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May 24, 2005

平成16年度個別労働紛争解決制度施行状況

労使紛争というと、かつてはストライキ、ロックアウトなど、いわゆる「集団的労働関係」にかかわるものがほとんどでした。
今は、リストラ、賃金カット、職場いじめなど、「個別的労働関係」」に主役が移っています。
パートタイマー、契約社員など、労働組合が対象にしていない就業者の増加、それに伴う労働組合の組織率の低下(労組の組織率低下はそれだけが原因ではありませんが)などが、その背景にあるのでしょう。

こうした状況を受けて、個別労働紛争解決制度が2001年10月に施行されました。
制度の利用者は、着実に増えているようです。
このほど、厚生労働省から、「平成16年度個別労働紛争解決制度施行状況」が発表されました。

以下、報告の概要です。

<相談などの件数>

1. 総合労働相談件数:823,864件(12.2%増*)
2. 民事上の個別労働紛争相談件数:160,166件(13.7%増*)
3. 助言・指導申出受付件数:5,287件(20.8%増*)
4. あっせん申請受理件数:6,014件(12.4%増*)
【増加率は、平成15年度実績と比較したもの。】

個別労働紛争解決制度は、平成13年10月の施行から3年半を経過したところであるが、人事労務管理の個別化等の雇用形態の変化、厳しい経済・雇用情勢等を反映し、全国約300ヵ所の総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別労働紛争に係る相談件数は16万件を超えている(総合労働相談件数は82万件超)。
また、助言・指導申出受付件数は5千件、あっせん申請受理件数は 6千件を超えるなど、制度の利用が進んでいる。

<相談受付状況>

各都道府県労働局、主要労働基準監督署内、駅近隣の建物などにおいて、労働に関するあらゆる相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナー(約300ヵ所)を開設しているところであるが、平成16年度1年間に寄せられた相談は82万3,864件であった。
このうち、労働関係法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる民事上の個別労働紛争に関するものが16万166件である。
また、民事上の個別労働紛争にかかる相談内容の内訳は、解雇に関するものが最も多く27.1%、労働条件の引下げが16.0%、いじめ・嫌がらせ8.1%と続いている。

<都道府県労働局長による助言・指導及び紛争調整委員会によるあっせん>

平成16年度の当該制度に係る助言・指導申出受付件数は5,287件で、平成15年度比20.8%の増加となっている。
あっせん申請受理件数は6,014件、同じく12.4%の増加となっている。

<紛争調整委員会によるあっせん>

あっせん申請の主な内容は、解雇に関するものが40.5%と最も多く、労働条件の引下げが13.0%、いじめ・嫌がらせが8.1%と続いている。
申請人は、労働者が5,880件(98.1%)と大半を占めるが、事業主からの申請も113件(1.9%)となっており、労使双方からの申請も3件(0.1%)あった。

労働者の就労状況は、正社員が62.8%と最も多いが、パート・アルバイトが19.1%、派遣労働者・期間契約社員も13.0%を占めている。
事業所の規模は、10~49人が34.4%と最も多く、次いで10人未満が21.8%、50~99人が10.7%となっている。
また、労働組合のない事業所の労働者が71.1%である。

<都道府県労働局長による助言・指導>

助言・指導の申出の主な内容は、解雇に関するものが31.3%と最も多く、労働条件の引下げが14.7%、いじめ・嫌がらせ7.4%と続いている。
申出人は、労働者が95.1%と大半を占めるが、事業主からの申出も259件(4.9%)あった。
就労状況は、正社員が61.3%と最も多いが、パート・アルバイトが19.9%、派遣労働者・期間契約社員も12.5%を占めている。
事業所の規模は、10~49人が31.9%と最も多く、次いで10人未満24.0%、100~299人が13.1%となっている。
また、労働組合のない事業所の労働者が71.1%である。

【あっせんの例】
<事例1:労働条件引下げに係るあっせん>
◆事案の概要
申請人は、事業不振を理由に一方的に正社員からパートへの変更を打診され納得できずに退社したところ、退職とみなされ退職届の提出を迫られていることから、正社員としての復職又は職を失うことについての補償金の支払いを求め、あっせん申請を行ったもの。
◆あっせんの結果
○○万円の解決金を支払うことで合意が成立した。
◆あっせんのポイント
会社は、和解金による解決に理解を示し、申請人も和解金の金額に譲歩を示し、双方の合意が成立した。

<事例2:セクハラに係るあっせん>
◆事案の概要
申請人は、懇親会の席で上司に体を触られるなどのセクハラを度々受けており、加えて、当該上司から日常的に激しい口調で叱責されており恐怖心から抗議もできない状況であったことから、セクハラについての謝罪と慰謝料の支払いを求め、あっせん申請を行ったもの。
◆あっせんの結果
謝罪が行われ、○○万円の解決金を支払うことで合意が成立した。
◆あっせんのポイント
あっせん委員を交えた話し合いの結果、会社側がセクハラについて事実を認め謝罪するとともに、和解金についても、あっせん委員の調整の結果、双方の合意が成立した。


【助言・指導の例】
<事例1:労働条件引下げに係る助言・指導>
◆事案の概要
申出人は、35年間勤めていた会社を定年退職したが、退職の直前に会社より、経営状況が厳しいため退職金を2割減額して支給する旨の説明があり、退職後減額した退職金が支給された。
申出人は、退職金の減額に同意しておらず、減額分の支給を求め、労働局長の助言・指導を求めたもの。
労働局長の助言・指導を踏まえ、申出人と会社側とで話し合った結果、減額分についても支給されることとなった。
◆助言・指導の内容
労働者にとって、不利益な変更内容と判断される労働条件の変更については、基本的には労使の合意が必要となることから、当事者間でよく話し合うこと。

<事例2:整理解雇に係る助言・指導>
◆事案の概要
申出人は、食品会社の営業部門に勤務する者であるが、営業部門が廃止されることに伴い他工場への配置転換を内示され、通勤困難であるため別の事業所への変更を申し入れたところ解雇予告をされたため、解雇の撤回と通勤可能な事業所へ配属を求め、労働局長の助言・指導を求めたもの。
労働局長の助言・指導を踏まえ、申出人と会社側とで話し合った結果、解雇が撤回され、通勤可能な別の工場で勤務することとなった。
◆助言・指導の内容
判例上、整理解雇については使用者による十分な解雇回避努力など四つの要件が求められること、また、配置転換については労働契約等における勤務地・職種の限定や労働者の不利益の程度等により制限を受けることから、当事者間でよく話し合うこと。

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Comments

この制度が段々浸透してきていますね。
私もこの制度をご紹介したことがあります。

Posted by: もうかる会社の組織とは?うつみです。 | May 24, 2005 at 04:45 PM

こちらからもトラックバックさせて頂きました。これからもよろしくお願いします。

Posted by: 新潟の社労士「越後の虎」が送る【読むさぷりめんと】 | May 24, 2005 at 05:30 PM

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