結果を分析することで、今後何をすべきかが明確になり、人材育成につなげます。
また、達成度チェックの結果を人事評価に使います。

概略、以上のような点が、会社の視点で見た目標管理の目的です。

それでは、個人の視点で見た目標管理とは?
次回はこのお話をしてみます。


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October 24, 2005

成果主義を改めて考える(54)~目標管理4~目標管理は何のため?

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みなさん、こんにちは。

「成果主義をあらためて考える」シリーズ、目標管理について書き始めたところで、久しく書いていませんでした。
やる気がなくなったわけでも、書くネタがなくなったわけでもないのですが…

何はともあれ、再開します。
おつき合い、お願いします。

さて、今日から再び、目標管理についてお話していきます。

成果主義とともに、脚光を浴びることになった目標管理ですが、この制度を導入する目的は何なのでしょう?
社員の人事評価・業績評価のためでしょうか?

目標管理は人事評価のツールだと思っている人がけっこういます。
実は、人事評価というのは、目標管理の機能の一部にすぎません。
人事評価とは無関係に目標管理を導入・運用することも、「あり」です。さらに言えば、人事評価に目標管理を使うのは、目標管理が十分社内に浸透し、うまく運用されるようになってからにした方がベターです。

目標管理=人事評価という誤解が、いろいろな問題を引き起こしました。
「いい評価を得るために、達成容易な目標しか掲げなくなった」
「目標に書いていない仕事をやろうとしなくなった」
「他の人の仕事を支援しなくなった」
などなど。

こうなってしまっては、何のために目標管理という手間のかかる制度を導入したのか分かりませんね。
こうした状況を見て、「目標管理はダメな制度だ」と言う人もいます。

目標管理の本当の目的は、適切なマネジメントサイクルの確立、個人の自立の促進と人材育成にあるのです。
それはどういうことか?
次回、もう少し詳しくお話します。
おつき合いください!


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September 07, 2005

働きやすい会社とは?

日経の調査によると、働きやすい会社第1位は松下電器だそうですね。
9月5日の日経新聞によると、「働きたい職場を選ぶ権利を社員に与えるFA(フリーエージェント)制度など、社員の意欲や能力を引き出す人事システムを用意し、積極的に活用する会社がランキングの上位を占めた。」ということです。

働く人が会社に何を求めるか、会社はそれにどう応えるか-これは正解のない、永遠のテーマでしょう。
もちろん、「言われたとおりに働けば、相応の賃金を払う」という「回答」が通用しないことは確かです。
しかし、働いた成果に見合った報酬が求められるのも事実です。

そのひとつの解が、成果主義なのでしょう。
人件費抑制、賃金に格差をつけることが成果主義の目的だと思っている人も多いのですが、それは誤解です。そのような目的で導入された「成果主義」は、ほとんど失敗します。

成果主義が導入され、エース級の働きをしていた人の年収が、いきなり数百万円上がったとします。その人は、「これは凄い。成果主義って、なんていい制度なのだろう」と思うかもしれません。しかし翌年、同じような成果であれば、年収は横ばいです。もし成果が下がれば年収も下がります。エース級の人ですから、それでも他の人に比べれば十分高い年収を得ているでしょう。でも、本人は、「年収横ばい」「年収ダウン」という事実をどう受け止めるでしょうか。

報酬に対する満足度とは何か?
報酬の絶対水準も重要です。しかしそれより、前年にくらべてどれだけアップ・ダウンしたかの方が、感覚的には大きいのでは?

またこの人は、こんな風にも思うでしょう。
「毎年、馬車馬のように働いて、前年の実績を上回らないと収入は上がらないのか。たまらないな」

成果や貢献度に対応して賃金・賞与に差がつくことを否定する気は、まったくありません。
しかし、それ一辺倒では、働く人は疲弊します。
「働きやすい会社」の要素にもなっているような、「自分で働く場所、働き方を選べる」自立性尊重の人事制度、メンタル面も含めたケア体制、そして何よりも、上司と部下が仕事のゴールイメージを共有するコミュニケーション…こうしたもろもろの要素を十分に考えないといけないのでしょうね。


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September 05, 2005

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

みなさん、こんにちは。
いろいろと忙しくて、更新を怠っていました。
また、再開しますので、よろしくお願いします。

遅ればせながら、「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」(城繁幸著)を読みました。
昨年のベストセラーですね。

これと、「虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ」(高橋伸夫著)が、それまでの、「成果主義バブル」とも言うべき成果主義礼賛論にブレーキをかけた、エポックな本と言っていいでしょう。

一読して、当時の富士通の荒れ方が実によく伝わってきました。
これは「成果主義の崩壊」ではなく「富士通成果主義の崩壊」です。
もう少し詳しく言うと、これは「富士通成果主義、設計・運用の失敗」です。

設計の失敗の最たるものは、目標管理でしょう。
目標管理とは、簡単に言うと、期初に目標を、上司と部下が面談して立て、期末にその達成度合いを測るという制度です。
要は、業務目標を立てて、それが達成できたかどうかをチェックするという、仕事をする以上、当然にやるべきことをシステマチックにしただけのことです。
つまり目標管理とは、マネジメントのツールであり、人材育成のツールなのです。
仕事のPlan、Do、Seeのサイクルが自然に回っていて、上司と部下が仕事のゴールイメージを共有している会社であれば、このような制度は不要です。
言い換えると、マネジメントサイクルを回すための道具なのです。

何をあれこれ言っているかというと、目標管理は人事評価のために存在するのではないということを言いたかったのです。
目標管理を人事評価に使うことは可能です。しかしそれは、目標管理制度の目的の一部でしかありません。
さらに言うと、人事評価に結びつけるのは、上記のようなマネジメントサイクルがある程度回り始めてからにすべきです。

そこを富士通は根本的に誤りました。
目標管理を何のためにやるのか、どんなものなのか、ほとんどの社員(特に幹部社員)が理解していない段階で、いきなり全社的に、人事評価のために入れてしまったのです。
これでは混乱が起こらないほうが不思議です。

誤った目標管理は、恐ろしい副作用をもたらします。これは、本書でも指摘していました。
まず、誰もが達成容易な目標しか掲げなくなりました。
そして、目標設定シートに書いた業務しかやらなくなりました。
こうして、会社が全体として沈滞・衰退していく…

マネジメントツールは、正しく使えば、劇的な効果をもたらします。
しかし、使い方を誤ると、恐ろしい結果をもたらすのですね。肝に銘じないと…


------------------------------------------------------------
人事の問題というのは、とてもデリケートです。そして事情も千差万別。それこそ、会社の数、人の数だけ課題があります。

「こんなとき、どうしたら?」
人をめぐる問題・課題に頭を悩ませている経営者、管理者、人事担当者の方のお役に立ちたいという思いから、会員制のコミュニティ「HRMクラブ」を立ち上げました!

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入会は無料。みなさんのご参加を心待ちにしています。
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August 09, 2005

成果主義を改めて考える(53)~目標管理(3)

成果主義ブームとともに、目標管理もブームとなりました。
そして、その多くがうまくいかず、見直しを余儀なくされています。

なぜ目標管理がうまくいかないのか?
原因はいろいろ考えられますが、大きくは次の2点になるのではないでしょうか。

1)目標管理導入の目的が、個人の人事評価(成果評価、業績評価)に偏っていた。結果として目標管理=ノルマ管理となってしまった。
2)目標管理導入の目的、意義が浸透しなかった。そのため、目標設定、面接などがおざなりに行われ、制度が形骸化した。

目標管理は、人事制度のひとつであることは確かです。
しかし、単に「人事制度のひとつ」と捉えるのは誤りです。
むしろ私は、「目標管理とは、管理職の行う人材マネジメントを制度化したもの」だと考えています。

それはどういうことでしょうか?

続きの前に…

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August 08, 2005

成果主義を改めて考える(52)~目標管理(2)

目標管理という仕組みは、成果主義とともに、再び脚光を浴びるようになりました。
そして、成果主義が批判されるとともに、目標管理も批判にさらされました。

でも、目標管理というのは、近年の成果主義ブームとともに登場した仕組みではありません。歴史は結構古く、1950年代から存在していました。
ただ、個人や部署の成果を評価する仕組みとして目標管理がうまくフィットしていたのです。

目標管理という言い方は、あまりいい言い方ではありません。
目標そのものを管理するかのような印象を受けます。
正確には、「目標による管理」です。つまり、「目標による(目標を通じた)人材マネジメント」ということです。
英語での表記は「Management By Objectives and Self Control」です。
素直に翻訳すると、「目標による管理と自己統制」ということになります。
このSelf Controlという部分もとても重要です。ここが抜け落ちた目標管理制度が意外に多く見られます。そして、そのような制度はあまりうまくいっていません。

それでは、目標管理とはどのようなものなのでしょうか?
まずは、そのおおまかな仕組みを示します。

続きの前に…

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August 01, 2005

松下、部門業績連動型賞与を導入

みなさん、こんにちは。
このブログでは、「成果主義を改めて考える」と題して、成果主義を材料に、人事・賃金制度の全体を見ていこうというシリーズ企画を続けています。
なかなか、核心部分の賃金までたどり着かないのですが…
どうか気長におつきあいください。

さて、7月31日の日経新聞に、松下が部門業績で賞与に格差をつけるという制度を導入することが報じられていました。

部門業績によって賃金や賞与に格差をつけるという制度を導入している会社は、少なくありません。
特に、近年、成果主義の考え方の広がってきましたが、それに合わせて増えてきています。

このような制度は、
・自分が所属する部署の業績を上げようと、みんなががんばる。結果として全社の業績が上がる。
・個人の業績より、部署の業績に関心が強くなり、チームプレーを促進する。
・部署の目標達成に、部員がみんなコミットする。参画意識が高まる。

――といったメリットがあります。
何よりも、部署の業績が自分の処遇にダイレクトに反映するのですから、強烈なインセンティブになります。

一方で、
・部署の間で足の引っ張り合いが起こる。「部分最適」を目指すあまり、「全体最適」を損なう。
・「配属の不幸」が起こる。業績が芳しくない部署や、当分は大きな利益が見込めない新商品開発部署には誰も行きたがらない。
・部門業績を測る「ものさし」をどうするか。特にスタッフ部門のような、業績が目に見えにくい部署をどうするか。

――といった問題があります。

・他の部署への影響度も尺度に入れる。
・売上の大きさだけでなく、前期比も見る。
・業績を、売上や利益などの業績数値以外の尺度(業務改善の進捗度、顧客満足度など)も使って測る。

こうした工夫をして、部門業績連動型賞与がうまくまわるようにしないといけないのでしょう。
ポイントは、部門目標の設定のしかたと、部門業績の測り方ではないでしょうか。

Continue reading "松下、部門業績連動型賞与を導入"

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成果主義を改めて考える(51)~目標管理(1)

成果主義を通して、人事制度・賃金制度の全体像を見ていこうというシリーズも50回を数えました。まぁ、よく続いたもんだと思っています。
と言っても、続ければいいというものではなく、読者の方に少しでも役に立つようなものでなければ意味はありません。これから先どれだけ続いていくのか、自分でも見当がつきませんが、実務家の方に参考になるような記事にしていきたいと思います。これからも、ぜひ、おつきあいください。

さて、前置きはこれぐらいにして…
今回から、「目標管理」を取り上げます。
目標管理の考えは、それほど新しいものではありません。
それが、成果主義とともに、再び脚光を浴びるようになりました。
そして成果主義批判がおこるとともに、目標管理も批判を浴びました。

なぜ、そのようなことになっているのでしょうか?
それは、目標管理の仕組みが、成果や業績を評価する道具にしやすかったからです。
次回以降、詳しく見ていきますが、目標管理とは、簡単に言ってしまうと、「本人が業務目標を立て、その達成度合いを振り返り、評価する仕組み」です。
ということは、期の初めに「私は売り上げを○○%アップします」と「目標」を立て、期末に達成度合いを見れば人事評価ができます。

これが、多くの会社が導入した、典型的な「成果主義&目標管理」の仕組みです。
そして、典型的な成果主義失敗事例です。

私は先ほど、目標管理の定義づけをしましたが、あえて肝心な点を抜かしました。
それは、
・経営目標-部署の目標-個人の目標は連鎖する。
・目標は、期の初めに本人が自ら立て、上司と面談した上で決める。
・目標達成に向け、本人が自主的に努力し、上司がサポートする。
・期末には目標の達成度と、目標達成に向けたプロセスを評価し、次の期につなげていく。
――という点です。

そして、目標管理の目的は、経営目標の達成と、人材の育成・評価にあります。

ここをしっかりと認識した上で、目標管理を導入すれば、業績管理と人材管理が一体となった経営が可能となるのです。


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July 28, 2005

成果主義を改めて考える(50)~制度の柱(28)~成果主義の観点から(3)

成果主義的な人事制度を入れるとしたら、どんな人事制度が適しているのかということを、これまで2回に渡って検討してきました。

ここまでお話してきたのは、
・成果主義に親和性が高いのは、仕事主義制度である職務等級制度や役割等級制度
・成果主義でも人材育成の観点は不可欠。その意味で職能資格制度の意義は失われていない。シンプルなものでいいので、能力評価の仕組みは必要
――ということでした。

それぞれの制度がどんなものかは、「HRM-Solution 人事・人材問題の水先案内人」をご覧ください!

