介護での立ち寄りは通勤災害に?~裁判所、新判断
以下、NIKKEI NETから引用します。
義父の介護で寄り道して帰宅する途中の交通事故が「通勤災害」にあたるかどうかが争われた訴訟の判決で、大阪地裁の山田陽三裁判長は12日、「介護のための回り道は通勤経路に含まれる」との判断を示し、原告の男性の訴えを認め、労災保険の不支給処分を取り消した。原告側弁護士によると、介護目的の“寄り道”を通勤経路と認めた判決は初めてという。
(中略)
訴えていたのは大阪府富田林市の男性(58)。2001年2月、勤め先から帰る途中で両足が不自由な義父(90)宅に寄って夕食の用意や入浴介助などを済ませ、徒歩で自宅に向かう際にミニバイクと衝突、頭蓋骨(ずがいこつ)骨折などのけがを負った。労働基準監督署に休業給付を申請したが、「通勤途中の災害とは認められない」として不支給とされた。
(了)
労災保険で「通勤」とは、「就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法により往復すること」を言います。
そして、途中で「逸脱」や「中断」があれば、それ以後は通勤途上とはなりません。
冒頭にあげた、会社帰りに同僚と飲んでいったという場合が、それにあたります。
この場合、飲んだ後は、通勤ではなく飲み屋の帰りということになるわけです。
ただし、これにも例外があります。
まず、その「逸脱」、「中断」が「日常生活上必要な行為であってやむをえない事情により行う必要最小限のもの」である場合、その逸脱や中断の間を除き通勤となります。
また、経路上でごくささいなこと(公園でひと休みなど)をする場合は、逸脱や中断になりません。
今回問題になったのは、義父の看護が、「日常生活上必要な行為であってやむをえない事情により行う」ものであったかどうかということ。
この点、裁判官は、義父と同居する家族の帰りが遅く、男性が週4日程度通っていた点に着目、日常生活上必要な行為と認めたようです。
また、中断や逸脱があまり長時間におよぶと、通勤とは認められなくなります。
「もう通勤ではなく、中断行為からの帰りでしょ」というわけです。
今回のケースでは、義父宅にいた時間が1時間40分。これをどう見るかですが、裁判官は「特に長時間とは言えない」と判断しました。
核家族化が進み(と言うより、それが当たり前になり)、親子が別居している状態は珍しくも何ともありません。
高齢化の中、別居家族の介護というのも、よくある話です。
今回のようなケース、これから先もしばしば起こることではないでしょうか。
こうした社会的背景をふまえた、妥当な判決ではないかと思います。
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