今回は、「成果主義」をどの範囲に適用するかというお話をします。

1)成果主義をどの階層の社員に入れるか

成果主義をいきなり、全社員に入れるのは無理があります。
少なくとも新卒社員に適用するのは無理です。
ある一定層以上にすべきです。
まず管理職層に成果主義を導入し、少しずつ適用範囲を広げていくという手もあります。
この場合、管理職層=職務等級制度、一般社員層=職能資格制度、というようなかたちになります。

2)成果主義を、人事制度のどの部分に適用するか

賃金、昇進、昇格、そして賞与、すべてに成果主義的制度を入れるのか、部分的に入れるのかといういことです。
全面的に成果主義を入れるというのも「あり」です。インセンティブ要素の強い、「刺激的な」人事制度になります。
ただ、そこまで突き進むのがいいのか、よく考えないといけません。
いま、働く人の「心の健康」が社会問題となっています。その原因のひとつに、成果主義が上げられています。人事制度に刺激的要素が強すぎるのは、私は健全な姿とは思いません。もし、そうするのであれば、フォローやケアの体制を十分に整えるべきです。

どの程度成果主義的要素を取り入れるかは、会社の考え方、おかれた状況次第です。
たとえば…
・賃金の一部に取り入れる(この場合、基本給を職務給、役割給、職能給など、複数の賃金で構成します)。
・賃金は職能給、賞与は成果主義。
…などが考えられます。

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July 26, 2005

成果主義を改めて考える(49)~制度の柱(27)~成果主義の観点から(2)

前回、各種人事制度と成果主義との関係を検討しました。
前回記事はこちら

そして、
・成果主義に親和性が高いのは職務等級制度、役割等級制度
・ただし、育成の観点、成果主義を適用する範囲という観点を入れると、別の見方が必要意
――ということをお話しました。

なお、それぞれの制度の詳細は、「HRM-Solution 人事・人材問題の水先案内人」をご覧ください!

人事制度は、人を処遇し、賃金を支払うためだけのものではありません。
もうひとつ、とても重要なポイントがあります。
人を育成するということです。

「会社は学校ではない」と思われるかもしれません。
確かにその通りです。能力向上は、第一義的には本人の責務です。(その対価が賃金です)。
しかし、会社が業績を上げていくためには、社員の戦力化、能力アップが不可欠です。
人材育成は、会社の重要な経営戦略です。
会社としての人材育成策と、本人の自己啓発意欲が、車の両輪です。

前回私は、成果主義を「仕事の成果で賃金などの処遇を決める人事制度」と定義づけました。
私はこれだけでは、不十分だと思っています。人を育てるという観点が抜けているからです。
本当の成果主義とは、「人を育て、成果を引き出す仕組みをつくり、その結果たる仕事の成果で賃金などの処遇を決める人事制度」です。

さて、人材育成の視点で人事制度を眺めてみると、まず必要なのが、社員の能力レベルの把握です。これと会社が必要とする人材レベルとのギャップを埋めるのが、人材育成です。
つまり、何らかの方法で社員の能力を測る仕組みが必要なのです。
その意味で、職能資格制度や能力評価の意義は失われていません。

成果を評価しても、成果を生み出すために必要な能力は何か、それに対して1人1人の社員はどんなレベルにあるのかを把握しないと、人を育てることはできませんし、人を育てなくては、さらに高い成果を出すことはできません。

こう書くと、「職能資格制度を入れるのって、大変そうだけど」と思われる方も多いと思います。
処遇、賃金、賞与すべてをカバーする目的で、職能資格制度を入れるとなると、確かに大変です。
しかし、もし「人を育てる」という点に絞れば、もっとシンプルな制度でOKです。
これを「職能資格制度」と称していいのかどうか、という議論はあるかもしれませんが…
いずれにしろ、能力を把握・評価する仕組みは、成果主義であっても、絶対に必要です。

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July 25, 2005

成果主義を改めて考える(48)~制度の柱(26)~成果主義の観点から(1)

これまで、人事制度の「柱」のお話をしてきました。
そして、職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度を取り上げ、どんな制度なのか、どうやってつくるのかといったことを見てきました。

それぞれの制度の詳細は、「HRM-Solution 人事・人材問題の水先案内人」をご覧ください!

それでは、「成果主義」という視点からこれらの人事制度を見ると、どうでしょうか?
私なりの考えをお話してみます。
これまでのお話と、だぶる部分もあると思いますが、お付き合いください。みなさんのご意見もお待ちしています。

成果主義とは、「仕事の成果で賃金などの処遇を決める人事制度」です。
「成果」は仕事の結果だけを指す場合もあれば、仕事の結果と仕事のプロセスの両方を指す場合もあります。

つまり、成果主義が対象にするのは「仕事」です。
仕事をしている「人」ではありません。
それは、結果だけを評価する場合でも、仕事の結果とプロセスの両方を評価する場合でも、同じです。

その点では、成果主義にもっとも親和性が高いのは、仕事主義人事制度である職務等級制度と役割等級制度です。
職能資格制度は、その人の能力(保有能力と発揮能力)を対象にします。
いわゆる「属人主義人事制度」です。
職能資格制度を使って成果主義的な人事制度にするのは、無理があります。

しかし、これは、成果主義を「処遇」の観点だけでとらえた場合の話です。
人事制度に「育成」の観点を入れると、もう少し別の見方が必要になります。
また、成果主義を適用する「範囲」をどうするかということもポイントになります。
「範囲」とは――
・成果主義を、どのレベルの社員に適用するか。たとえば、管理職は成果主義、一般社員は能力主義にする、といったことです。
・成果主義を人事・賃金制度のどの部分に適用するか。たとえば、月々の賃金は能力主義、賞与は成果主義にする、といったことです。
――ということです。
続きは次回。またお越しくださいね!

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July 21, 2005

成果主義を改めて考える(47)~制度の柱(25)~職務等級、役割等級制度(11)

役割等級の定義が決まったら、今度は、「任用基準」を決めます。
これは、
・制度導入時、どんな人をどの等級にするか(移行時格付け)
・昇格・降格をどうするか
――の2点を指します。

これらは、のちほどお話しする、人事評価や目標管理と密接に関わってきます。
ここでは、何らかの人事評価が行われていると仮定してお話します。

詳しいお話の前に…

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July 20, 2005

成果主義を改めて考える(46)~制度の柱(24)~職務等級、役割等級制度(10)

今回は、「役割等級制度の作り方」第2回です。

2)等級の定義(概要)を決める

等級の数が決まったら、おおまかな等級定義を決めます。
また、この時点で等級と役職の対応表をつくります。

3)等級ごとの代表職務を選ぶ

等級ごとの代表職務と、それを実際に担当している人をフィックスさせます。

4)代表職務の分析

等級ごとに、代表職務を担当している人が果たしている役割がどんなものかを分析します。
ポイントは、どの人を選ぶかです。

また、分析する前に、着眼点をいくつか設ける必要があります。

5)職務分析の結果から、等級定義(詳細)を決める

概要は、こんな感じです。

それでは、実際にどんな風にやるのでしょう?

詳しいお話の前に…

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July 19, 2005

成果主義を改めて考える(45)~制度の柱(23)~職務等級、役割等級制度(9)

みなさん、こんにちは。
3連休はいかがお過ごしでしたか?むちゃくちゃ暑かったですね。もう、梅雨は明けたのでは?


今回から、役割等級はどうつくっていけばいいのかを見ていきましょう。

と言っても、この制度は、職務等級制度や職能資格制度のような、「スタンダード」はありません。職能資格制度など、先人が研究しで作り上げてきたやり方を応用しながら、新たな制度を作っていくということになります。

ですから、これからお話しすることも、いろいろある手法のひとつとお考えください。私自身もこれから先、いろいろ考え、いろいろな制度設計をしていく中で、また別のやり方を考えるかもしれません。

役割等級構築の流れは、次の通りです。

1)等級数を決める。
2)等級ごとの定義(概要)を決める。
3)等級ごとに代表職務を選ぶ。
4)代表職務の分析。
5)職務分析の結果から、等級定義(詳細)を決める。

1)等級数を決める

「何もしないでいきなり等級の数など、決められるのか?」と思われるかもしれません。
厳密に言うと、そうです。まだ、何の分析作業もしていないのですから。
でも、等級数を決めておかないと、等級定義も、分析作業もできません。
「にわとりが先か卵が先か」みたいな話ですが…

それでは、どうするか?

詳しいお話の前に…

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July 14, 2005

成果主義を改めて考える(44)~制度の柱(22)~職務等級、役割等級制度(8)

「役割等級制度」という制度を導入する会社が増えています。
これがどんな内容か以前このブログでもお話しました


仕事主義型人事制度

仕事(職務)に処遇・賃金が対応しているのが「職務等級・職務給」。この職務を「役割」というワクで大ぐくりにしたのが、「役割等級・役割給」。
つまり、職務等級も役割等級も、「その人がどんな仕事をしているのか」ということをより所にしている点では同じです。いわゆる、「仕事主義型人事制度」です。

役割とは

「役割」というコトバは日常的に使いますよね。
「部下を育てるのも君の役割だ」と言われて面倒だと思ったり、「君の役割はそんなことではない」と叱られて落ち込んだり…ネガティブな例ばかりですね…

これを人事的に定義すると、役割とは組織においてその人が果たすべき機能と言っていいでしょう。日産のゴーン革命以来、よく使われるようになった「ミッション」と同じです。役割等級制度とは、「ミッションドリブン型人事制度」と言っていいと思います。

役割等級

職務等級を大ぐくりにすると、役割等級になるというのはどういうことでしょうか?

それは、職務は何のために存在しているのかを考えてみるとはっきりします。
職務は、それをやることによって、何らかの役割・機能を果たします。何の役割も果たさない職務は、会社に存在しません。(存在しないはずです…)
ですから、職務ごとに役割があります。
役割には大小があります。その役割の大小を等級にしたのが、「役割等級制度」なのです。

さて、それでは役割等級制度を入れるときは、職務等級と同じように、職務分析・職務評価が必要なのでしょうか?
これにはいろいろな意見があると思います。
「職務をくくったものが役割である」ということなら、役割の元になる職務をきちんと分析しないといけないという意見もあるでしょう。
私は、職務等級導入のときのような、会社中の仕事を分析・評価する必要はないと考えています。
代表職務をいくつか選んで、それを分析すれば足ります。

それではどのように?
できあがった役割等級の中身は?

次回、このあたりのお話をします。

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July 13, 2005

成果主義とは「人参ぶら下げマネジメント」のことか?

みなさん、こんにちは。

7月13日の日経産業新聞に、「知的感性時代の人材マネジメント」と題する経済同友会の報告書が紹介されていました。
報告書によると、これからの時代、中心的役割を担うのは、知性(IQ)、人間性(EQ)、感性(SQ)を組み合わせた「ビジネス感度(BQ)」の高い人材だとか。

数年前、ここにも出ているEQというのが流行りました。そして今度はBQ。色々と考え出すものです。

また、報告書では、これからの人材マネジメントは、「モチベーション・人材開発などの施策(成果を引き出す仕組み)をより重視し、成果に対する評価・処遇などの施策(成果に報いる仕組み)との組み合わせにより運用することが鍵となる」としています。

つまり、
・成果主義とは「成果に対する評価・処遇などの施策(成果に報いる仕組み)」である。
・成果主義の軌道修正が必要である。
――と言っているわけですね。

この文章を読むと、「成果主義」なるものがどんな姿になっているかがよく分かります。
そして、数多くの会社が「成果主義」に飛びついた理由も、そしてその多くがうまくいっていない理由もよく分かります。
要するに、人件費を抑えるためだけに成果主義を入れたわけです。
そして、賃金だけを、社員を動機づける唯一の道具にしたわけですね。
いわば「人参ぶら下げマネジメント」。
これがうまくいくなら、誰も苦労しません。

成果主義とは本来そのようなものではないはずだと、私は考えています。
報告書にある、「モチベーション・人材開発などの施策(成果を引き出す仕組み)」があるからこそ、「成果主義」と言えるのではないでしょうか?


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July 08, 2005

成果主義をあらためて考える(43)-制度の柱(21)-職務・役割等級制度(7)

みなさん、こんにちは。

今回は「成果主義をあらためて考える」シリーズの43回目です。
前回、職務分析についてお話しました。今回はそれに続いて、職務評価のお話をします。

職務分析で、全社の仕事の洗い出しが終わりました。
次に、やることは、「職務評価」です。

職務分析で、職務内容、職務要件、職務責任、職務権限を分析し、「職務記述書」にまとめました。
この段階で明らかになったのは
・会社にはどんな職務があるか
・その職務は、どんな内容で、どんな要件(知識、能力など)が必要か
――というところまでです。

まだ、職務の価値づけは行われていません。
そして、それができていないと、賃金決定ができません。
そこでやらなくてはならないのが、「職務評価」という作業です。

それでは、職務評価はどうやればいいのでしょうか?

詳しいお話の前に…

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July 05, 2005

成果主義をあらためて考える(42)-制度の柱(20)-職務・役割等級制度(6)

みなさん、こんにちは。

このブログでは--
・成果主義を通して人事、賃金制度の構築を考えていくシリーズ企画
・就業規則を題材に労働法、労務管理を見ていこうというシリーズ企画
・最近のトレンド

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さて、それでは本題に入ります。

成果主義を通して人事、賃金制度の構築を考えていくシリーズの41回目です。

成果主義のひろがりとともに、仕事主義型人事制度が脚光を浴びるようになりました。

仕事主義型人事制度の典型が、職務等級・職務給制度です。
今回から、この職務等級制度を見ていき、続いて、職務等級制度の派生形ともいえる役割等級制度を取り上げます。

職務等級制度・職務給を導入する場合、まずやらなくてはならないのが、「職務分析」という作業です。
職能資格制度を導入するときは、「職務調査」というのを実施します。
(職務調査の詳細は「HRM-Solutionホームページ~人事制度をつくるには~職能資格制度とは(3)~職務調査」をご覧ください)

何だか似たようなコトバがでてきますね。

何が違うのかといえば…
職務調査は、「課業(task)」という単位で仕事を分析します。
一方、職務分析は、「職務(job)」という単位で仕事を分析します。

<職務とは>

職務(job)とは、「1人の人が担当する仕事の集まり」のことです。
「採用職」、「営業職」などです。
現実には、1人の人が、質・レベルの異なる仕事を担当していることが多いでしょう。
採用担当者が、人事異動の仕事の一部も担当していたりします。
ですから、「1人の人が担当する仕事の集まり」というのは、理論的・概念的な「モデル」になります。
また、同じような職務でも、レベルは様々です。
そのため、ランク分けが必要です。「営業職1」「営業職2」といった具合です。


職務分析の結果は、いろいろな用途に使われます。(使うことが可能です)
採用、配属・人事異動、研修、人事考課、職務給の決定、業務改善・業務改革です。
人事施策の主なものだけでなく、人事施策以外のいろいろな用途に応用可能です。

職務調査が、課業(task)という、仕事を細分化したものを対象にしているのに対し、職務分析は、「1人の担当業務」を対象にしているので、上記のようなことに利用しやすいと言えます。

それでは、この職務分析は、どのようにやればいいのでしょうか。

詳しくはこちら「HRM-Solutionホームページ」をお読み下さい!


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June 22, 2005

成果主義をあらためて考える(41)-制度の柱(19)-職務・役割等級制度(5)

みなさん、こんにちは。
「電車男」見た方、読んだ方いらっしゃいますか?
気になっているのですが、まだ見ていません。どなたか、感想を…

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今回は成果主義シリーズの40回目です。

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さて、それでは本題に入ります。

前回、成果主義と職務等級・職務給制度は親和性が高いということを書きました。
その一方で、職務を固定的に捉える職務等級・職務給制度は柔軟さを欠き、今の時代にそぐわない面が多いとも書きました。

現実には、どうなっているのでしょうか?

ここで登場したのが、「役割等級・役割給制度」です。
キーワードは「ブロードバンディング」。

役割等級・役割給制度では、同じようなレベルの職務をくくって、「役割」として再編成します。
「職務」が、かなり具体的な定義づけになるのに対し、「役割」は、もっと抽象的になります。
質の異なる職務をひとくくりにするのですから、当然です。

そして、ある役割等級に格付けられた人は、そこで定義されている役割を果たすことが期待されます。
職務等級・職務給制度と同様に、賃金は「その役割を果たしているかどうか」で決まります。「その人がどんな能力をもっているか」は関係ありません。もし役割を果たせていないと評価されたら、役割等級・役割給は下がります。

いま、新聞などで「○○社、職務給を導入」などと報じられているものの多くは、この「役割給」です。純然たる職務給を、新たに導入している会社は見たことがありません。
ただ、この役割等級・役割給は、姿を変えた職務等級・職務給と言っていいと思います。

この制度が主流になっているとは言い切れないでしょう。
もっと言うと、「この制度が主流」というのは、今後はあり得ないのではないでしょうか。
その会社の実情に合わせた、様々な制度、制度の組み合わせが存在するようになるのだと思います。
その中で、職務給や役割給に見られる、「属仕事型」の考え方は、柱になっていくことは確かではないでしょうか。

「成果主義をあらためて考える」シリーズ、次回から、属仕事型人事の原型である「職務等級制度」を見ていきます。


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June 21, 2005

成果主義をあらためて考える(40)-制度の柱(18)-職務・役割等級制度(4)

この前の日曜日、公園に犬をつれて、ピクニック。ビールを飲んでうとうとしていたら、見事に日焼けしてしまいました。あんなに晴れるとは思いもよらず。
Tシャツのあとがくっきり。恥ずかしいよなぁ…

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今回は成果主義シリーズの40回目です。

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さて、それでは本題に入ります。

一度は表舞台から姿を消したかに見えた職務等級・職務給制度が、いま、再び脚光を浴びるようになったのはなぜでしょうか。

職務等級・職務給制度は、成果主義の広がりとともに、再登板となりました。

成果主義の定義は様々で、「これだ」という確立したものはありません。
まぁ、流行語というのはいつもそうです。
その最大公約数的なものを上げると、「仕事の成果に応じて賃金などの人事処遇を決める考え方」ということになります。

ここでポイントになるのは、「仕事の」成果ということです。

以前、色々と書いてきた職能資格制度、そして日本型人事の代表格・年功序列型人事は、「人」に着目した人事制度です。「属人型」などと言います。

それに対して、成果主義では、仕事に着目します。「誰が」やっているか、とか、「どんなレベルの人が」やっているかは、関係ありません。あくまでも、仕事の成果だけしか見ないわけです。
つまり「属仕事型」ということになります。

職務等級・職務給は、典型的な「属仕事型」人事・賃金制度です。
この制度では、賃金は仕事(職務)のランクに対応します。その仕事をやっている人のことは関係ありません。もし、仕事のレベルにその人の能力がついていかなければ、担当職務を替えるだけです。

つまり、「属仕事型」という点で、職務等級・職務給は成果主義との親和性が高いのです。

しかし、この制度には、柔軟な人材配置を妨げるというデメリットがあります。
技術革新など、環境変化の激しい今、職務を固定的に捉える職務等級・職務給制度は、時代にそぐわない面が強いように思います。

実態はどうなのでしょうか?
続きは次回。

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June 17, 2005

成果主義をあらためて考える(39)-制度の柱(17)-職務・役割等級制度(3)

みなさん、こんにちは。

有料サイト運営会社が、迷惑メールを不特定多数に送付していたことを理由に、業務停止命令を受けましたね。SPAMメールにはいつもげんなりさせられます。げんなりだけでなく、SPAMの山に、「まともな」メールが埋もれてしまって、気づかないという実害も生じます。
SPAMブロックなどの対策もありますが、有効打にはなっていません。
「こんなことしても、手間隙とリスクだけでいいことはない」という状況をつくるしかないのかな…

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・就業規則を題材に労働法、労務管理を見ていこうというシリーズ企画
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今回は成果主義シリーズの39回目です。

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さらに…
無謀にも新しいブログを2つ立ち上げちゃいました。

ひとつは
経営者、管理者のための人事・賃金講座

もうひとつは
一日一問!社労士過去問

こちらもよろしくお願いします!

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さて、それでは本題に入ります。

職務等級・職務給制度が日本で定着しなかったのはなぜか、前回に続いて見ていきます。

2)定昇ができない

職務給に定昇の概念はありません。
そもそも日本にはなぜ定昇という制度があるのか?
理由は単純で、賃金水準が低かったからです。そのため、若いうちは賃金を低く抑え、年齢が上がるにつれて少しずつ賃金を上げていくという方式が採られたわけです。
戦後まもなくできた、いわゆる「電産型賃金体系」というもので、これがその後の日本の賃金体系の原型となりました。
職務給というのは、賃金水準がある程度のレベルにいっていないと成り立ちません。なぜなら、最低ランクの職務でも、生活できる程度の賃金を払わなくてはならないからです。
職務給が紹介された当時、日本の賃金水準は、アメリカなどに比べるとまだまだ低いものでした。そのため、定昇を前提にした賃金体系をやめることは不可能でした。

3)そもそも「職務」という概念がない

当時のアメリカ型の人事管理とは、職務をきっちりと決めることでした。
そして従業員は、割り当てられた職務を遂行し、それに見合った賃金を受け取るわけです。とても合理的なやり方ですね。
(1980年代、アメリカの競争力が落ちた頃、この方式が批判の的になりました。人事や仕事の分担が硬直的なこと、従業員は決められた仕事以外はやろうとせず、自主的に仕事の幅を広げようとしないことなどが、競争力を落とした元凶だというわけです)。

日本では、その人のやり方、ヤル気、能力に応じた仕事の分担をしていました。従業員の間で仕事がダブっていることも珍しくありませんでした。
(こうした方法は、柔軟な業務分担・人員配置を可能にする反面、非効率さの原因となります。アメリカ型人事管理のメリット・デメリットと、ちょうど正反対の関係になりますね)。
このような状況で、アメリカ型の、かっちりした職務の概念を持ち込んでも、定着はしませんでした。

このような問題に、日本の会社はどう対処したか?
後半に続きます。

----------前半終了----------

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June 16, 2005

成果主義をあらためて考える(38)-制度の柱(16)-職務・役割等級制度(2)

みなさん、こんにちは。

最近、お洒落な「立ち飲み居酒屋」が流行っているようですね。立ち飲みと言えば、ワンカップ酒ですが、これもお洒落なパッケージに包まれたものが増えており、女性客で賑わっているようです。機会を見て、入ってみたいですね。

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今回は成果主義シリーズの38回目です。

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さて、それでは本題に入ります。

なぜ、日本では、職務等級・職務給が普及しなかったのでしょうか?

この制度は、「職務」を賃金などの処遇の柱に据えます。
職務とは何か。詳しくは次回以降にしますが、要は「1人の人が担当する仕事の固まり」です。たとえば、「人事採用職」と言えば、採用に関する一連の仕事を指すわけです。
同じ「人事採用職」でも、レベルが明らかに異なる場合は、「人事採用職1」「人事採用職2」などとランク分けします。

職務給は、この職務をランクづけし、賃金を決めるわけです。
担当する職務のランクが上がれば、賃金も上がります。逆に、職務のランクが同じなら賃金は変わりませんし、もし下がれば、賃金も下がります。
従って、定昇の概念はありません。

このような制度を日本に持ち込もうとすると、どのような問題が起こるのか?
後半に続きます。

----------前半終了----------

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June 15, 2005

成果主義をあらためて考える(37)-制度の柱(15)-職務・役割等級制度(1)

みなさん、こんにちは。

スピルバーグ監督とトム・クルーズが、映画「宇宙戦争」のプロモーションで来日していますね。この映画、事前公開の映像がほとんどないことで話題を呼んでいます。これもプロモーション手法?
しかし「宇宙戦争」…。「Star Wars」の和訳かと思ったのは、私だけでしょうか?

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今回は成果主義シリーズの37回目です。
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さて、それでは本題に入ります。

今回から、「職務等級制度」についてお話していきましょう。
これは、会社の仕事をランクづけする制度です。ランクづけされた仕事に賃金が対応します。これが「職務給」です。

職務等級制度・職務給が紹介されたのは、1960年代のことです。日本初の実力主義型賃金体系と言っていいでしょう。
当時の日本企業の課題は、年功序列型賃金の改革でした。
「今と同じではないか」と思われませんか?
私は以前、1960年の日経連のリポートを、たまたま目にしたことがあります。なぜか会社の片隅にころがっていたのですね。
その黄ばんだ冊子には、年功序列型賃金を続けていては、これからの競争を勝ち抜いていけないということが縷々書き綴ってありました。
「オートメーション化」など、経済環境などを表すキーワードを入れ替えれば、今でもそのまま使えそうな文章でした。
人事・賃金制度というのは、古くて新しいテーマなんですね。

後半に続きます。

----------前半終了----------

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June 10, 2005

成果主義をあらためて考える(36)-制度の柱(14)-職能資格制度(12)

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さて、それでは本題に入ります。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの36回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。

職能資格制度の検討、今回で一区切りつけます。
最後に、成果主義と職能資格制度の関係、職能資格制度の今日的意義を考えてみます。

成果主義は、その名の通り仕事の成果に応じて賃金などの処遇を決めていこうという考え方です。評価の対象は、仕事そのものです。
一方、職能資格制度は、その人の職務遂行能力を処遇の基本にします。評価の対象は、能力という属人的なものです。
その点では、成果主義の考え方と職能資格制度では、向いている方向が異なります。
しかし、前にも書きましたが、職務遂行能力を「発揮能力」と捉えれば、成果主義の枠組みに入れることは可能です。

また人事処遇は、役職や資格、毎月の賃金がすべてではありません。「賞与」という重要なものがあります。
月々の賃金は能力に対応させ、賞与は仕事の成果に応じて支払うという方法をとることもできます。現実にそうしている会社は数多くあります。

とは言え、「人事処遇はすべて、仕事の成果(アウトプット)だけで決める」という方針であれば、職能資格制度はそぐわないことは確かです。たとえ「発揮能力を見る」と言っても、「能力を発揮した結果、どんな貢献があったのか」を見なくては、「成果に応じた処遇」とは言えません。
その点に限って言えば、「職能資格制度は成果主義にそぐわない」というのは、間違いではありません。

ポイントは人事政策です。
会社として、
・成果をどのぐらい人事に反映させるのか
・成果を人事処遇に反映させるのは、どの階層からか

--といったポリシーを決めることが重要なのです。
それによって、どのような制度を、どのように組み合わせるのかが決まってくるのです。

最後に、人材育成との関係も忘れないようにしましょう。
人材育成とは、その人の職務遂行能力を伸ばすことにほかなりません。
成果主義一辺倒では、このようなことは無理です。
これも会社の考え方次第です。
「当社はプロ集団。能力開発は自助努力。」というポリシーであれば、人材育成のことなど考える必要はありません。
(私は、このような考えが成り立つ会社は、ほんの一握りだと思っていますが)。
そうではなく、自社の社員をしっかり育成し、その上で活用していこうという考えがあれば、能力を測定する仕組みが不可欠です。
その観点からも、職能資格制度は意義、役割を失っていないと思っています。

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June 09, 2005

成果主義をあらためて考える(35)-制度の柱(13)-職能資格制度(11)

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さて、それでは本題に入ります。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの35回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。

これまで数回にわたって、職能資格制度について見てきました。
今回も、この制度の今日的意義はどんなところにあるのか、思うところを書いてみます。

「能力を測ることなど、ムリだ」
職能資格制度に対する批判です。
これも、全く的外れというわけではありません。
「能力」を「保有能力」と捉えれば、です。
この話は前回も書きました。
能力を「発揮能力」と捉えれば、測定可能です。
そのために、職務調査をやり、仕事と能力の関係を示す「資格・課業対応表」を作成したはずです。
そのように制度を作ったにもかかわらず、「能力など測れない」と文句を言うのは、仕事との関係を無視して、つまり制度の本来の姿を無視した運用をしているからにほかなりません。

その人がどのような仕事をしていて、その出来具合はどうであったかを見ることによって、職務遂行能力を測定するのは、十分可能です。

これまで3回にわたって、職能資格制度に対する批判の代表例を見てきました。
ここで言いたかったことは、制度設計は重要ですが、もっと重要なのは運用だということです。
「当社の人事制度は、どうもうまくいっていない」とお考えになったら、まず、運用が適切になされているかをチェックしてみてください。
その上で、制度を変えるべきかどうかを検討してください。

続きは次回!

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June 08, 2005

成果主義をあらためて考える(34)-制度の柱(12)-職能資格制度(10)

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さて、それでは本題に入ります。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの34回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。

これまで数回にわたって、職能資格制度について見てきました。
それでは、この制度の今日的意義はどんなところにあるのか、思うところを書いてみます。

職能資格制度への批判として、
「日本の会社のほとんどが、いまだに年功序列型なのは、職能資格制度・職能給のおかげだ」
--というものがあります。

この批判は、あながち的外れではありません。
職能資格制度には降格がないということ、そして職能給制度の多くが、「等級別号俸制」をとっていること(※)などを考えると、職能資格制度は、仕組みそのものに年功的な仕組みがビルト・インされているのは確かです。

※等級別号俸制:等級の中を「号」という単位で刻む。毎年何号かずつ昇給する。何号昇給するかは、人事考課と連動する。マイナス昇給はしないのが一般的。

しかし、その会社の人事制度を「年功的」にしている最大の原因は、「制度の運用」にあります。
「去年A評価だった。よほどの失敗がなければ、評価を下げるわけにはいかない」
「○○氏も入社○年目。そろそろ○等級に昇格させよう」
--このような運用が、どれだけ制度をゆがめてきたか。
どう考えても、制度本来の運用ではありません。

また、職能資格制度には降格がないのが一般的です。教科書などにも、そう書いてあるのが多いです。
「一度身につけた能力がなくなったり、レベルダウンすることはない」という理由からです。
これも一理あります。
しかし、それは能力を「保有能力」と捉えた場合の話です。
もし能力を「発揮能力」として捉えたら、ダウンすることもあり得ます。
そう考えると、降格もあり得るという制度設計も可能です。
どうもこの辺は、「降格はさせたくない」という心情的なものも背景にあるように思います。心情的には十分理解できます。自分もそう考えます。
ただ、人事制度の運用という観点で考えた場合、そうもいきません。
そして、「職能資格制度には降格なし」と固定的に考えるのも、どうかと思います。

続きは次回!

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June 07, 2005

成果主義をあらためて考える(33)-制度の柱(11)-職能資格制度(9)

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さて、それでは本題に入ります。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの33回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。

これまで数回にわたって、職能資格制度について見てきました。
それでは、この制度の今日的意義はどんなところにあるのか、思うところを書いてみます。

「日本の会社のほとんどが、いまだに年功序列型なのは、職能資格制度・
職能給のおかげだ」
「職能資格制度は、役割を終えた」
「成果主義と職能資格制度はそぐわない」

近年、あちこちで言われていることです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?

私は、職能資格制度信奉者ではありません。
でも、こうした見方には異を唱えます。

というのは、こうした議論の多くが、「なぜ今の職能資格制度がうまくいっていないのか」をきちんと把握していないで行われているからです。

「能力を測る?そんなの無理だよ」
「降格が無いのはおかしい」
「定昇があるような賃金制度はダメだ」
--せいぜいこんなものです。

私が危惧するのは、「失敗の原因」を十分把握しないまま、制度改革をしようとする点です。このような「制度改革」は、ほとんど例外なく失敗します。
そうするとまた、「コンサルタントの薦める制度を入れたけど、ダメではないか。一体何をやっているのだ。今の制度は取り替えよう」という話になって、再び空しい作業が繰り返されるわけです。

それでは、職能資格制度がうまくいかないのは、どんなところに原因があるのでしょうか。

続きは次回!

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June 03, 2005

成果主義をあらためて考える(32)-制度の柱(10)-職能資格制度(8)

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今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの32回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。
今回も職能資格制度です。
「成果主義の話で、なぜ職能資格制度?」と思われる方もいるかもしれません。

「能力を基準にする制度である職能資格制度と成果主義はマッチしない」
「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」
--と言われています。
本当にそうなのでしょうか?

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さて、それでは本題に入ります。

今回も、昇格についてです。

<昇格必要年数>

3等級4年、4等級5年、というように、「昇格するまで、その等級に何年いるか」ということです。
これは、次の3つがあります。
 1)標準年数
 2)最短年数
 3)最長年数

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June 02, 2005

成果主義をあらためて考える(31)-制度の柱(9)-職能資格制度(7)

みなさん、こんにちは。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの31回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。
今回も職能資格制度です。
「成果主義の話で、なぜ職能資格制度?」と思われる方もいるかもしれません。

「能力を基準にする制度である職能資格制度と成果主義はマッチしない」
「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」
--と言われています。
本当にそうなのでしょうか?

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さて、それでは本題に入ります。

前回までで、職能要件書、資格・代表課業対応表ができ上がりました。
次に、昇格基準を決めます。
ちなみに、職能資格制度でいう「昇格」とは、職能資格等級を上げることをいいます。
一方、「昇進」とは、役職ポストをあげることをいいます。
「どういう人を昇格させるか」という基準を決めたものが、「昇格基準」です。

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June 01, 2005

成果主義をあらためて考える(30)-制度の柱(8)-職能資格制度(6)

みなさん、こんにちは。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの30回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。
世の中、成果主義礼賛、成果主義批判、いろいろありますね。
このシリーズは、そのどちらにも偏ることはありません。
ただ、成果主義の考え方は、多かれ少なかれ、何らかの形で、人事・賃金制度に入っているものだと思っています。
成果主義の考えを、どんな風に、どの程度取り入れるか、それは具体的にどんな制度なのか、考えていきたいと思っています。

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さて、それでは本題に入ります。

今回も引き続き、「職能資格制度」について見ていきます。

職能資格制度は、社員のもっている能力を人事や賃金の処遇の基準にしようというものです。
「能力」とは何か。
それは、「仕事をする上で必要な能力」、つまり「職務遂行能力」を指します。
なんだか、分かったような分からないような話ですね。
「ウチの会社に必要な能力って、なんだろう」…改めて考えると、意外と難しいものです。何となく分かっているようで、コトバにしようとすると、なかなかできません。

能力をコタバにするために必要なものが2つあります。
ひとつは「職能要件書」。
もうひとつが「資格・課業対応表」で、そのために必要な作業が「職務調査」と言われるものです。

今回は、職務調査の進め方を見ていきます。

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成果主義をあらためて考える(29)-制度の柱(7)-職能資格制度(5)

みなさん、こんにちは。

今回は、「成果主義を改めて考える」シリーズの29回目です。成果主義を通して、人事制度や賃金制度をいろいろと考えていこうというコーナーです。

成果主義がもてはやされていた頃、「本当に成果主義って、有効なのかな?」と思っていました。
そして今、成果主義批判が色々出てきていますが、今度は逆に、「成果主義を悪者扱いにするのは、正しいのかな?」と思っています。
要するに、天邪鬼なんですね。

そんなわけで、成果主義を媒介にして、色々な人事制度を、自分の経験と照らし合わせて考えてみることにしました。
ですから、このコーナーは「成果主義礼賛」でも「成果主義批判」でもありません。成果主義的な考え方を起点に、人事制度のあり方や、実際に制度をつくるにはどんなことをしたらいいのか、色々と考えていこうという試みだと思ってください。

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さて、それでは本題に入ります。

「成果主義を改めて考える」企画、今回も引き続き、「職能資格制度」について見ていきます。

「職能資格制度と成果主義はマッチしない」「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」と言われています。
本当にそうなのでしょうか?
そもそも、職能資格制度とは、どんな制度なのでしょうか。

この制度は、社員のもっている能力を人事や賃金の処遇の基準にしようというものです。
「能力」とは何か。
それは、「仕事をする上で必要な能力」、つまり「職務遂行能力」を指します。
なんだか、分かったような分からないような話ですね。
「ウチの会社に必要な能力って、なんだろう」…改めて考えると、意外と難しいものです。何となく分かっているようで、コトバにしようとすると、なかなかできません。

「できる社員とは?」
→「注文をたくさん取ってこれること」
「画期的な新製品を開発できること」
…いずれも正しい定義です。
でも、これでその人の「能力」を判定したり、「能力開発」するのは、多分無理です。
「注文をたくさん取るにはどんな能力が必要なのか」が分かっていないといけません。
それなら、どうやって?

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May 30, 2005

成果主義をあらためて考える(27)-制度の柱(5)-職能資格制度(4)

みなさん、こんにちは。

このブログでは、成果主義を入り口に、人事制度や賃金制度の中身を探っていこうというシリーズ企画を連載しています。

いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。
アクセスログを見たり、トラックバック、コメントがついているのを見るたびに、感謝、感謝です!

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さて、それでは本題に入ります。

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も引き続き、職能資格制度について見ていきます。

「職能資格制度と成果主義はマッチしない」「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」と言われています。
本当にそうなのでしょうか?
そもそも、職能資格制度とは、どんな制度なのでしょうか。

これからは、次のような前提で話を進めていきます。
・職能資格は、等級で表す。
・資格段階は、非管理職6段階(S1~S6等級)、管理職3段階(M1~M3等級)。
*数字が大きいほうが、上位等級

前回までで、
・職能資格と役職の対応
・職能資格と年齢の対応
・職能資格の定義
――を検討してきました。

今回からは、職能資格の詳細な中身を、どのようにつくっていくのか検討します。

<職務調査>

職能資格制度は、職務遂行能力を基準とした人事制度です。
それでは、その「職務遂行能力」をどうやって測定・判定するのでしょうか。

能力は、その人が保有する「属人的」なものです。
外から見ていても、わかりません。(「顔を見れば、できる人かそうでないか、分かる」と豪語する人もいますが)。
ペーパーテストというツールもありますが、これはあくまでも補助手段と考えるべきです。

職務遂行能力のある・なしや、そのレベルはどこに現れるでしょうか。仕事以外にあり得ません。
・あるレベルの仕事をできるか、できないか
・あるレベルの仕事の「でき具合」はどうか

こうしたことと、その仕事がどのぐらいのレベルかということとを照らし合わせて、その人の職務遂行能力のレベルを判定するわけです。

会社に存在する仕事と、職能資格との関係を明らかにするのが、これから見ていく「職務調査」という手法です。

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May 26, 2005

成果主義をあらためて考える(26)-制度の柱(4)-職能資格制度(3)

みなさん、こんにちは。

このブログでは、成果主義を入り口に、人事制度や賃金制度の中身を探っていこうというシリーズ企画を連載しています。

いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。
アクセスログを見たり、トラックバック、コメントがついているのを見るたびに、感謝、感謝です!

さて、このたび、メールマガジンを発行することになりました!
タイトルは「優秀な人材を採用、育成するノウハウと秘訣」。
普段、このブログで取り上げる機会の少ない、人材採用や人材育成について、お伝えしていきます。
創刊予定は6月3日。是非みなさん、ご購読をお願いします!

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さて、それでは本題に入ります。

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も引き続き、職能資格制度について見ていきます。

「職能資格制度と成果主義はマッチしない」「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」と言われています。
本当にそうなのでしょうか?
そもそも、職能資格制度とは、どんな制度なのでしょうか。

---
なお、これからは、次のような前提で話を進めていきます。
・職能資格は、等級で表す。
・資格段階は、非管理職6段階(S1~S6等級)、管理職3段階(M1~M3等級)。
*数字が大きいほうが、上位等級
---

今回は、
・職能資格と役職との関係をどうするか
・職能資格と年齢の関係をどうするか
・各職能資格等級の定義をどうするか

--といった点を見ていきます。
職能資格制度の「骨組み」にあたる部分です。

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May 24, 2005

成果主義をあらためて考える(25)-制度の柱(3)-職能資格制度(2)

人事・賃金制度を新しくつくろうとするときや、改定をしようとするとき、まず考えるべきは、「何を制度の柱にするか」です。

ここまでの検討内容を振り返ってみましょう。
まず現状分析によって、今の人事・賃金制度の問題点を把握します。
現状の問題点を踏まえて、制度改革の目的を検討し、改革の方向性が決めます。

こうした過程を経て、成果主義など、何らかのかたちで従業員の成果や貢献度に対応した制度にしようとしていると仮定します。
それでは、どんな制度にするのがいいのか。
そこでまず、「制度の柱」を何にするかを検討します。

今回から、職能資格制度の中身を見ていきます。

「職能資格制度と成果主義はマッチしない」「日本の会社の人事制度が年功的になっているのは職能資格制度が原因」と言われています。
本当にそうなのでしょうか?
そもそも、職能資格制度とは、どんな制度なのでしょうか。

<職能資格制度とは>

この制度は、従業員の職務遂行能力を、賃金などの処遇の中心に据えます。職能資格制度に基づいた賃金が、職能給です。処遇に使うだけではなく、人事評価、人材育成も、職能資格制度が基準になります。

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May 23, 2005

成果主義「導入・拡大」28%

このたび、メールマガジンを発行することになりました!
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さて、それでは本題に入ります。

成果主義に対しては、一時期の、ブームとも言える過熱ぶりが冷め、今は賛否両論、色々な意見が渦巻いています。

<成果主義の導入は8割を超える>
少し前ですが、5月18日の日経新聞に、同社が実施した、賃金動向調査の結果が掲載されていました。
同調査によると、過去1年間に成果主義型の制度を導入・拡大した企業は、全体の28%、86.7%が成果主義型の制度を取り入れています。

<成果主義導入企業の「満足度」>
また、導入した成果主義型制度について、「かなり満足」との回答が7.3%、「やや満足」が32.5%と、満足としている企業が妬く40%になります。一方で不満の割合は20.5%と、満足と答えた割合の半分にとどまっています。

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May 19, 2005

成果主義をあらためて考える(24)-制度の柱(2)-職能資格制度(1)

人事・賃金制度を新しくつくろうとするときや、改定をしようとするとき、まず考えるべきは、「何を制度の柱にするか」です。

 ・成果主義の考え方を取り入れるかどうか
 ・取り入れる場合、全面的に取り入れるか、部分的に取り入れるか
ここをどうするかによって、「何を」、「どのように」が決まってきます。

そして、次の3つが人事制度の代表例です。
 ・職能資格制度
 ・職務等級制度
 ・役割等級制度
実際の人事制度は、このほかにも色々あります。でも、そのほとんどは、この3パターンのバリエーションであったり、組み合わせであったりです。
呼び方は他にも色々あります。「職能等級制度」とか、「役割グレード制度」など。
呼び方にあまりこだわらない方がいいと思います。
ただ、常に意識しなくてはいけない部分があります。
「職能」か「職務」か「役割」か、ということです。
なぜなら、この部分が、「どこに基準を置いた人事制度なのか」を表しているためです。

それでは、「職能資格制度」から見ていきましょう。
この人事制度は、「職能」、つまり「職務遂行能力」を基準にした制度です。
職能資格制度は、長らく日本の人事制度のデファクト・スタンダードの地位を占めていました。

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May 18, 2005

成果主義をあらためて考える(23)~制度の柱(1)

成果主義を考え直すシリーズ、今回からいよいよ、人事制度・賃金制度の中身について見ていきます。

人事制度をつくる場合、真っ先に考えるべきは、「何を制度の柱にするか」ということです。
具体的には、職能資格制度、職務等級制度などのことです。
ここが定まらないまま賃金制度や評価制度をつくろうとしても、まず失敗します。賃金や評価のより所になるものが決まっていないのですから、当然です。

「何を」制度の柱にするかは、「どこを」重視して処遇を決めるかによって決まります。
「人」基準か、「仕事」基準かということです。

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May 17, 2005

トクヤマ、部課長級に年俸制導入

5月16日の日経産業新聞に、化学メーカーのトクヤマが部課長級に年俸制を導入したという記事が掲載されていました。
記事によると、制度の概要は次の通りです。
・対象人数は372人、同世代で最大400万円の年収差が生じる。
・年功要素が強かった従来の賃金制度を改め、成果主義を重視する。
・職能資格給と職能習熟給を職能成果給と職責役割給に改める。
・職能成果給は能力や成果に加え、業務の推進度や人材育成力も評価する。
・職責役割給はプロジェクトの兼務などに応じて柔軟に変更できるようにし、実態の業務に即して評価する。

これも、成果主義型賃金の導入と言っていいでしょう。
管理職層に導入するという方法も、オーソドックスです。一般社員層に、同様の制度を広げるのかどうかは、分かりませんが。

目を引いたのは、「職能成果給」という賃金項目です。
職能という属人的なものと、成果とを、同じ賃金項目に入れ込んでいます。
賃金テーブル、人事評価はどうなっているのでしょうか?

成果を上げる源はその人の能力であると考えると、原因と結果を同じ賃金項目で表しているということになります。
これは想像ですが、能力給部分がベースにあって、その上に成果部分をプラス・マイナスした結果が職能成果給なのかもしれません。

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May 13, 2005

成果主義をあらためて考える(22)~人事政策を固めましょう(2)

前回、人事政策は、
(1)雇用をどう考えるか
(2)賃金をどう考えるか
――この2つが基本になると書きました。
今回は、2番目の「賃金政策」について見ていきます。

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May 12, 2005

成果主義をあらためて考える(21)~人事政策を固めましょう

人事制度、賃金制度をどう変えていくのか、つまり制度改革の目的と方針をどう決めるか。
ここが制度改革の最大のポイントです。
その根幹にあるのが、会社の人事政策とか人事方針と言われるものです。
これがはっきりしていないと、制度改革の目的や方針も、決めようがありません。また、これがはっきりしていれば、制度改革の目的も自ずと決まります。

どうしても、このようなコンセプチュアルなものは、後回しにされがちです。
そんなことより、どうやって稼ぐかの方が大切だというわけですね。
稼ぐことが大事なのは言うまでもありません。
しかし、よく考えてみてください。「稼ぐ」のは誰なのかということを。
それは「人」以外にありえません。「仕組み」で稼ぐというパターンもありますが、その「仕組み」を考えるのは、やはり「人」です。
ということは、会社がお金を稼ぎ、永続的に発展していくうえで最も大事なのは「人」なのです。
また、「とにかく、制度を早くつくらないと」と先を急ぐこともよくあります。
しかし、人事政策とは、会社の従業員に対するメッセージです。
従業員が心から、会社の発展を願い、そのために一生懸命になるのは、会社が明確な人事政策をもち、それをメッセージとして伝えているからなのです。
人事制度は、それを具体的な形に変換したものでしかありません。

この人事政策をどう固めるか。
それには、その会社がどんな会社なのか――どんな事業を営んでいるのか、これからどんな事業を展開していこうとしているのか、歴史はどのぐらいか、どんな文化をもち、どんな人が集まっているのか、といったことを踏まえないといけません。

それを踏まえて人事政策を固めます。
できれば、委員会のようなものをつくるのがいいでしょう。そこまでしなくても、複数の人が関わる必要があると思います。

それでは、どんな人事政策が考えられるでしょうか。

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May 11, 2005

成果主義をあらためて考える(20)~制度改革の目的とは(1)

「当社も従業員数が増えてきた。これまでは社長が鉛筆をなめて一人一人の賃金を決めていたけど、こんなやり方はもう限界だ。きちんとした体系をつくろう」
「賃金体系はあるけれど、どうもうまくいっていない。本当によくやっている人が、きちんと処遇されていない。何とかしないと」
「新聞を読んでいると、賃金制度や人事制度を新しくしたという記事がよく出ている。当社も何か考えたほうがいいかもしれない」

―――人事制度、賃金制度を変える理由、動機は様々です。
よくあるのは、何かうまくいっていないようだけど、具体的に何が問題なのかよく分からないというケースです。
これをはっきりさせるために、現状分析を行います。
現状分析で、問題点や課題がはっきりしたら、次は「どうするか」を決めます。つまり制度改革の目的と方針を決めるということです。

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May 10, 2005

成果主義をあらためて考える(19)

これまで何回かにわたって、現状分析のケーススタディをやってきました。かなりおおざっぱなケーススタディだったので、「これで十分」とはとても言えませんが、感じはある程度つかめるのではないかと思います。

これからは、人事・賃金制度構築講座に入ります。新しい制度をつくる場合、どんな方法があるのか、どんなことがポイントになるのかを、いろいろと考えていきます。
特に、(タイトルにあるとおり)成果主義との関係を意識します。

構成、内容は大体次のようなものを考えています。
ご意見、ご要望があれば是非メールをください。
 hrm-consul@nifty.com

 1.制度改革の目的
 2.人事制度の柱(職務等級制度、職能資格制度、役割等級制度など)
 3.目標管理
 4.人事評価
 5.賃金、賞与、退職金
 6.配置、異動
 7.昇進、昇格
 8.人材育成
 9.人材採用
 10.メンタルヘルス

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May 09, 2005

アサヒビールの管理職成果主義

5月3日の日経新聞に、「アサヒビール、管理職に成果主義型賃金」という記事が載っていました。
記事によると、次のような制度になるようです。
 ・対象は全管理職1600人
 ・月給の約6割がポストの重要度で決まる「役割給」になる
 ・賞与は役割給をベースに成果などの貢献度で決まるようになる
新制度への移行で、年収が最大で400万円程度、3割増になる管理職が出る一方、担当部長などラインの長でない場合は年収が下がるケースが出るということです。

成果主義については色々と批判がありますが、無視できない存在になっていることも事実です。(だから批判もあるのでしょう)。
賃金制度を新しくする場合、「新たに年功序列を取り入れよう」という会社はないでしょう。成果主義の考えを、何らかの形で取り入れるのが、一般的です。(成果主義と呼ぶかどうかは別ですが)。

「何らかの形で取り入れる」という場合の、「取り入れ方」にはいろいろあります。
アサヒビールは、序列が上の人に取り入れるという方法をとりました。割とよくあるパターンです。また、最初は幹部職・管理職に取り入れ、順次一般社員層に広げていくという方法もあります。

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April 25, 2005

成果主義をあらためて考える(18)~ケーススタディ(5)

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も、現状の人事・賃金制度をどう分析するか、制度を変えるのか、成果主義的なものを入れるのがいいのかどうかを、ある架空の会社の人事・賃金制度、労務構成を想定して、見ていきます。 今回は人事評価分布について見ていきます。

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April 19, 2005

成果主義をあらためて考える(17)~ケーススタディ(4)

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も、現状の人事・賃金制度をどう考えるか、制度を変えるのか、成果主義的なものを入れるのがいいのかどうかを、ある架空の会社の人事・賃金制度、労務構成を想定して、見ていきます。今回も引き続き賃金です。 今回は昇給について見ていきます。

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April 18, 2005

成果主義をあらためて考える(16)~ケーススタディ(3)

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も、現状の人事・賃金制度をどう考えるか、制度を変えるのか、成果主義的なものを入れるのがいいのかどうかを、ある架空の会社の人事・賃金制度、労務構成を想定して、見ていきます。今回も引き続き賃金です。 今回は基本給の中身を見ていきます。

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April 14, 2005

成果主義をあらためて考える(15)~ケーススタディ(2)

成果主義を改めて考えていこうというシリーズ、今回も、現状の人事・賃金制度をどう考えるか、制度を変えるのか、成果主義的なものを入れるのがいいのかどうかを見ていきます。 前回、ある架空の会社の人事・賃金制度、労務構成などを設定してみました。今回は、その会社の労務構成について見ていきます。 設定ケースは次のようなものです。 社員300人程度の会社(製造業)。平均年齢は35歳、年齢構成は30歳~40歳の層が50%を占める典型的な「釣鐘型」だが、近年50歳以上の層も増えつつある。

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April 13, 2005

成果主義をあらためて考える(14)~ケーススタディ(1)

成果主義をあらためて考えていこうというシリーズ、前回まで、現状分析について色々と見てきました。このプロセスを経ることによって、自分の会社の人事・賃金がどんな状況で、どこに問題があるか見えてきます。
今回から数回にわたって、ある架空の人事・賃金制度を想定して、それを分析し、人事制度改革の方向性をどう決めていくかを考えていきます。

<ケース
いま、ここに、社員300人程度の会社(製造業)があったとします。

人員構成
平均年齢は35歳、年齢構成は30歳~40歳の層が50%を占める典型的な「釣鐘型」ですが、近年50歳以上の層も増えつつあります。
職種は事務職、営業職、企画職、技術職、技能職。男女比は、男性6割、女性4割です。

賃金体系
賃金は職能給体系で、基準内賃金は基本給(職能給、年齢給)、役職手当、家族手当、住宅手当から構成されています。基準外賃金は、時間外勤務手当、深夜業手当、休日出勤手当、通勤手当です。

賃金構成比率
基準内賃金に占める基本給(職能給、年齢給)の比率は80%、職能給と年齢給の比率は平均で5:5、20歳代で4:6、40歳代で5:5、50歳代で6:4となっています。また、賃金総額に占める基準内賃金の比率は80%です。

職能給、職能資格
職能給は、職能給表(等級別号俸制)に基づいて運用されています。毎年の人事評価(5段階)に対応して号俸が上がる仕組みです。(評価Sで5号、Aで4号、Bで3号、Cで2号、Dで1号昇給)。昇格は、過去2年間の人事評価を基に決めます。また、資格等級ごとに最低滞留年数と最長滞留年数が設けられています。降格はありません。
資格等級は管理職層が2等級、非管理職層が6等級。

非管理職層の職能給表を一部取り出してみると、次のような具合です。
・4等級(標準で36歳~40歳)
  4級1号 120000円
  4級2号 121500円
  4級3号 123000円
  4級4号 124500円
  4級5号 126000円
・5等級(標準で41歳~45歳)
  5級1号 150000円
  5級2号 152000円
  5級3号 154000円
  5級4号 156000円
  5級5号 158000円

たとえば4級1号にいる人がB評価を取ったとすると、3号昇給しますから、職能給は120000円から124500円になり、4500円昇給します。A評価の場合は4号昇給、職能給は126000円、6000円昇給です。つまり評価1ランクあたりの昇給格差は1500円ということになります。

年齢給
35歳~45歳の年齢給は次の通りです。
 35歳 140000円
 40歳 160000円
 45歳 170000円
つまり、35歳~40歳の間は毎年4000円、40歳~45歳の間は毎年2000円ずつ年齢給があがるようになっています。

従って35歳・4級1号の人の場合は、職能給120000円、年齢給140000円となり、41歳・5級5号の人の場合は、職能給158000円、年齢給162000円となります。

人事評価
評価分布は、1~3等級で概ねS:5%、A:30%、B:40%、C:20%、D:5%、4~6等級で概ねS:10%、A:50%、B:20%、C:15%、D:5%となっています。

昇格、職能資格と役職の関係
昇格は3等級まではほぼ自動昇格、4等級昇格で2割程度が1年遅れ、5~6等級には5割程度の人は標準年数(遅れなし)で昇格し、残りの人は2~3年遅れで昇格します。6等級まではほぼ全員が昇格します。
管理職層は、2等級が部長、1等級が課長に対応します。1等級には同年代の7割程度が、2等級には1等級のうちの3割程度が昇格します。
全体で管理職層が3割を占めます。

条件設定はこれぐらいにしておきます。あまり細かくしすぎると、応用がきかなくなりますし…
これを見て、みなさんはどうお感じになりますか?色々と問題がありそうな感じがしますが…

次回から、この会社の人事・賃金のどこに問題があり、どうしていけばいいか、検討していきます。

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April 12, 2005

成果主義をあらためて考える(13)~現状分析(8)

人事制度をどう改革していくか、成果主義的な人事・賃金制度を取り入れるのか、違う方向に行くのか、そもそも制度そのものをいじる必要があるのか…こうしたことを考える前に必要なのが、現状分析です。
これまで数回に渡って、人員分析、賃金分析、評価分析について見てきました。
これらは、いわば「定量分析」です。
今回は定性分析として、モラールサーベイを取り上げます。

(9)モラールサーベイ

「モラール」とは何か

モラールとは、組織の構成員が共通の目標を達成するために努力している状態を指します。
平たく言えば、組織全体がどの程度一体感をもって、やる気になっているかということです。

モラールが業績に与える影響は小さくありません。従ってモラールの現状把握は、経営上重要な課題です。

少ない情報で判断するのは危険

特定の人の「感想」が、まるで会社全体のことであるかのように捉えられてしまう事がよくあります。たとえば、ある人が「最近みんなの元気がなくなっている」と言ったところ、それが人づてに伝わり、「そういえばそうだね」となってしまうようなケースです。
これは大変危険です。ほとんどの人は、特定部署の、特定の事象を捉えてそのように言っています。ですから、本当にそれが全体の傾向なのかどうなのか、本当のところは分かりません。それなのに、そうした「感想」に基づいて何か「対策」を打っても、ムダになったり、事態をさらに悪化させたりという結果になりかねません。

モラールサーベイの必要性

このようなことを避け、会社全体のモラールがどのような状態にあるかをきちんと把握し、人事制度改革などにつなげるために、モラールサーベイを実施します。
調査方法には様々なものがありますが、通常は社員からアンケート調査を実施し、集計します。
それを、従業員のモラールそのもの(公平感、納得性、自己実現などの充足度、会社や上司への信頼度など)と、会社の制度や組織風土の受け止め方(人事制度、経営幹部や上司のリーダーシップ、労働環境への満足度など)の要素で点数化し、レーダーチャートなどで表します。

モラールサーベイから、何を読み取るか

ポイントは、モラールサーベイ以外の統計データとつき合わせて検討することです。
モラールサーベイは、アンケート調査が元です。数十項目の質問に、「そう思う」、「そう思わない」などの選択肢を選ぶか、5~10段階ぐらいの得点を選ぶというやり方が一般的です。つまり、「主観の集積」なのです。ですから、「何となくそう感じる」とか「ここが気に入らない」といった感覚や雰囲気に左右されることが少なからずあります。
だからあてにならないとか、使えないということではありません。会社全体の雰囲気という、一見とらえどころのないものには、必ず原因があるからです。原因をつきとめなければ、何のために手間隙かけて調査をしたのか分かりません。しかし、モラールサーベイ結果だけでは、その原因をつかむことは困難です。統計データとつき合わせる理由は、こんなところにあります。

たとえば、モラールサーベイで、「仕事にやりがいを感じない」、「賃金額に不満を感じている」、「仕事をしても報われないと感じる」という傾向が現れていたら

まず、その会社の賃金額を同業種・同規模の賃金相場と比較してみます。世間相場より著しく低かったら、不満の原因のひとつはそこにあると見て間違いないでしょう。
ただ、会社の支払能力という限界がありますから、大幅な賃上げは難しいと思われます。他に削れる経費はないか、精査する必要があります。それと、成果をあげている人には高い賃金・賞与を支払うようにするといった工夫も必要かもしれません。いずれにしろ、限りある原資を有効に活用する手立てを考える必要があるでしょう。

賃金の分布状況も見ます。
一般的に、賃金額が世間相場より著しく低いということは、そう多くはありません。そもそも、そういう会社には人が寄りつきませんから、会社の存続自体が怪しくなります。
むしろ、賃金額に関する不満は、「自分はこんなにがんばっていて、成果もあげているのに、ぶらぶらしている○○さんと同じ賃金なのは納得いかない」とか「自分と○○さんは同じようなレベルの仕事しているし、できばえも同じだ。それなのに、なぜ自分の方が賃金が低いのか」といった、賃金格差に起因するものが多いと思われます。

このような不満が多ければ、まず、賃金と評価の相関関係を見ます。もし、賃金額と評価に相関がなければ、そこを今後どうしていくかを検討します。

もし相関が強かったら、今度は評価の分布状況を見ます。もし、評価がほとんど分布していない、つまりほとんどの人が同じ評価に集中していたら、賃金などの処遇に差はつかなくなります。

評価がそれなりにちらばっていたら、今度は評価制度そのものや、その運用を分析します。
もし評価項目に「成果」がなければ、「成果をあげても評価されない」ということになります。ここは、会社の人事政策そのものです。どういう人に報いたいか、検討する必要があります。
ある人が「成果で評価してほしい」と言っていても、会社にその意思がなければ、それに応えることはできません。その場合、会社の人事政策をきちんと説明し、それでも納得がいかなければ、辞めてもらうしかないかもしれません。また、そういう人が多ければ、会社の人事政策そのものを見直す必要もあるかもしれません。
ただ、注意しなくてはいけないのは、「成果」の定義をはっきりさせることです。ここの認識が曖昧なまま、「今後は成果で報いるようにしよう」と言っても、何の解決にもならないかもしれません。

運用が適切に行われているかも重要な要素です。人事制度改革が失敗に終わるのは、大体がこの運用に起因することが多いようです。

以上書いてきたことは、ほんの一例にすぎません。
実際には様々なパターンが考えられます。適切な分析を行い、調査結果を有効に活用しましょう。

現状分析は、とりあえずここまでにしておきます。
次回から、「何のために成果主義を入れるのか」という目的を検討していきます。

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April 11, 2005

成果主義をあらためて考える(12)~現状分析(7)

人事制度をどう改革していくか、成果主義的な人事・賃金制度を入れるのか、違う方向に行くのか、そもそも制度そのものをいじる必要があるのか…こうしたことを考える前に必要なのが、現状分析です。
次は人事評価分析です。

(8)評価分析

年齢と評価の関係

まずは、年齢と評価の関係を分析してみましょう。
縦軸に評価段階、横軸に年齢を取って散布図を描いてみます。もし、年齢との相関が高く、右肩上がりのカーブを描いていたら、年齢が高いほど評価が高くなっているということです。
年齢が高いほうが(つまり、経験が豊富なほうが)、評価が高くなるのは当然だという考えもあります。しかし、これはあくまでも、どの年齢層の人にも同じようなレベルのもの(仕事、能力)を求めている場合にしか成り立ちません。もしそうなら、賃金も、どの年齢層も同じようなレベルでなくてはならないのですが、現実にそうなっているケースはほとんどないでしょう。
高い賃金を得ている人には、それなりのレベルの仕事を求め、その求め(期待水準)に照らしてどうであったのかを評価するのが本来の姿です。

職能資格・役職と評価の関係

次に職能資格や役職など処遇の軸となるものと、評価の関係を見ます。これは、資格などの処遇軸ごとに円グラフを作るのがよいでしょう。
ここでもよくあるのが、高い資格になるほど、評価も高くなるという現象です。先ほどは年齢という、能力や成果とはあまり関係ないものを基準にしましたので、評価との相関関係を見るといっても限界がありましたが、職能資格や役職が基準となると話は別です。高い資格、役職となれば、当然、求める期待も高くなります。「求める期待水準」は資格要件などで定義されているのが通常です。その期待水準に対してどうであったかを評価するわけですから、高資格=高評価ということにはならないはずです。

その他評定誤差

仮にその会社の評価制度がS,A,B,C,Dの5段階となっていて、A評価が全体の50%以上を占めていたら、どういうことになるでしょうか。(これを「寛大化傾向」といいます)。たぶん、賃金に差はつかず、昇進や昇格を決めるときには、評価結果は使い物にならないということになるでしょう。これだと何のために人事評価をやっているのか、分からなくなります。
もし、中心点のB評価が全体の80%を占めていたら、どういうことになるでしょうか。(これを「中央集中化傾向」といいます)。これも同様な問題を生じます。

こうなってしまう原因には様々なことが考えられます。評価制度そのものか、評価基準か、評価制度の運用か、管理者の問題か、どこにあるのかによって、その後の対応も変わってきます。

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April 08, 2005

成果主義をあらためて考える(11)~現状分析(6)

人事制度をどう改革していくか、成果主義的なものを入れるのか、違う方向に行くのか、そもそも制度そのものをいじる必要があるのか…こうしたことを考える前に必要なのが、現状分析です。
今回も引き続き賃金分析です。
賃金は制度改革のコアになる部分です。
賃金は、会社業績、従業員本人の能力・成果・年功、能力や成果となって現れる以前のあらゆるプロセス(人材配置、人材育成、業務アサイン、業務遂行など)、そして従業員が上げた成果や到達した能力レベルなどに対する評価など、従業員が会社で関わるほとんど全ての事象が集約されるものなのです。
ということは、賃金がどう決まり、具体的にどんな額になるのかは、会社が社員に示すメッセージであり、人事政策そのものになるわけです。
それほど大切な賃金が、どのような現状にあるかを把握するのは、制度を変えるかどうかは別としても、常にやっておかなくてはならない、大切なことです。

(5)賃金分析③~総額人件費分析

会社が従業員にかけるコストは、賃金だけではありません。社会保険料会社負担分などの法定福利費、退職金費用(退職給付費用、退職年金掛金)、持家支援などの法定外福利費、採用費、教育費など、従業員の手元に直接渡るのではない(退職金などは、退職時に本人に支払われますが)諸々のコストがかかっています。これらをトータルしたものが、総額人件費です。
従ってこの部分は、賃金の会社コストとしての側面を分析します。
総額人件費と他の経営指標との関係を分析します。代表的なものは「売上高人件費比率」です。「人件費÷売上高×100」という算式で求めます。
売上高人件費比率がどの程度が適正かは一概に言えません。業種にもよりますし、会社にもよります。同業種、同規模の会社がどの程度になっているかが参考指標にはなります。
大事なのは経年変化でしょう。もし増加傾向にあるようなら、その原因を探る必要があります。

労働分配率がどの程度かも把握、分析しておきましょう。労働分配率は、付加価値に占める人件費の割合のことです。付加価値とは、会社が新たに生み出した価値のことで、具体的には「税引後当期純利益+租税公課+法人税等+支払利息・割引料+社債利息+人件費+賃借料+減価償却費]という算式で求めます。(ほかにも算式はありますが)。
これもどの人件費比率と同様、どの程度が適正かは一概に言えませんが、経年変化を押さえておく必要があります。

(6)賃金分析④~賃上げ分析

賃上げと業績指標の関係を分析します。
たとえば賃上げ率と営業利益の伸び率との関係を分析し、その相関を見ます。相関がない場合が多いのですが、今後は何らかの関係付けが必要になるのではないでしょうか。

(7)賃金分析⑤~賞与分析

成果主義を導入した場合、賞与を会社業績連動型にするケースが少なくありません。成果主義の考え方からすれば当然と言えますが、原点に返って考えてみると、賞与を含め賃金は会社の支払能力を超えることはできません。そして、会社業績に連動する度合いが大きいのは、一般的には賞与です。月々の賃金は安定的に支払い、業績による変動は年2回の賞与という考え方です。
そこで、自社の賞与が、実際のところどうなっているのかを、業績と賞与額との相関関係を見て分析します。(業績指標として一般的なのは営業利益でしょう。それ以外に、売上高、経常利益、付加価値、ROI、EVAなど様々なものが上げられます)。
縦軸に賞与額、横軸に業績を取って、相関を見ます。意外と業績と賞与額の相関が薄いというケースが多いのではないでしょうか。
業績による変動は賞与で、と書きましたが、これは経営側から見た賞与のあり方です。従業員側から見れば、賞与も生活費の一部です。現実の賞与額決定にあたっては、賞与のこうした側面も考慮しなくてはなりません。
しかしながら、前述の通り会社は支払能力を超えた賃金支払はできません。短期的には可能でも、しばらくこれを続けると、間違いなく人件費倒産します。
そうした点、さらには従業員の会社業績に対するコミットメントを引き出すという点からも、賞与と業績の関係を今後はもっと意識する必要があると思われます。

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April 07, 2005

成果主義をあらためて考える(10)~現状分析(5)

人事制度をどう改革していくか、成果主義的な賃金制度を入れるのか、違う方向に行くのか、そもそも制度そのものをいじる必要があるのか…こうしたことを考える前に必要なのが、現状分析です。
今回も引き続き賃金分析です。
賃金は制度改革のコアになる部分です。
賃金は、会社業績、従業員本人の能力・成果・年功、能力や成果となって現れる以前のあらゆるプロセス(人材配置、人材育成、業務アサイン、業務遂行など)、そして従業員が上げた成果や到達した能力レベルなどに対する評価など、従業員が会社で関わるほとんど全ての事象が集約されるものなのです。
ということは、賃金がどう決まり、具体的にどんな額になるのかは、会社が社員に示すメッセージであり、人事政策そのものになるわけです。
それほど大切な賃金が、どのような現状にあるかを把握するのは、制度を変えるかどうかは別としても、常にやっておかなくてはならない、大切なことです。

今回は賃金構成分析です。

賃金は、○○給、○○手当など、複数の賃金項目からなっているのが一般的です。どのような賃金項目があるのかを示したのが賃金構成です。賃金構成分析では、それぞれの賃金項目が、賃金全体の中でどのぐらいの比率を示すかを見ます。これも、賃金全体と、所定内賃金の2つの切り口から分析するほうがよいでしょう。また会社には、資格、役職、年齢など、従業員のランクを示す何らかの尺度があります。その尺度別に見ることも必要です。

詳しくは「HRM-Consul2~成果主義を考えるブログ」へ!

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April 06, 2005

成果主義をあらためて考える(9)~現状分析(4)

人事制度をどう改革していくか、成果主義的な人事・賃金制度を入れるのか、違う方向に行くのか、そもそも制度そのものをいじる必要があるのか…こうしたことを考える前に必要なのが、現状分析です。
これまで2回に渡って、現状分析のうちの、人員分析について見てきました。
次は賃金分析です。
賃金は制度改革のコアになる部分です。
賃金は、会社業績、従業員本人の能力・成果・年功、能力や成果となって現れる以前のあらゆるプロセス(人材配置、人材育成、業務アサイン、業務遂行など)、そして従業員が上げた成果や到達した能力レベルなどに対する評価など、従業員が会社で関わるほとんど全ての事象が集約されるものなのです。
ということは、賃金がどう決まり、具体的にどんな額になるのかは、会社が社員に示すメッセージであり、人事政策そのものになるわけです。
それほど大切な賃金が、どのような現状にあるかを把握するのは、制度を変えるかどうかは別としても、常にやっておかなくてはならない、大切なことです。

まずは賃金の分布状況を分析していきましょう。

詳しくは「HRM-Consul2~成果主義を考えるブログ」へ!

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April 05, 2005

成果主義をあらためて考える(8)~現状分析(3)

今回も、人員分析についてみていきます。

(2)人員分析②~役職・資格別人員構成

1)役職別人員構成

会社の役職階層別の人員数を見ます。
1人の管理職が管理できる部下の数には限りがあります。管理職の数が少なすぎないか、確認する必要があります。
問題になっているのは、それよりも管理職の数が多すぎるというケースです。いわゆるポスト不足問題です。つまり、空いているポストが残っていないため、適任者がいるのに就けられないということです。それなら、不適と思われる人を、そのポストからはずせばいいのですが、現実には中々できません。
こうなっている原因の多くは、人事制度が年功序列的で、しかも処遇のために役職ポストを割り当てているところにあります。「あの人も、そろそろ課長にしないと」という発想が典型例です。
組織、役職のあり方とともに、人事評価、処遇制度、人材配置の問題を検討する必要があります。

これも会社全体だけでなく、部署別に見ることも検討した方が良いでしょう。

2)資格別人員構成
職能資格制度や職能等級制度、役割等級制度のような、何らかの格付け制度を導入している会社は、その格付け別の人員を出します。
職能資格制度を導入するきっかけのひとつが、ポスト不足問題です。つまり、処遇のために役職をつけるという手法が限界にきたため、職能資格制度を導入し、「処遇は資格、役職は会社の必要性で」ということです。
こうなると、今度は、高資格者がどんどん増えるということになります。一般に、職能資格制度に降格はありません。身についた能力がなくなったり、ダウンすることはないという前提に立つからです。(この前提には疑問を感じざるを得ないのですが)。
それに、職能資格制度の運用が年功的になると、必然的に高資格者だらけになります。こうなると、何のために職能資格制度を入れたのか、分からなくなります。
もしこのような状況になっていたら、職能資格制度の運用を見直すか、制度そのものを改革するか、いずれかの方策が必要になります。

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April 04, 2005

成果主義をあらためて考える(7)~現状分析(2)

今回から、人事制度改革の前提として、現状分析の進め方を見ていくことにします。
これをきちんと行うことで、会社の今の姿を把握することができ、そこから改革の方向性も見えてきます。
まずは「人員分析」です。
これは、会社にいる従業員を、色々な断面から見ていこうというものです。
自分の会社の従業員構成が、どんな具合になっているのかは、案外と把握していないものです。イメージで、「若手が多い」とか「高齢化している」などと言っているケースが少なからずあります。数値分析をきちんとやってみると、結構イメージとずれていたりするものです。
不確かなイメージだけで人事制度をいじりまわすようなことがあってはなりません。

(1)人員分析①~年齢別人員構成
1)若年層が多い
2)30代~40代が多い
3)高年齢者が多い

年齢別人員構成分析から、どのような方向性が見えてくるでしょうか。
詳しくは「HRM-Consul2~成果主義を考えるブログ」へ!

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March 31, 2005

成果主義をあらためて考える(6)~現状分析(1)

成果主義を入れるのかどうかはともかくとして、人事制度に手を入れようという場合、必ずやらなくてはならないのが現状分析です。
これによって、「何か問題がありそうだけど…」と、もやっとしていたものがはっきりしたり、問題の所在が実は別のところにあったということに気づくなど、現在の人事制度の問題点が明確になり、改革の方向性も見えてきます。
「成果主義にしよう」とか「年俸制を入れよう」といった方法論を口にするのは、この作業が終了してからのことです。

現状分析の対象になるのは、次のようなものです。

(1)定量分析

1)人員分析

2)賃金分析~総額(平均)賃金分析と個別賃金分析

3)人事評価分析

(2)定性分析

1)モラールサーベイ

詳しくは「HRM-Consul2~成果主義を考えるブログ」へ!

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March 30, 2005

成果主義をあらためて考える(5)~なぜ成果主義にしたいのか(1)

何だか、のっけから当たり前のような問いかけをしていますが、この部分をはっきりさせないまま人事制度をいじりまわす会社が多いのが現実です。
成果主義、年俸制などのキーワードが新聞などによく出てくると、自分の会社もそうしないと時流に乗り遅れるのではないかと考え、何だかよく分からないままに「人事制度改革」をしてしまうというケースです。
そこまで極端ではなくても、今の制度には何か問題があるということには気付いていても、その問題が何なのかを把握しないまま、新しい制度を導入するというケースもよくあります。
これらに共通するのは、制度づくりをコンサルタントに丸投げするか、経営者が「とにかく年俸制にしろ」という類のアサインを人事部門にし、あとはお任せというパターンです。
そして、大概の場合、失敗します。
何のためにやっているのか分からないのですから、当たり前の話であります。まぁ、目的がはっきりしないのですから、成功か失敗かも、判定しようがないですが。

目的を明確にすることが、人事制度改革の第一歩です。
そのために欠かせないのが、現状分析、つまり現状の把握と分析です。
この作業の結果、制度をどう変えるのか、方向性が見えてきます。場合によっては、制度そのものではなく、運用に問題があるのかもしれません。その場合は、アプローチの仕方が異なってきます。
現状分析はどう進めればいいのか、次回以降検討していきます。

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March 28, 2005

成果主義をあらためて考える(4)

これまで3回にわたって、成果主義をめぐる混乱を見てきました。

そもそも「成果主義」とは何なのでしょう。
「職務給」とか「職能給」というのは賃金体系を表す言葉です。また、「評定尺度法」とか「点数法」と言えば、人事考課の手法を指します。それ以外にも「目標管理」、「業績連動賞与」と言えば、それ自体が、ある特定の人事制度を表現しています。実際の制度には、様々なバリエーションがあるにしてもです。
それに対して「成果主義」というのは、何か特定の制度なり体系なりを表した言葉ではありません。「成果に基づいて賃金などの処遇を決める考え方」のことです。ですから、現実の「成果主義人事制度」には職務給があったり、職能給の変形であったり、目標管理が入っていたり、いなかったりと、実に様々です。そもそも、「成果」の定義自体、はっきりしません。
こうしたことが、最近の混乱の元になっているように思います。

私自身、成果主義という言葉そのものには疑問をもっています。人事制度や人事政策を表すのに、なぜ「主義」などという言葉を使うのかと思っています。ただ、この言い方が、最近の人事制度の動きを総称する、一般的な表現になっているので、使っています。
そして、従来の職能給を軸とした人事体系が行き詰まりを見せているのは確かです。
そうした中、成果を軸にした人事体系が、今後の経営を考える上で大事なポイントになってくると思っています。成果主義を、一概に「ダメ」と切り捨てるのではなく、もっと広い視点で、会社と個人がwin-winの関係になるような制度にするにはどうしたらいいかを、色々と考えていきたいと思っています。

そんなわけで、これからしばらく、こんな内容でこれからの人事制度のあり方を検討していきます。体系だってはいませんし、この内容も途中で軌道修正していくかもしれませんが、お付き合いのほどをお願いします。コメント、是非お寄せください!(これまでもして下さった方、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします)
 ・なぜ成果主義にしたいのか、よく検討する
 ・現状分析をしっかりと
 ・成果主義はポリシー。具体的な制度にはいろいろなバリエーションが。
 ・ポジショニングの仕組みが柱
 ・評価制度がポイント
 ・賃金をどうするか
 ・賞与をどうするか
 ・フォロー体制

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March 18, 2005

成果主義をあらためて考える(3)

成果主義には他にも色々な批判がありますが、代表的なものを、あと3つ上げておきましょう。

<成果主義とは結果主義?>
成果主義を入れると、みんな、数字だけを追いかけるようになり、数字に結びつかない業務をやろうとしなくなるという意見があります。意見というだけでなく、実際にそうなってしまっているケースもあります。
ここにも、成果主義に対する誤解と、誤解に基づいて制度をつくってしまった悲劇があります。
業績数字が成果のひとつであることは確かです。しかし、それは、一部であってすべてではありません。
成果主義=業績数字結果主義と捉えている人が実に多い。本当にそうなのか、考えてみる必要があります。
逆に言うと、業績数字以外の成果はあり得るのかということにもなります。
これに対する私の答えは「あります」、です。
たとえば、業務改善の結果、業務がスムーズに流れるようになり、社員のモチベーションも上がったというケースがあります。これも成果です。
もちろん、これらを数値化することも可能です。しかし、これは業績数字そのものではありません。
成果は、業績数字だけでなく、業務遂行の結果、今、会社がどのような状態になっているかということも含まれるということです。

もう少し根本的なことを考えてみましょう。
世の中に、成果主義というコトバを唱える人は数多くいます。成果主義を標榜した人事制度を入れた会社も数多くあります。しかし、その中で、「成果」を定義している会社がどれだけあるでしょうか。
ここに悲劇があります。「成果」を、コンサルタントや本のお仕着せではなく、自社バージョンで定義しなくてはならないところを、それをやらないで、「成果主義」を入れてしまっているということです。

<なぜか短期業績に走ってしまう>
成果主義を入れると、なぜ、突如として短期(半期、1年)の結果しか見なくなるのでしょうか?
もちろん、業績賞与などは、こうした見方をするのが理にかなっています。しかし、賃金や処遇、人材開発などでこれをやりだすと悲劇です。
成果主義=短期業績主義にいつの間にかなってしまっていますが、これも成果主義に対する誤解のひとつでしょう。

<みんなが疲弊するのはなぜ?>
成果主義は、年功序列や職能資格制度に比べると、確かにハードな制度です。
そのため、成果主義を入れると、心の病にかかる社員が増えるという調査も出ています。
まぁ、成果主義を入れたからというだけでなく、会社の人事政策や人材マネジメントに対する考え方も、大きな要因になっているのだと思いますが。別の角度から見ると、人材マネジメントに対するしっかりした考えなしに成果主義を入れた会社で、このような問題が発生しているのではないかと思うのです。推測にすぎませんが。
それはともかく、人事制度がハードなものになる以上、それに対するケア、バックアップ体制も欠かせません。こうしたことへの配慮なしに、成果主義を取り入れることは避けなくてはいけません。

<これからの展開は?>
これまで3回に渡って、「本当に成果主義って、ダメなのか」ということを私なりに検証してきました。
次回から、成果主義の考えに基づいた人事制度を導入する場合の留意点、ポイントを色々と書いていきます。

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March 16, 2005

成果主義をあらためて考える(2)

<成果主義は生産性を下げるという批判>
成果主義に対する批判のひとつに、皆、容易に達成できそうな目標を掲げるようになってしまい、結局モチベーションも生産性も下がってしまうというものがあります。
確かに、そういうケースは少なからずあります。
達成できそうな目標など、マネジャーが認めなければよさそうなものですが、現実には、マネジャーが部下全員の業務を掌握するのは不可能ですから、部下の立てた目標が、困難な目標か、簡単な目標か見抜くのは難しいです。

<目標管理制度への批判>
この批判は、目標管理制度への批判でもあります。目標管理というのは別段目新しい考え方でも何でもありませんが、成果主義とともに再び注目されるようになりました。
成果主義を標榜する人事・賃金制度における目標管理とは、期初に成果目標を立て、期末に、その達成度で人事評価をし、賃金などの処遇決定につなげるというものです。他にも、面談によるコミュニケーションとか、人材育成とか色々言われていますが、エッセンスを取り出すとこういうこと(処遇決定)になります。
成果によって賃金に差をつけることだけを目的として制度を導入しているのですから、こうなるのも当たり前です。その結果が、はじめに上げたような問題となって現れているわけです。

<目標管理は処遇の道具?>
しかし、いま一度、目標管理というものをよく考える必要があります。この仕組み、処遇決定のためだけのものなのでしょうか?
目標管理を最初に提唱したのはドラッカーだと言われています。また、ワーク・モチベーションの研究で有名なマグレガーなども取り上げています。
こうした人たちの著作には、目標管理を処遇決定に使うようなことはほとんど書かれていなかったように記憶しています。マネジメントやモチベーション向上のためのツールとして捉えられていたと思います。

成果主義、そして、それに結びついて語られた目標管理がどちらも、賃金に差をつけ人件費を抑制するというところからスタートしたのが、今の混乱を招いているのではないでしょうか。
賃金に差をつけること、総額人件費を抑制することは、いずれも重要なことです。問題は、そのことだけを目的に人事制度をいじりまわしたことにあったのだと思っています。

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March 15, 2005

成果主義をあらためて考える(1)

3月10日の日経産業新聞に、中村屋が管理職に完全成果主義導入するという記事が掲載されていました。以下、NIKKEI NETからの引用です。

「中村屋は4月1日から人事制度を改革する。管理職に成果主義型の報酬制度を導入。次長職もなくし、役職や給与体系の簡素化も進める。食品業界は少子高齢化で市場の伸び悩みが続く。価格競争に走り利益率が低下するケースも出ている。自社の業績に対する従業員の意識を高め、競争力向上を狙う。
 管理職は次長職をなくして課長と部長のみにし、定期昇給も廃止する。前年の評価によって課長は4段階、部長は3段階の「バンド」と呼ぶ階級に振り分け、これに応じて報酬を支払う。これまで役職や資格などの組み合わせで管理職の給与は37段階もあり、役職や資格が上でも年次によって報酬が逆転することもあったという。」

「完全成果主義」という言い方も何か変な感じもしますが(それなら、他社の成果主義は「不完全成果主義」?)、ここには、近年の人事制度改革のエッセンスが盛り込まれています。
定期昇給廃止、賃金のブロードバンディング、そして次長などの「中二階」的ポストの廃止など。

<成果主義へのアンチテーゼ>
「成果主義」。近年盛んに出てくるキーワードです。しかし、その定義はいまひとつはっきりしません。そして、90年代の不況と同時期にさかんに言われだしたことが、混乱と誤解を招いているように思います。成果主義が、リストラ(この言葉も、本来のリ・ストラクチュアリングとは相当異なる意味合いをもってしまいましたが)とセットで語られ、それに多くの経営者が飛びついてしまったというのが実態ではないでしょうか。
そして、今。成果主義に対するアンチテーゼが盛り上がっています。
なぜなら、成果主義=結果のみで処遇を決める「人参ぶら下げ制度」という解釈が蔓延していたからです。誰だって、そんな制度、Welcomeではないですよね。

<成果主義とは何か?>
本来の成果主義とは、そういうものではないはずです。
私は、成果主義とは、「ゴールイメージを明確に打ちたて、上司と部下が密なコミュニケーションの元でゴールイメージを共有し、その達成に向かっていく一連のマネジメントサイクル」だと考えています。
この観点で、成果主義というものを改めて考えてみます。
ご意見のある方は、ぜひ!

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January 24, 2005

大手銀行、非正社員にも成果主義

1月23日の日経新聞に、大手銀行が非正社員にも成果主義を適用する動きが広がってきたという記事が掲載されていました。記事によると、投資信託や住宅ローン販売などで実績をあげた人ほど多くの報酬をもらえる仕組みで、りそな銀行は年内にも派遣社員を対象にした新しい制度を導入、UFJ銀行も中途採用の嘱託社員に適用するということです。横並びの処遇を改めてやる気を引き出し、リテール部門の営業力を強化するのが狙いのようです。

「非正社員」(あまりいい言い方ではありませんが)というと、まず頭に浮かぶのが契約社員です。契約社員を採用する目的は色々ありますが、そのひとつに、正社員にはいないような高度な専門知識・ノウハウをもっている人を使いたいというケースがあります。正社員の賃金体系の枠組みから離れた高額報酬を支払うのが通例です。
こういう場合、一定の契約期間が満了し、再契約をするか、する場合は報酬をどうするかは、それまでの成果によって決まります。従って、こうした人たちにとって「成果主義」は、当たり前のことです。

今回の記事で取り上げられている、派遣社員の場合も、働きが悪ければ派遣契約の更新はされないのが通常でしょうから、やはり仕事の成果は問われていると言っていいでしょう。ただ、それが報酬に反映されているかというと、必ずしもそうではありません。成果を問われていると言っても、それは派遣契約の継続の有無にしか関わってきません。
その意味で、今回のケースは、それを一歩進めた試みと言えます。

元々、労働者派遣が認められていたのは一定の専門的業務に限られていました。法改正で、そういう制限はなくなりましたが、もちろん今でも、専門業務を担う派遣スタッフは数多くいます。
専門性の高い人、実績の上がる人が、派遣社員として、高額報酬で色々な会社に派遣されるという時代が来るのかもしれません。

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